なんかあれね、前回紹介した「こねこミキサー」はかなり物議をかもしてますね……。
ネコ好きな人は徹底して忌避しているようですが、あのゲーム、
実は売り上げの一部が野良猫保護のために寄付されるというゲームです
たっぷりジレンマ感じながら購入検討していただければ。
さて、そんな前ふりとは関係なしに。
今回紹介するのは
エヴォ:進化の掟(EVO)です。
ちなみにタイトルに「進化の掟」とかつけたのは、「エヴォ」でぐぐるとランエヴォやらなにやらのオンパレードなんで……
さて、ゲームのデザインはスモールワールドでおなじみのフェリペ・ケイヤーツで、デザインしたゲームは少ないのですが、その殆どが陣取り系のゲームと云う人。
ヒット作のスモールワールドはヨーロッパを舞台にしたヴィンチ(Vinci)のリメイクでしたが、こちらも同じくリメイクというか、同名のエヴォ(EVO)の改訂版になります。
時は2億1745万3883年と7ヶ月と26日前……所は「クラー」と呼ばれる島。
(これ、旧版の説明だな。)
プレイヤーは恐竜達を遊牧する部族を率い、刻々環境が変化するこの島でパートナーである恐竜を進化させ、地場を固めていくのです。
なお、「部族」と呼ばれている生物が何なのかはゲーム中では一切語られていません。
イラストは人類っぽいのですが、霊長類ヒト科の登場までは、ゲーム開始時より2億年以上待たなければなりません……
恐竜の出現は中生代三畳紀で、このころ。
哺乳類はその前の古生代ペルム紀に一度大繁栄しているので、そのころの初期哺乳類から進化し、ペルム紀の大絶滅を切り抜けた生き物なのかもしれません……
自分の恐竜の形質を表示する恐竜ボード。
白亜紀北半球で全盛を極めたハドロサウルス科、おそらくパラサウロロフス……
言わずと知れたティラノサウルス……ではなく、頭骨の絵から見るとアロサウルスっぽいねー。でも骨盤の形状は違うな……
絵と能力は関係ないのですが、まぁ、雰囲気。
イラストはきれい!
ゲームの目的は、ゲームが終わるまでに他のプレイヤーよりも、より多くの突然変異ポイント(Mutation Point)を保有していること。
MPは勝利点であると同時に、ゲーム中に使用できる通貨でもあります。
マップは人数によって変えます。
スモールワールドでもおなじみ、ゲームバランスも最適化されるので、これは良いテクニックですな。
こんな感じ。
ゲームの流れは以下の感じ。
・気候フェイズ
気候トークンを引いて、気候ディスクを動かす。寒冷地になったり、高温地帯になったり、生存不可能になったりと忙しい。
隕石トークンが引かれたらゲーム終了。
気候トークンは13枚で、1枚をランダムに見ないで取り除いて、隕石トークンは底の3枚のうちのどれか。つまり12枚の気候トークンの上から10枚目から12枚目が隕石ってこと。
つまり1ラウンドは1300万年~1400万年ってことかー。
ラウンドスケールでは最長の部類だな……
・突然変異フェイズ
競りにかける遺伝子トークンを引いて競りにかけます。
前のフェイズで気候が変わってたりするなら、環境に適応するためにその環境に耐えうる形質を手に入れるといいのですが、競りは得点にもなるMPでするので悩ましい。
遺伝子トークンは戦闘に有利になるものや、環境に耐性を与えるもの、繁殖が有利になるもの、特殊な移動方法(飛行や水生など)を得るものなど様々。
遺伝子トークンはプレイヤー人数より1枚少ないかわりに進行が有利になるカードが手に入るスロットもあります。
シールは色々がんばったよ!
競りは上回る値をつけた人が今まで最高値をつけていた人を押し出す方式。
CGEの「20世紀」でも使っていたシステムだけど、なんかいい名前無いのかこれ。
→ →
こんな感じで、今度は青のプレイヤーが競り値をつける番。
右端の空いているスロットにしても良い。
・ターン順フェイズ
ターン順を改めます。順番は盤上の恐竜コマが少ないヒトから。
・移動フェイズ
遺伝子の獲得が終わったら、盤上の恐竜コマを動かします。
獲得した形質にあった環境に動いたり、邪魔なほかのプレイヤーの支配エリアに移動したり、戦略と環境に併せて移動します。
戦闘が起きたらダイスで判定。
ダイスは専用ダイスを使用して行います。
・誕生フェイズ
生存地域を広げたら、次は繁殖。恐竜コマをいま占領しているエリアの隣に、繁殖できる数上限まで増やしていきます。
・生存フェイズ
最後に、一番最初に決めた環境に合わせて、今のエリアでの生存判定。
生き延びた恐竜の数だけMPを獲得できます。
コレを繰り返すだけ。
キモは環境変化の要である環境ディスクの変化に合わせて効率よく必要な遺伝子トークンを競り落とすこと。
最適環境に移動すること。
相手を蹴落とすのは何も直接戦闘じゃなくてもできます。
例えば、この位置だったら右に1回ると今寒冷地帯の白の地域は生存不可能に、左に1回ると緑の地域が生存不可能になります。
特定の環境だけが安住の地となるので、他のプレイヤーの移動傾向をにらんで戦略を立てるわけです。
たぶんこんな感じ。森の中で滅べ!
(※盤面から完全にコマが消えることは無いんですがね)
とはいえ、こんなことせずに、戦力関連の遺伝子特化型でもいいと思うよ?
ただし、自分のところの適正環境とかも要注意。
広げすぎると痛い目に会うかも知れません……
まぁ、遺伝子はランダムに登場なんで臨機応変に。
いくら生息域を広げても、収支が合わなきゃ意味が無いし。
ゲームは隕石トークン=ジャイアントインパクトで白亜紀の大絶滅をもって終了です。
絶滅までに、最もMPを貯めることが出来たプレイヤーが勝者です。
サクサクラウンドを進めることが出来るので、以外に早くゲームは終わります。
もちろん、陣取りゲームならではの駆け引き感というか、支配地域とそこからの収入と支配地域を獲得する際の支出やリスクの損得勘定は非常に楽しいもの。
ヴィンチからのリメイクで化けたスモールワールドと同様、結構旧版と変わっている点も重要です。
確実にサクサク終わるようになっています。
陣取り系のゲームが好きなヒトにはもちろん、エヴォの旧版からのファンにもオススメいたします。
エヴォ:進化の掟(EVO)
デザイン:フェリペ・ケイヤーツ
プレイ人数:2-5人
対象年齢:14歳以上
プレイ時間:60分
制作:Asmodee
価格:6,000円+税