帝国はとても強い『八分帝国』


スケジュール的にこれからどんどん日本語版で新作が出始める事になるのですが、その怒涛の新作ラッシュ先陣を切って出ましたのが、
八分帝国
です。

タイトルの通り、「8分で終わる戦略ゲーム」が売りです。


ゲームの内容自体は、陣取りです。

点数の要素は3つあり、

1)地域の支配
四角いキューブが「軍隊」で、円いディスクは「都市」を表します。
ゲームの終了時に各『地域』で数の多い陣営が1点を得ます。
同数は誰も支配していない状態です。

2)大陸の支配
『大陸』は海で隔てられた『地域』の集まりで、ゲームの終了時に支配している『地域』が多い陣営が1点を得ます。
同数は誰も支配していない状態です。

3)資源の確保
後で説明しますが、ゲーム中毎ラウンドアクションを行うためにカードを1枚取っていくのですが、そのアクションと同時に上に記された種類の『資源』の総数に応じた点数を、ゲーム終了時に得ます。

資源は全部で5種類あり、それぞれ獲得した枚数による点数は異なります。

例えば、ニンジンは……
3枚なら1点ですが、8枚で5点になります。

一方クリスタルは……
1枚で1点ですが、4枚で5点にもなります。

ではそのカードをどうやって手に入れるかというと、


自分の手番になったら、このように6枚並んでいるカードから1枚を選んで取ります。



カードを取ってアクション実行後、左に詰めて右に補充します。

そのカードに描かれているアクションを得ると同時に、その資源を得るというわけです。
しかしながら、カードには並んでいる順番によって価格が決まっており(ゲームボード参照)、新しいカードほど価格が高くなっています。

あと写真ではカードの上に説明用にコインを置いてありますが、実際には置きませんよ。

カードの購入のためのリソースはコインですが、これはプレイ人数によって決まっており、ゲーム中に補充されません
また、最終的に獲得するカード枚数はプレイ人数で決まっており、2人だと13枚獲得(13ラウンド)で終了ですが、5人で遊ぶ場合はたったの7枚で終了となってしまいます。コインのご利用は計画的に……

カードのアクションは
「軍隊を描かれている個数だけ増やす」
(マップ中央の開始都市か都市(ディスク)

「軍隊を描かれている個数だけ移動させる」
(4個描かれていたら、4個のコマを隣接する地域に移動させても、1個のコマを4地域離れた地域に移動させても、組み合わせてよい)

「軍隊を描かれている個数だけ移動するが海路を使ってもよい」
(上の移動の際に、点線で描かれている海路を移動してもよい/陸上のみでも可)

「都市をつくる」
(自分の軍隊コマのある地域に置く)

「軍隊コマを除去する」
(任意の軍隊コマを1個ゲームボード上から取り除く)

の5種類あります。

開始都市の地域には全員3個ずつ軍隊コマを置いてある状態でゲームを開始しますが、この軍隊コマも全部で14個しか無いため、何処で増やし、何処に移動させ、何処で優勢を得るべきかがまた悩みどころ。

また、獲得するカードの上限枚数がプレイ人数によって変わるということは、資源の価値もプレイ人数によって変わりますし、アクションの価値も微妙に異なってきます。

マップは両面仕様で、それぞれ配置や地域数、大陸数が異なるため、初期に取ったほうがよい戦略も異なります。

この限られたリソースとラウンド数で、どのアクション/資源を取ることが最終的に勝利につながるのか……悩めばいくらでも悩めるわけで、
誰だよ、8分で終わるとか言っているのは!? 結構長考しちゃうよ!!
と、最初思ったりもしたのですが、慣れるとサクサク進むのも事実で、2人なら1人18秒、5人なら1人13秒で1手をプレイすれば8分で終わる……けどそううまくはいかないか。

しかしながら、軽いゲーム感と適度の思考のバランスの良さで、繰り返し遊ぶのにも適しているといえるでしょう。

直接的にほかプレイヤーとの衝突がある戦略ゲームではないのでそのような衝突が苦手なプレイヤーにもオススメしやすいですし、大物のゲームとゲームの合間にちょっとプレイするゲームが欲しい、会社で昼休みに遊べるような軽めのゲームが欲しいという方にはかなりオススメできます。

八分帝国
プレイ人数:2-5人
対象年齢:12歳以上
プレイ時間:8-20分
製作:Red Raven
デザイン・イラスト:ライアン・ローカット
価格:2,800円+税

5人以上でプレイする場合に使うカードは小さく「5」と記入してあるのですが……すごく小さいので注意。

ゲームのルールは編集中に実は変更されていて、
「別に大した変更じゃないから日本語版では変えなくてもいいよ」
と言われていたのが先手プレイヤーを決める方法。
これはゲーム開始時にコインを使って競りをするのですが、「勝った人が先手プレイヤーになる」「勝った人が先手プレイヤーを決めることができる」では全然違うと思うのだが、わりとこのあたり、海外はおおらかなものですよ?

続編はこれの販売次第……かな?