こんにちは、ゲーム開発課です。
今回は当社オリジナルボードゲーム「ダイスエイジ」発売を記念して、デザイナーの佐藤敏樹さんとアートを担当された長谷川登鯉さんの対談を行いました。
「ダイスエイジ」連載、今回はその4回目です。
今回出ている人:
佐藤敏樹さん:
「ダイスエイジ」システムデザイナー。「さとーふぁみりあ」主宰。
最近の代表作は「8bit Mockup」など。詳しいプロフィールはこちら
ゲーム開発課 ねいじま:
聞き手です。
瀬戸物から原始時代へ
ねいじま:本日はよろしくお願いします。まず、『ダイスエイジ』のアートをいつ頃に長谷川さんに依頼したのかについてお聞きしたいのですが……。
去年の夏ぐらいですかね。元々は瀬戸物を競るゲームだったんですけど、物を買うのに並ぶ理由がイマイチわからなかった(笑) その後、長谷川さんが原始時代が好きだったことを思い出して、原始時代をテーマに長谷川さんにお願いすることにしました。それで、一度サンプルを作ってもらったんですよね。
<上>「瀬戸物」テーマだったときのテストプレイカード。
<下>タイトルを「Aquabiz」としていた、水族館テーマだったときのカード。
翌日にテストプレイ会があるから、作って持っていこう、と思って一晩で描きました。
ねいじま:一晩!
原始時代テーマになってからのカードの変遷。中段が長谷川さん作成のテストプレイカード
最初は男は狩りに出て女は石器を作る、みたいなゲームでした。ただ、長谷川さんから「これ、華がないですよね」と言われてしまいまして(笑)
石器って、石だからね(笑)石器は元々エクストラハントの位置にいたんですよね。石器によって計算式があって、集めれば集めるほど勝利点が上がる、みたいな感じでした。
この時はいろいろ迷走していましたね。クジラは3枚までは強いけど、3枚より多く集めると腐る……みたいな要素もありました。一方でキノミは安定した得点源で、マンモスは少数だと点数が低くて、いっぱい集めると点数が高くなるとかあったんですけど……かったるいですよね(笑)
その時に「マジョリティにしませんか?」という話が出て、今のマジョリティボーナスの形になりました。あとは、原始時代というテーマだったら”成長”とか”出産”という要素も面白いなと思って、追加しましたね。
最初はダイスを置ききって早抜けの得があまりなかったんですよね。そこで、「早抜けでダイスが増えたら嬉しくないですか?」「ダイスがでっかくなるとか良くないですか?」とワガママに提案をしていたら、ホントに入ってた(笑)
ねいじま:土日のテストプレイ会では長谷川さんがテストプレイをされていたそうですが……
そうですね、ルールは固まっていて、バランスを見たいというのがあったので、よくテストプレイに持っていってました。
作り始めの頃、10年ぐらい前にテンデイズゲームズのタナカマさんに見てもらったこともありましたね。その時に「2位になった人が失うものが大きいよね」という話をもらって。その時に、「これはなんとかしないといかんな」と思って”エクストラハント”の要素を考えました。
ねいじま:テストプレイは何回くらいやりましたか?
10回以上はやってますね。イエローサブマリンの秋葉原店でやってる創作ゲームの体験会があるじゃないですか。そこで、面識のない人たちに遊んでもらったこともありましたが、その時はゲームが少し難しいのかなと感じました。早抜けをすべきかどうか……というジレンマを感じてもらえなかったり、他人の場を見てもらえなかったり、といったことがありましたね。
ねいじま:すべてのプレイヤーが、戦略性の部分をすぐ見抜けるかというと、確かにそれはちょっと難しいかもしれませんね。
「他のプレイヤーがキノミを独占しているので、キノミを取ってももう意味がないんだな」というようなことが分かってもらえなかった。ただ、そこはこだわりだったので結局変えなかったですね。
ねいじま:ダイスを振っているだけでも楽しいし、次のステップで「あっ、ここで◯◯を取ればボーナスが取れる!」という気づきができる、という部分も、「ダイスエイジ」の良さにつながっていると思います。最初に気づけなくても、繰り返し遊ぶうちにプレイヤー自身が「成長」して気づいて貰えるとうれしいですね。
いかがでしたか?
次回は第五回、「アートについて」、作者・佐藤さまとアートを担当された長谷川登鯉さまとの対談の続編……と言いつつ、ほぼ長谷川さまへのインタビューを掲載します!
お楽しみに!