というわけで、今回はマジメに新製品の紹介。
ダンジョンロードやトラベルブログ、ギャラクシートラッカーなどのデザインで知られる、「チェコ共和国のゲームデザイナーといえばこの人」なヴラーダ・フヴァーティルデザインの新機軸お絵描きゲーム、
ピクトマニア
です。
お題シールがあまりに膨大(シール10枚!)になったので、一般流通がキビシイと判断、限定流通での販売(とりあえずHobby Japan Webショップのみです)となってしまいました……
さて。
お絵描きゲームは世の中に色々ありますが(当社でも『グラフィティ』が好評発売中でございます)、
「絵の上手い下手・絵のセンスが勝敗にどのように直結させないか」
で、どのゲームデザイナーも悩んでいるかと思われます。
ピクトマニアはそこを『トラベルブログ』や『モンド』のようなリアルタイム/同時進行のゲームとすることで解決しています。
ゲームの流れは以下のようになります。
まず、プレイヤーの持ち物。
お絵描きボードと水性ペンと消し布。
他のプレイヤーからもらうと得点、渡せず残ってしまうと減点となる得点トークン。
1から7までの回答カード。コレを他の人の描いた絵の前に積んで、当てるとその人から上記の得点トークンをもらうのです。
あと、タイムリミットのカウンターともなるボーナストークンが中央に置かれます。
さて、ゲームですが……まず、お題が表示されます。
お題は難易度4段階で、6枚のカードを全員に見えるように並べます。
各カードには、そのカードのテーマに沿った7つのお題が提示されています。
ちなみにカードは99枚×裏表。
付属のシールは見易さなどを検討した結果、カードの文面にこんなふうに張ることも……
198×7回の作業だがな!!
そして、「6種類のどのカードか」というトークンと、「何番のお題か」というトークンをランダムに配って一斉にスタートです。
なお、カードとお題の番号は重複しませんので注意。
結構重要な要素デス。
プレイヤーがすることは
1.お題の絵を描く。
しかも、他の人が当てれるように。
2.他の人の絵が、何番のお題なのかを当てる。
わかったら回答カードを重ねるように置き、早ければ早いほど点数が高い。一度回答カードを置いたら置きなおしは不可。
コレが厄介で、他の人の絵に間違って置いたり、とか結構発生します!
3.もうこれ以上描けない、当てれない、と思ったらボーナストークンを取る。
早ければ早いほど点数が高い。
人数より常に1枚少ないので、最後に残った人はもちろんボーナスはらえないし、そもそもボーナストークンが無くなったら、そこで1ラウンド終了。
それ以上当てることも描くことももうできません。
あとは得点清算。
まず、それぞれのプレイヤーの絵に置かれた回答カードに、そのプレイヤーの得点トークンを配ります。
早く置いた人ほど点数が高いので、当てにかかるプレイヤーは絵をすばやく描くか、描かずに先に当てに走る必要があるわけです。
コレがあまるとそのプレイヤーは「下手な絵=お題そぐわないか適当に描いた」ということで、余った分だけペナルティになります。
回答の時に間違ったプレイヤーの解答カードは、後で集計します。
一番多かった人は当てるときに適当にやっていたか、当てる能力が残念だった(わからなければ回答カードを置かなきゃいいわけですので)ということで、『みそっかす』になります。
そして、ボーナストークンですが、『みそっかす』のプレイヤーは通常得点になるはずが、ペナルティとなってしまいます。
適当にやってボーナス点をもらおうなんて甘いことはできません。
つまり……
・ペナルティを受けないためにはしっかりお題とわかる(しかもそのカードの他の紛らわしいお題や、たまにある他のカードの紛らわしいお題と判別できる)絵を描く必要がある。
・得点を得るには、他の人がどのお題を描いたのかを当てなくてはならない。
・ボーナスを得るためにはすばやく描き、すばやく当てなくてはならない。最後の一人になるのはもってのほかだし、かといって適当にやってボーナストークンお高い点を取るとペナルティになってしまうかもしれない。
……と、言うように、手の速さと機転と伝える能力のほうが重要で、絵のうまさはそんなに要求されるわけではないのです!
しかも、急ぐ必要があるのでプレイ中は怒号や笑い声が飛び交います。
仕上がった絵も急いで描くのとお題の絶妙さで見事なものから珍妙なものまでそろうコト必至で、お絵描きゲームとしては絵を見ているのも当然楽しいゲーム。
『グラフィティ』は大人も子供も混ざって遊べるのがウリですが(誰が書いたか当てられないように、下手な人にあわせて下手に描く必要があるのだ!)、こっちはどちらかと言うと大人同士や子供同士で遊んだほうがいい感じの絵を使ったコミニュケーションゲームといえるでしょう。
カードの内容・セレクトがかなりの傑作ではあるのですが、英語力があるとより楽しめる感じですので、ある程度ゲームになれた人にオススメです。
ピクトマニア(Pictomania)
デザイン:ヴラーダ・フバーティル
プレイ人数:3-6人
対象年齢:9歳以上
プレイ時間:25分
制作:Czech Games Edition
価格:5,250円(5,000円+税)