今回紹介するのは、人気のゲームのキャラクター(?)をそのまま使用して別ゲームに……というパターンの
その名称の通り、ラクダレースで出走していたラクダたちが、レースシーズンがお休みの間、商人の荷物を運ぶという……
オフシーズンとは?!
ゲームの目的は明解。
「金」
さて。
プレイヤーの手元には4頭のラクダ(積載量が3枚、4枚、5枚、6枚違う)と手持ち金を隠すテントと5エジプトポンド。
商う荷物は4種類……
売っているのは中央の商店……こちらはプレイ人数+1枚あります
用意されている商品はタイルに記載されている枚数(表の枚数と裏の枚数が記載されている)
あと、中央のアイコンはこの店の特殊効果。
これは商品カード置き場の櫓……普通にテーブルに置いても問題ありません。
こちらはコイン置き場……ピラミッドもゲーム的な機能は一切ありません。
まず、この各お店の商品ですがお金を出して購入するわけではありません。
どれかを選んで全部もらえます。
しかしそうなるとその順番が重要となるのですが……ゲームはこの取る順番、正確には「最初に取る権利」を競りで決めることが根幹となります。
競りの基本は「入札額を握って一斉にオープンして一番額が多い人が入札、バッティングしていればその下の額の人が獲得する」というのが基本。
ただし、商品山札の一番上のカード次第では、「金額が一番低い人」だったり、「スタートプレイヤーは1ポンド不利」だったりと、若干ルールが変更されていくのがちょいアクセント。
(あと重要なのが、「最初に取る人」を競るのであって、後は最初に取った人から時計回り順なので、2番手でよいという人はそんなに突っ張る必要もないこと。)
さて、スタートプレイヤーマーカーのラクダの行き先が決まったら、順番に商店を選んで行くことになります。
手番のプレイヤーはまず店を選び、能力を使ってもかまいません(使わなくてもかまわない)。
ここは後で説明しましょう。
次に、その商店の荷物はすべて引き取るのですが、裏向きの商品は取った時点で表になります。
そして、ラクダに積み込むのですが、同じ種類の品物は2頭以上に振り分けることはできませんし、1頭には1種類しか乗せれませんし、積載量オーバーすると商品はすべて失われてしまいます!!
このような場合はあと2枚までしか積めない。3枚目を受け取ったとたん、このデーツは全部捨て札に!
ここがちょっとギャンブルゲームを受け継いでいるところ……不確実性を読む必要があるのです!
そこで各商店の能力ですよ!
今積んでいる荷物を1つを取り除いたり、他の商店から荷物を奪ったり、裏向きの商品1つを他の商店に押し付けたり……効果をうまく活用しましょう!
こちらはほかの商店から表向きのカードを1枚と、この商店から裏向きのカードを1枚交換するもの。
全員が荷物を積んだら今度は売却(やらなくてもよい)。
荷物を売るときは1頭から、1回だけ売ることができます。
しかし品物の種類によって制限があり……
果物は最安値のものを任意の枚数売る。
(お高いパイナップルは、お安いザクロが売り切れるまで販売できないので、積むときに気を付けねば!)
絨毯は違う色のセットでなければ売れない……同じ色を積まないように気をつけねば。
逆に焼き物は同じ色の出っと出なければ売れない。
デーツは描かれている個数を、3個で1セットにて販売)。
次の入荷を予想し、今一番金になるのは何なのか、積み込み時にバーストしやすいのかしにくいのか等々考えてさっさと現金化しましょう……お金をかけて仕入れた物をバーストするのが一番痛い!
絨毯の色で欲張ったら、裏向きのカードの中にも絨毯があったので、全部捨て札に……
販売が終わったら、ラウンドの最後。
品物がない商店のタイルは裏返して(別の能力になる)、品物が残っている商店には1エジプトポンドを置きます(売れなかったので安くなるのだ)。
そしてタイルに描かれている枚数だけ再び商品を並べて補充していきます。
これを、山札が尽きたら捨て札をシャッフルして再度山札にし、次のラウンドが最後のラウンド……となります。
プレイ時間は人数にもよるのですが、大体公称通り、45分程度できれいに終わります。
変化する競りの部分はスパイス程度の変化だし、各テントの能力もプレイしているうちに活用方法がするっと入ってくるくらいの重さ。
一方各商品の能力は「もし○○が来たら大損だ!」というのが自然に分かってくる感じのバリエーション。
変に奇を衒った所は無い、手堅い競りゲームとなっていて、自分の取るべき商品群はどれか、他の人は何を狙っていて、何を押し付けたら良いのか、そのためには手番順は何番目が良いのか、その実現にはどのくらいお金を使えばよいのか……等を読むゲームとなっています。
またある程度運の要素を組み込むことで、元ゲームのギャンブル性が(商売ゲームなのに)残されており、子供からでも十分駆け引きができるでしょう。
ラクダにとってのオフシーズンとはなにか、という哲学的問題は残されておりますが、そんな疑問は忘れつつお休みの日に家族で遊んでいただきたい内容となっております。
キャメルアップ:オフシーズン
プレイ人数:3-5人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:45分
製作:アンノ・オッポルツァー、シュテファン・クロス
デザイン:ミン&エルウェン
価格:5,600円+税