銀河の歴史がまた1プレイ「レース・フォー・ザ・ギャラクシー【日本語版】」


2007年、発売されたとたん瞬く間に多くのファンを虜にした
レース・フォー・ザ・ギャラクシー
が遂に日本語版で登場しました!

と、云うわけで今回はすでに色々と語られているレース・フォー・ザ・ギャラクシーの紹介になります。

人類が太陽系外に進出している遠い未来
ジャンプドライブによりかつての地旧植民地が再び星の世界へ進出する。
かつて銀河を支配していた支配異星種族の痕跡が発見され、知性化された種族とめぐり合う。
新たなる世界に版図を広げ、様々な技術や制度を開発し、あなたの星間国家を最も繁栄したものとするのだ!

■銀河を我が手に
というわけで、プレイヤーはそれぞれ能力が異なった星間国家を受け持ち、カードを引く「探査」、社会制度や技術をあらわすデベロップを場に出す「発展」、可住惑星や星系、団体をあらわすワールドを場に出す「移住」、生産ワールドから生み出される製品を外部に売ったり内需で消費したりする「消費」、生産惑星に製品を生産する「生産」のアクションを駆使し、カードを場に並べて行くことで星間国家を築き上げていくのが目的。

開始ワールド誰かが選んだアクションは全プレイヤーが実行することになり、逆に誰も選ばなかったアクションは全員が実行できません
ただし自分が選んだアクションについてはそれぞれボーナスがあり、例えば「探査」で通常カードを2枚引いて1枚手札に入れるところを7枚引いて1枚手札に入れたり、「開発」のコストが1下がったりなど、それぞれボーナスが異なります。
「ボーナスは要らない」と思うアクションは、他のプレイヤーが出してくれるのを待ってもいいだろうし、他のプレイヤーが「自分では出したくないが他の人が出してくれれば」と待っているだろうアクションは無理に実行しなくても良いわけ。
なお、自分が最初から所有している開始ワールドはそれぞれ能力が異なり、場に出していったワールドやデベロップもそれぞれ能力が異なります。
他のプレイヤーのカード置き場を見て何をするつもりなのかを推理しつつ、自分は何をすべきで何をすべきでないのかを考え、アクションを選ぶのが基本にしてこのゲームの根幹といえるかと思います。

ゲームは誰かのカード置き場にカードが12枚以上置かれるか、プレイ人数に応じて用意されている得点チップ(主に製品を自分の星系で消費したらもらえる/内需を満たすと点数になるのね)が枯渇したらゲーム終了。得点チップとカード置き場のカードの得点の合計で競います。
つまり、ゲームの終了はある程度コントロールできるのですが、かといってコントロールしたからといって勝ちを止めれるかというと難しいところなのです。

ゲーム的には最初に配られた初期ワールドの勝ち筋というか最終形を計画し、その最終形までどのように持っていくかを考える、麻雀的なゲームなのかなーと思うわけです。

もちろん他のプレイヤーの行うアクションにただ乗りしたり、消費したくないだろうときに製品を消費させて間接的に邪魔したりするプレイングの要素も重要です。

(まだ基本セットでは)お互いに攻撃したりカードを奪ったりしないだけに、プレイング以外の要素で優劣を覆すこともできないので余計プレイングは重要です。

考え様によっては、この「自分のしたいことをひたすらするだけ」「目に見える妨害が無い」(ように見える)という要素は、初心者ゲーマーやカジュアルプレイヤーを誘いやすいゲームであるともいえます。
かといって、実際は結構ハードな駆け引き部分が隠されているわけで、ヘヴィなゲーマーにも喰いたりない感じはないかと。
とまぁこのように、腹の読み合いも自分の星間国家が発展していく様も楽しいカードゲームシリーズですので、ガチガチのゲーマーの方にもカジュアルなゲーマーの方にも幅広くオススメします。

■今後の展開
なお11月(上旬かな?)に控えているのがエキスパンション1:『嵐の予兆』
この拡張セットを導入すると、プレイヤーの人数は1人増えた5人まで対応します。
他にも1人ゲームルールも追加されていますが、プレイ可能人数が増えるほうが重要でしょ?

また、自分の星間国家の発展具合でボーナス点数のもらえる『目標』タイル(「最も早く○○する」とか、「もっとも多くの○○を持つ」など)を導入すると、どのような勝ち筋にすべきかという要素にもうひとつファクターが加わることになります。
純粋にカードも増えますので、新しいカードによる戦略の幅の大幅な広がりも期待できます。基本セットとこのセットを足した状態が、ゲームデザイナーが最初考えていたゲームの基本セットですので、ぜひエキスパンション1も合わせてプレイしてくださいませ。特に新カードや新要素は基本セットをやりこんでこそのものですので、一月ほど基本セットのみでみっちりプレイしてね!

そしてこの後も反乱軍と帝国の対立が深まる『帝国対反乱軍』(プレイ可能人数も6人までに増える!)、遂に銀河が戦火に焼かれるや? という一歩手前の『戦争の影』(<帝国惑星破壊兵器>とか<反乱軍評議会>ステキワードもいっぱい)へと続きます。
こちらもご期待ください!

■そのほか
その1)パッケージのゲームタイトルは日本語ロゴ、カードバックは英語ロゴです。
日本語ロゴなのはなるべく幅広い層に手にとってもらうため
カードの裏は英語ロゴなので、既に英語版を持っている人も混ぜて遊べるように
なので英語版からのユーザーの方はぜひ日本語版で初心者を誘ってくださいませ。正直言語の壁でプレイしていなかった人は損してるとしか思えないので!!

その2)2人ゲーム用の上級ルールが良くできているので、ガッツリした2人用ゲームをお求めの方にもかなりオススメです。

レース・フォー・ザ・ギャラクシー日本語版
プレイ人数:2-4人
対象年齢:12歳以上
プレイ時間:30-60分
ゲームデザイン:トム・レーマン
発売:ホビージャパン
価格:4,000円+税