恐れ知らずのケルト人にローマの将軍が「お前たちには怖ろしいものは無いのか」と尋ねたところ、「何もない、しかし、空が落ちてくるのが怖ろしい」と答えたといいますが……
アンダー・フォーリング・スカイ
も「空が落ちてくる」のに対抗するもの。
具体的には、宇宙から巨大な異星人のマザーシップが降下して来ており、敵の宇宙戦闘機を迎撃しつつ、地下基地を拡張し、最終的に敵異星人に関する研究をして弱点を探るなり対抗兵器を作るなりして勝利を目指す……というもの。
なお「宇宙(そら)が落ちる」と書くと別路線に。
このコロナ禍のなか、世界的にも2人用のゲームやソリテアゲームの需要が増えたのか、色々リリースも増えているのですがこちらもソロ専用のゲーム。
プリント&プレイのゲームから一般販売化されたゲームで、製品化するだけあって元のPnP版も評価が高かったのですが、さらに要素を加えての製品化となっております。
都市(ロズウェル)、
を最初のゲームでは使います。
オレンジの宇宙船はキャンペーンで、青いダイスは完全ルールで使いますのでとりあえず出番は無し。
ゲームの手順は簡単で、まずはダイスをふって、1個ずつ部屋に配置していく。
置く部屋によって、エネルギーを生産したり、対空砲座で敵の降下を遅らせたり、敵宇宙船を迎撃したりします。
基本的にデカい出目ほど効果もデカいので、必要なところにはどんと配置したいところ。
配置する部屋によってはエネルギーが必要となりますのでエネルギーの生産は忘れずにしたいところ(ダイスを配置しても部屋の能力が使えないのでは無駄になってしまいます)
……出目の分だけ解決時にエネルギーを生産する!
緑の研究部屋は解決時に、出目の分だけ研究できますのでここにもドカンと置きたい。
掘削マシンの向こう側にはダイスは1個しか置けませんが、ダイス目先までに置いたなら、1エネルギー払えばそのダイスの部屋までトンネルを掘れるので、先のさらに強力な部屋を使いたいなら進めておきたいところ。
……などなど、色々な効果のある部屋に、どのダイスを配置するのかが考え所。
ただしこのダイス配置にいくつか制限があって……
まず、ダイスを置くたびその出目だけ宇宙船が降下してきます!(効果も高いが降下も早い……)
(止まった場所によってはマザーシップが降下してくる!)
爆発のマスなら、迎撃戦闘機(のアクションを選んでいれば)で撃墜可能かもしれないのでうまく誘導出来ればしてやりたい。
そして、縦の列ではダイスは1個しか置けません。
また、5個あるダイスのうち、白いダイスを配置した場合、残ったダイスはふりなおしです!
これはうまく使うとダメな出目をふり直せるので、配置の順番も考える重要なポイントとなります。
ダイスを対空砲座に置いていたら、ダイス出目-1降下だけど……その出目、エネルギーの生産やエイリアン研究や、迎撃に使ったほうがよくないか?!
でも爆発マスに敵宇宙船がいれば迎撃戦闘機で敵マザーシップに送り返すこともできるし……ではいっそ先にこの白ダイスを使ってふり直してしまうか……と悩むこと多し。
悩んだ結果、こんな感じで配置をして、敵宇宙船を出目の分だけ降下させて、止まったマスの効果があれば解決をした……
ダイスを配置し終えたら、好きな順番で部屋の効果を解決していきます。
順番はエネルギー効率を考えて解決するだけなのでそう難しくはないか……
異星人研究だけは注意。
部屋は1つづつ解決なので、異星人の研究のトラックが3-1-3-1-4……となっているとき、研究室で[3][6]があったら、先に[6]を解決すると3–1-3-1-4に進めた後、次の[3]で3–1–3-1-4に進むことになります。
先に[3]を解決すると3-1-3-1-4に進めた後、次の[6]で3–1–3–1-4に進むことになります。
その後最後のステップ――マザーシップが1段降下してきます。
降下した段にマザーシップの効果が書いてあれば、その効果が解決されます。
たとえばここは、地下トンネル2部屋後退。きつい。
このように、ゲームは1)ダイスをふって、2)ダイスを地下基地に配置し、3)マザーシップを降下させるを繰り返し、エイリアンに関する研究のトラックを最後まで進めることが出来たら勝利します。
敗北条件は、マザーシップが限界まで降下した場合、もしくは基地へのダメージが限界に達した時です。
はたして、マザーシップの降下時間という制限時間(ラウンド)内に研究トラックを進めることができるのか?!
ダイスの出目は運ですが、配置に関してはダイス目が大きいからと言って良いわけではなく、リスクとリターンを鑑みつつ、配置するダイスとその順番を戦略的に決めていく必要があります。
また、上の説明はロズウェルでの基本ゲームですが、難易度の調整(1枚上空のタイルを裏返すと難易度が1上昇……最大レベル4まで難易度を上げれます)……
裏面のマザーシップ降下のアイコン多すぎでは??
LV4のこのえげつなさよ……
都市ごとに能力が違う別の都市(基本ゲームではワシントンDCとニューヨークが追加)……
(逆境に強い人類が奮起して都市の能力がパワーアップする……難易度調整にいいぞ)……
都市によっては加わる新要素、ロボットダイス(定置しておいて、ダイス目が減っていくけどその部屋で効果を発揮し続ける)……
……などの要素があり、これらを加えることでよりプレイのしがいのある、完全ゲームが待っています。
そして最大の要素は、箱の半分は占めるキャンペーンゲーム!
毎回新たなコンポーネントを開封し、ミッションをこなしていくことになります。
もちろん、新たな都市やキャラクターなどの新要素も待ち構えており、クリアするまでたっぷり楽しめます。
※ネタバレ注意
また、プレイしたキャンペーンシナリオの要素は単独のゲームに導入させることもできますので、クリア後も新たな挑戦を試みることも可能です。
戦略的でありながらルールはシンプルでプレイ時間も短く、何かの合間にちょっとプレイすることも可能ですので、自分のスケジュールさえ立ててしまえば「卓が立たない」なんてこともありませんし、毎回シチュエーションを変えてプレイも可能なため、これだけで何度も遊び続けることも可能なリプレイアビリティも高いゲームとなっています。
アンダー・フォーリング・スカイ
プレイ人数:1人
対象年齢:12歳以上
プレイ時間:20-40分
製作:Czech Games Edition
デザイン:トマーシュ・ウフリージュ
価格:4,500円+税
一方、天が落ちてくる……同じようなことを中国のある国の人が憂いた故事は杞憂となって今も使われておるのです。