エコだよそれは!『20世紀(20th Century)』


20世紀 今週も出荷ラッシュが相次いでおり、目ざとい人はGEN-CONのときから注目していた『世界の7不思議(7 Wonders)』やチーパス社版に比べると豪華な内容『セーブ・ドクターラッキー(新版)』が先日出荷されております。
 そして本日はさらなる混乱間違いなしの『ジャングル・スピード拡張セット』と、エッセン新作の経済ゲーム『20世紀(20th Century)』が出荷されます。
今日はその中から「20世紀が発展と環境破壊の世紀であった」というテーマによる20世紀を紹介します。

ボード全景 ゲームは鉄道や工場や病院が書かれた『土地タイル』を毎ラウンド競りで入手して配置し、国土を充実させていくのが基本の流れです。

流れはいたってシンプル。

土地 土地タイルは競りの開始プレイヤーがそのラウンドに用意されたタイルの中からひとつ選んで開始価格をつけ、競りをしていきます。競り終えた後に次のタイルを選ぶのはその土地タイルを競り落としたプレイヤーです。

このラウンドに競売に出る可能性のある土地タイルをよく確認しておくことが重要。

技術 土地以外にも『技術タイル』と言うものもあり、これは先に述べた土地タイルの競りから降りたら(パスではなく、そのラウンドではそれ以上競りに参加できなくなる)1枚だけ獲得の権利が得られます。

ただし、技術タイルは後から獲得したほうが安くなるため土地タイルの競りをやめるタイミングを見計らう必要があります。

お金 競りをするための『通貨』は2種類。金と科学ポイントで、それぞれ土地の競り(購入)と技術の競り(購入)に使います。

しかも所有額は秘匿情報なので、競りの時には注意が必要です。

国土発展 どちらも購入した土地を配置した国土から生産されるため、計画的な発展が重要となります。しかも、市民がいない都市からは生産されるものはありませんので、都市計画(人口の配分)も重要になってきます。

 こうして獲得したタイルによる「発展」という光には「環境破壊」という影が付き物。
獲得した土地には『ゴミ』が伴い、得点の強烈なペナルティとなります。しかも1ラウンドに土地タイルをたくさん獲得すればするほど多くのゴミが伴うようになりますので、強引な国土開発は問題です。このゴミを取り除くにはリサイクルセンターのある土地タイルや技術を手に入れなくてはなりません。

環境破壊環境破壊カード また、土地と技術を獲得した後に、環境破壊の逆競りが行われ、科学ポイントをつぎ込んでやらないと、環境破壊により手痛いペナルティを喰らいます。
 これは「まったく何も無い」列から「環境悪化+ゴミ」などの列まであって、必ずどれかの列を得ることになります。その列で競り続けてもいいのですが、多少であれば左の列にいくのもあり。他の人の競り値を見て判断しなければなりません。

ボーナス 2ラウンド目と4ラウンド目と6ラウンド目には、その発展内容に応じたボーナス得点を得ることができますが、2ラウンド目と4ラウンド目はランダムに決まりますので、毎ゲーム違った目標を目指すことになるでしょう。ちなみに勝利点は「健全な生活による満足」の度合いなので、2ラウンド目には金とか科学ポイントが勝利点になったりしてたのが、4ラウンド目にはゴミがないこととか、自分の国の環境水準とかで勝利点になるようになり、価値観の変化を表しています。

 タイルの配置によって生産性などが変わるのですが、「橋」(離れている鉄道をつなぐことができる)、「労働者」(市民トークンがもらえる)、「機関車」(市民トークンを配置した都市から動かせる)、「リサイクル」(金や科学ポイントでゴミを取り除ける)などを駆使することで、国土の利用を効率的にしていくことができます。

 ちなみに良くある「誰からゲームを開始するのか」のルールですが、「ゴミ分別に一番うるさい人」が最初のプレイヤーになります。
 エコ丸出しです。

 かなりオーソドックスなシステムで目新しいところは無いのですが、よく考えてある競りのルールで、ゲームに慣れている人ならすぐにプレイできる好ゲームとなっています。

20世紀(20th Century)
プレイ人数:3-5人
対象年齢:13歳以上
プレイ時間:75-120分
ゲームデザイン:ウラジミール・スヒー
製作:Czech Games Edition
日本語ルールつき
価格:7,000円+税

近日受注開始予定の『フンタ【日本語版】』に比べると、なんて「良い子」向けのゲームなんだ……。