歴史に残る仕事『中世の建築士たち』


しばらくサボってたので3連発だ。

今回紹介するのはフランスAs D’Or(金のエース)審査員特別賞受賞のカードゲーム、
中世の建築士たち
です。

労働者を雇い入れ、建物を建てることで、ゲーム終了時に最も点数を得ることを目指します。

最初に自分が持っているのは「見習い(Apprentice)」とコインが10金分だけです。

場には建物の列と職人の列があり、ここから受注を受けたり、優秀な職人を引き抜くことになります。

プレイヤーが自分のターンには3アクション行うことができ、できるアクション以下の4種類あります;
・建築の着手
・職人の雇用
・職人の派遣
・コインの獲得

建築の着手は、場に並べられた建物カードを1枚取って自分の建築計画とすることができます。
カードはすぐに補充され、アクションが余っている限り何枚取っても構いません。

職人の雇用も同様に、場に並べられた職人カードを1枚取って自分の配下とすることができます。
カードはすぐに補充され、アクションが余っている限り何枚取っても構いません(つまり、1アクションが1枚取るためのコストと言えます)。

以上のアクションで、自分の手元に建築計画と使える職人を押さえたら、職人の派遣をすることで、実際に建築が開始されます。

建物カードの右側には、完成に至るまでに必要なリソースが記されており、職人カードの左側には建築のためにどれだけのリソースとなるかが記されています。
派遣にはコインで支払うコストが必要で、連続して職人の派遣アクションを同じ建物にする場合、追加のアクションが必要になります(例えば、2人目の場合は1+2で合計3アクションとなります)。

おや、1ターンには3アクションじゃなかったのか? と思われるかもしれませんが、実はアクションは1アクションにつき5金で増やすこともできるのです(……つまり1アクション=5金と換算してもいいかもしれません)。

こうやって職人を派遣して必要なリソースを満たすと、建物が完成します。
従業員は手元に戻り、完成した建物に記されてる額のコインをただちに受け取って、裏の完成面を向けます。

なお、コインは建物を完成させるだけではなく、コインの獲得アクションでも得ることができます。
ただし、1アクション消費で1枚、2アクションでなら3枚、3アクションであれば6枚とつかったアクション数で獲得できるコイン金額は変化します。

こうやって建物を建て、誰かが建物の得点で17点になったらゲーム終了条件が満たされ、全員が同じターン数をプレイしたことになるようにしたのち、完成した建物の点数と、10金につき1点を得て、最も点数の高いプレイヤーが勝者となります。

……つまり、ターンとアクションとコインと建築中の建物の価値と職人のそれぞれの価値を考えながら、これらのリソースをどう効率よく運用すればいいのか考えながら、最終的な点数となる建物を建てていくゲーム。
ルールもシンプルで、最近の流行の「コンパクトでプレイ時間も短め」というコンセプトにも合致しており、手軽に遊べるリソース管理ゲームとなっています。

中世の建築士たち(The Builders Middle Ages)
プレイ人数:2~4人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:約30分
製作:Bombyx
デザイン:フレデリック・アンリ
価格:2,200円+税

※ゲームの内容は「中世の建築士たち」、と言うより「中世の手配師たち」のような気がしなくもない。

追記:底本にした英語ルールに誤植があり、建物カードは47枚となっていますが、こちらは42枚の誤りです。
出版社のフランス語版のContenu(内容物)のcartes Bâtiment (dont 8 machines)参照。