毎回適切な日本語が無くて説明に苦しむゲーム用語に「プッシュ・ユア・ラック/Push your luck」という用語がありまして、「運試し」ともちがうし何と説明したものかと毎回悩んでおりますが、今回紹介いたします
もプッシュ・ユア・ラックのゲーム(カード+ダイスドラフトの要素もありますが)。
なお、もっと強めの言い回しだと「プレス・ユア・ラック/Press your luck」とも言いますが……いま言い説明を思いついた。
「運をねじ伏せる」だ。
パターンはリソースを払ってやるか(ガチャの課金とかがまさにそうですわ)、ドボンがある(ふりなおせない目があるとか、即座に失敗になる目があってほしかった目もご破算など)。
さて。
光が消え色を失った世界。
何百年も世代を超えて62年ごとに繰り返される「光のカケラを求める8日間の旅」に出ることとになります。
「旅ボード」はリバーシブル。光のカケラを探して村をめぐる「影の領域」と島々を巡る「闇の群島」。
得点トークンは10点のところに。
キャンプトークンは「影の領域」で使用。船トークンは「闇の群島」で使用します。
「出会いボード」には仲間と小ダイス9個(ふって出た目に対応する場所に)が対でならんでいます。
黒いダイスは旅の仲間の一人(?)がもたらす呪いのダイス。
あとは「リロール」(ダイスふりなおしができる)「蛍」(主に最後の点数に関係する)「足跡」(任意のダイスの出目として消費でき、ゲーム中支払いが必要な場合があり、最後に点数に)の各トークン。
写真にはありませんが、ある仲間がもたらす「呪文」トークン(どちらかというと呪詛のようなもの)があります。
ゲームの1ラウンドは、この世界での1日を表しています。
早朝でまず、旅の仲間とダイスのセットをスタートプレイヤーから順に選んで取ります。
(ダイスはふってダイスが配置されていない場所には「足跡トークン」が置かれます)
旅の仲間のは様々な能力があり、右上がゲーム終了時の点数など、左上がゲーム中の利益(「ダイス」が増えたり、「ダイスふりなおし」を得たり)、下が後述するダイス目が確定したときの発動能力です。
「ポキャナはラダワを選ぶよ!
赤いダイスは火のエレメンタルが出やすいからね!」
「ムロック、タヌーキャを選ぶ……
オレンジは大地が出やすいし、自分もタヌーキャも大地で能力発動する……。」
なおこのとき選ばれなかった仲間は死にます(トークンとダイスは残る)。
午前でダイスをふり、リロール(ふりなおし)します。これは各自同時進行で。
ふりなおしはダイス1個か2個を選んでふり直すのですが……
仲間のパワーでふりなおすか、途中得た「リロール・トークン」でふりなおすか……
得点トークンを現在の得点からリロールアイコンがある場所まで後退させることでふりなおすことができます。
これがプッシュ・ユア・ラック要素。
「プラチオはふり直す必要なしですな……ダイスをたくさん取れるドニリルを仲間にしてよかった。
青い目も出ていないので、自分もドニリルも能力が発動する。」
「ポキャナは火のエレメンタルが欲しかったので、ふりなおしをしたよ。」
真昼は確定した出目を確認し、カード能力が発動するかチェックします。
確認するカードは好きな順でできますのでよく考えて……ここも同時進行。
「ポキャナは能力が無いけど、赤いダイスが3個あるから仲間の能力は発動させやすいんだ。
火火で光のカケラ4つを獲得だよ!」
でもムロックもタヌーキャも条件を満たしているので、足跡1つと光のカケラ1つ見つけた。」
ハッパ4つでプラチオの能力は2回発動して足跡2個と光のカケラ6個獲得、
ドニリルも水が無いので発動して〈ふりなおし〉と光のカケラ2つ見つけた。」
※これらのダイス出目は消費されるのではなく、条件なので、その組み合わせが何組出ているか確認し、その分発動します。
「ボクたちに足跡だけを残して、仲間が死んでしまった……」
午後は先ほどの出目をそのまま使用して、旅路を進みます。
旅のしかたは旅ボードの面で異なります。
「影の領域」ではそのマスにあるエレメントの出目が有ればそれを消費して(脇によける)進めます。
「その出目が無ければ入れる」マスもあります……
最後に止まった村にはキャンプ・トークンを置くことができます。
「闇の群島」では円の中心の数字の種類だけエレメントが必要となります。
途中トークンをもらえたり……
点数やトークンを支払ったり……
仲間が死んでしまう場所もあります……
夕方で、先ほどわきによけたダイスを出会いボードのその出目の場所に戻し、新たな仲間カードを引いて並べます。
そして……スタートプレイヤーが移ります。
得点、つまり光のカケラは冒険者と仲間たち、旅ボード上(村や島)から獲得でき、仲間全員に螢を渡すことができれば(=仲間の枚数以上の螢があれば)ボーナス点を獲得できます。
足跡も1つ1点です。
そしてもっとも光のカケラを集めた冒険者が、新たなマスターとなるのです!
ゲーム自体は同時進行の部分も多く、プレイヤー間の干渉はドラフトに集約されています。このあたりはがっつり殴り合うゲームが苦手な人には程よい感じになっているところ。
美しいアートワークやコンポーネントの雰囲気もよく、プレイ感覚も軽く展開も早いゲームとしてお勧めいたします。
グロウ~トモシビノタビ~
プレイ人数:2-4ニン
対象年齢:10サイ+
プレイ時間:45フン
製作:Bombyx
デザイン:セドリック・シャブシ
アート:ベン・バッソ、ヴィンセント・デュトレイ
価格:4,500円+税
なお……2ページにわたる物語がルール冒頭にあるのですが、端々に謎が残る内容となっています。
なぜ62年ごとにこの冒険が繰り返されるのか?
彼ら冒険者は何者なのか?
「62年」というサイクルは彼らにとってものすごく長いもののような記述になっていないだろうか?
……などなど闇が残る世界となっているのも魅力です……