みなさんこんにちは! 『FF-TCG』開発プロデューサーの景山太郎です。世界的に非常に厳しい状況が続いておりますが、みなさんと家族全員が健康であることを願っています。

 さて、このような状況で僕からできることは少ないのですが、それでも情報発信だけはできると思いますので、今まで以上にいろいろなことを発信していきたいと思います。というわけで今回からプロデューサーから特別編としまして、いくつかコラムをアップしていこうと思いますのでよろしくお願いいたします。

・最初の描きおろし

 第1回目となる今回は、描きおろしイラストに関しての話をしていきたいと思います。今でこそ各『Opus』に必ず収録され、しかもフルアートバージョンも存在する描きおろしイラストですが、『FF-TCG』で最初に描きおろしが収録されたのは『Opus IV』です。

 記念すべき最初の描きおろしは板鼻利幸さんにお願いした【4-063C】チョコボ、【4-064L】デブチョコボ、【4-069H】モーグリの3枚でした。板鼻さんには同じころに「カードゲーム チョコボのクリスタルハント」と「チョコボトランプ」のデザインをお願いしており、「それなら『FF-TCG』でもお願いできないか」と考えたことがきっかけでした。板鼻さんは当時もお忙しいはずだったのですが快く引き受けていただき、あの素晴らしい3枚のカードが完成したのです。

 どれも素敵ですが個人的に一番心を奪われたのが【4-069H】モーグリでした。モーグリが槍を持って魚を捕っている! このシチュエーションは板鼻さんの世界からしか生まれてこない唯一無二のものです。描きおろしに対しての情熱はかなり大きなものと自負していますが、それのきっかけは間違いなくこのイラストでした。ファイナルファンタジーに関わってきた人たちしか持ちえない世界をもっと見てみたい。そういう思いが芽生えた、自分にとっての大きな出会いだったのです。

・キャラクターと作品の選定

 その出会いから早くも2年がたち、『FF-TCG』のブースターパックには常に新しい描きおろしを入れられるようになりました。作品も多岐にわたり、いろいろなキャラクターが『FF-TCG』に登場しています。それでは、そのキャラクターたちはどのような理由で選ばれているのでしょうか。というか、自分が選んでいるので、言い方が悪いですね。どのような理由で選んでいるのかを説明していきたいと思います。選択理由は大きく分けて3つあります。

1:FFシリーズからカード化する際に描きおろしで世界観を統一するため

 例えば『Opus VI』の『FF II』。これらは松田俊孝さんのイラストで【6-019L】フリオニールや【6-057L】マリア、【6-123L】ミンウなどの主要キャラクターが描かれています。あるいは『Opus X』では『WORLD OF FINAL FANTASY』の【10-017R】ラァン、【10-020L】レェン、【10-019C】ルゥス、【10-021C】ロォクの4枚のカードを泉沢康久さんにお願いしています。これらは家族4人で統一した世界観を出すためです。

2:あまりイラストになっていないキャラクター

 『FF-TCG』では同じキャラクターが違うカードとして繰り返し出てきます。しかしながら、元となるイラストやCGの数は作品、キャラクターによって違ってきます。そこで新たなイラストの描きおろしをお願いし、カード化しています。

 例えば『FINAL FANTASY TACTICS ADVANCE』の【11-017H】マーシュや【11-063L】リッツのような、とても魅力的だけどあまりイラストがないキャラクターにおいて、デザインを担当された伊藤龍馬さんの手によって新たなイラストが誕生するという、ファンにとってはたまらないことが起こるのです。何しろファンである僕が言うのですから間違いありません。

3:一般兵とモンスターと召喚獣

 ファイナルファンタジーといえば、有名キャラクターだけでなく、白魔道士や忍者のようなジョブ、特徴的なモンスター、そして召喚獣も欠かせない存在です。それらはTCGにおいても同じです。そういったカードの描きおろしはTCGの魅力をアップするのに欠かせません。小池紅美子さんによる【7-089C】クァールの愛らしさ、浅見瑠比さんによって再構成された【10-029C】黒魔道士、齋藤茜さんの手による『クリスタルクロニクル』シリーズでおなじみの【9-079R】リルティなど、多くの素敵なカードが描きおろしとして『FF-TCG』を彩っています。

 基本的にはこれらの3パターンとちょっとだけ、ほんのちょっとだけ僕の好みで選ばれているのですが、これに加え、ロベルト・フェラーリさんにお願いした『FINAL FANTASY 零式』のキャラクターや、上国料勇さんの【9-063L】ガブラス、オグロアキラさんの『FINAL FANSY IV』シリーズなど、その方が強く関わっている作品をお願いすることもあります。こちらも素敵なイラストばかりで、いつも作品データを受け取るたびに、「今回はどんなイラストなのだろう」とわくわくしています。

・今後の展開

 『FF-TCG』では今後もどんどん描きおろしを入れていきます。また、新たなアーティストの方にもお願いしていますのでそちらも楽しみにしてください。まさかと思うような方が、まさかと思うようなキャラクターに挑戦していますよ。みなさんも、もし描きおろしてほしいキャラクターがいるようならぜひ教えてください。将来の『Opus』に採用されるかもしれませんよ。

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