ロシアではカードがあなたをドラフトする!『アルティフィキウム』


さて、欧州のゲーム出版状況も広がりを見せ、近年ではフィンランドやポーランドなどのチョット市場規模の小さな国も、欧州全体を販路とすることで大きく紹介されるようになってきております。
ロシアもそんな国内だけではなく国外に市場を広げて大きくなっている国で、今回紹介するのもそんなロシアの出版社のゲーム、
アルティフィキウム
です。

“アルティフィキウム”はラテン語で芸術、工芸、取引を指す単語で、英語で言うとArificeにあたるものです。しかしながら、英語では派生して「計略」とか「ずるさ」等の意味も持つようになっています。
さて……ゲームでは、様々な資源をやり取りして、都市を発展させることを競います

ゲームの根幹となるのはそれぞれのプレイヤーが持つ資源ボード。

この上に資源トークンを置くことで、どの資源を持っているのかを表現します。
なお、ボード外に置いた資源はお金になります。


あとのコンポーネントは得点ボードとマーカー……

そしてカードたくさん。

ゲームはドラフトとカードプレイが基本になります。
と言っても手札を1枚選んで、残りを右回りや左回りに回していくタイプのものでは無くて、並べられたカードをピックしていくロチェスター・ドラフトっぽいものです。

場に並べられているカードは6枚でこれを市場とします。

手札は毎ラウンド5枚補充し、順番に1枚市場のカードと手札のカードを交換するかパスします。
そして最初の交換はタダですが、2回目以降の交換は2金の支払いが必要となります。


ちょっと動作がおもしろい。

これを全員がパスするまで繰り返したら、カードを使うフェイズ。
全員手札のカードを1枚選んで一斉に公開し、アクションカードを開始プレイヤーから順に解決し、次に同様に建物カードを解決します。
アクションは、使ったカードを手札に戻したり、お金を得たりと言う効果を持つもの。
そして、ゲームの根幹となるのが資源を得たり変換できる、各種建物のカードとなります。
例えば、《製材所》は材木2個を得ることができ、《狩人小屋》は材木1個を食糧に変換できます。また、建物カードにはそれぞれ使った時に獲得できる勝利点が記されており、最終的に変換の果て行き着く騎士や魔術師は、勝利点で8点にもなります。


木材ゲット。


木材食糧に変換。


食糧に!

この建物の解決の前に、資源をお金を払って売買することもできます(上の写真で見ると、食料は1個3金で売ることができるが、買うには5金必要となる)。
もちろん、上の段階にあるものほどお高い感じ。

カードは手札を好きな枚数使い切るまでプレイでき、余ったカードは次のラウンドに持ち越すことができますので上段のカードはお膳立てがするまで握っておくことも考えてよいかも。
最初のドラフトで変換ルートに都合の良いカードをそろえ、カードプレイのフェイズになったらそれを効率よく使っていくゲーム。しかも最終的にはその資源を点数に変換するのが大事であり、これを4ラウンドで行うのです。

このように、市場を見極めてカードをピックし、お金と言うリソースや資源リソースを、手札と照らして点数へとうまく変えていく先を読む能力が問われる、プレイ感覚も軽めのゲームとなっております。市場の価値を値踏みするのが得意な方や、カードドラフトが好きな方には腕を揮っていただくとして、軽めのリソース変換が中心となるゲームをお探しの方にも強くオススメいたします。

アルティフィキウム(Artificium)
プレイ人数:2-6人
対象年齢:14歳以上
プレイ時間:20-50分
製作:LifeStyle Game
デザイン:ティモフェイ・シャルゴロドスキー
価格:5,000円+税