どっちを向いても宇宙『ロール・フォー・ザ・ギャラクシー』


今回紹介するのは、ゲームマーケット直前の4月末に出荷となったゲーム4作のうち、一番の注目作である

ロール・フォー・ザ・ギャラクシー

です。
残るは先に紹介している『プロウィンキア・ロマーナ』と『士魂~サムライスピリット』と『チグリス・ユーフラテス』。
一応全部4月発売は守られた……!
なお、『ライナークニツィアの日本庭園』はゲームと言うよりはパズル。


ゲームの舞台はジャンプドライブによる恒星間航行が可能となった未来……
一度星界に進出した人類が、各植民先で独自に発展し、あるいは衰退していた……
しかし、超光速航法の発見により、人類は再び星の海へと踏み出すことになったのだ……

と言った感じと思われる未来の世界。
このゲームの元となった『レース・フォー・ザ・ギャラクシー』のカード類やお話を見るに、消えた謎の異星種族がキーワードっぽい。

そしてゲームの内容は、この元ゲームをプレイした経験があればかなり理解は容易となります。

ゲームの開始時に与えられるのは、ランダムに決められた最初のワールド(本拠地)とダブルサイズタイルのワールド(2箇所分)、


タイルはだいたい元ゲームのレース・フォー・ザ・ギャラクシーシリーズでおなじみな感じ。

労働者であるダイスをふるカップ、白い本拠地ダイス5個(カップに3個、労働済みのエリアに2個)

と1銀河クレジット($トラックで表示)、

最初のワールド3か所の供給するダイスなどがあればそれを指定の場所に、

そして開発中の「発展タイル」(技術や制度をあらわす)と「ワールドタイル」(自国民が住む世界――惑星とは限らない――)をランダムに受け取ります。

あと、ついたて。

ここまでは元ゲームにも似ておりますが、ここからちょっと変わってきます……

まず全員カップに入っているダイスを振ります。
カップに入っているダイスは、労働可能な国民です。

そのあと、探査、開発、入植、生産、輸送のフェイズを実行するのですが、もとゲームでは実行したいフェイズをカードで選んで、誰か一人でも選んだフェイズは発生し、選ばれなかったフェイズは発生しない(そして選んだ人はボーナスがある)というものでした。

ロール・フォー…ではここからが違う感じ。

ついたての裏には、このような表が。

ここにさっき振ったダイスを、出目に従って配置しましょう……出た目は労働者がやりたい仕事だと思うとよいでしょう。

この国民から1人、あなたが発生させたいフェイズで働いてもらうために選別し、この表の上に配置します。


俺は「発展」したいのに!

ここでついたてオープン。
ほかのプレイヤーが発生させたフェイズを確認し、発生しなかったフェイズで働きたかったダイスをカップに戻します。
発生したフェイズで働く気満々だったダイスには働いていただくことになります。

探査

は、1ダイスにつき、2$稼いでくれるか……




タイルをドローして開発中のタイルの下に入れることができます(タイルは片面が発展、片面がワールド)。

働いたダイスは労働済みダイスの置き場に送られます。

発展

は、働いたダイスを開発中の発展タイルに置きます。

置かれたダイスがコスト以上になったら、コストの分だけタイルの上から労働済みダイス置き場に送って、タイルは自分のタイル置き場に出します。(余ったダイスはその下の発展のために働いてくれるのだ)

入植

も同様で、

違うのはワールドタイルの上に置くことくらい。

生産

は、働いたダイスを青(嗜好品)、茶(希少元素)、緑(遺伝子資源)、黄(異星種族技術)の

ワールドタイルの上に置きます。置かれたダイスは、生産された製品となるのです。

移送

は、ダイスを製品のダイスと1個ずつ組にして労働済みダイス置き場に送ることで、金にするか点数にすることができます。

生産と移送は元のゲームと逆で、同一ラウンド中に生産と出荷ができるようになっていますのでRftGプレイヤーは要注意。

その後、労働済みのダイス置き場のダイスを、1個につき1$でカップに戻して(給料を出して働けるようにした)1ラウンド終了。

基本の流れはこのような感じ。
ゲームが進むにつれ、ダイスが増えていき、また各ダイスの特殊な能力も増えていく拡大再生産な内容となっています。

しかし、このままでは最初のカップからのダイスロール次第、運の要素が大きいものなってしまいますが、ここで重要なのは「再配置能力」。

各タイルにはこの再配置能力というものがあり、また初期の段階でも『命令』という再配置能力思っています。
これは、ある目の列に配置したダイスを、ほかの列に再配置するというもの。

開発したい労働者を、入植の労働に差し向けたる図。

これにより、各ワールド獲得や発展のルートも考えどころがあり、また手に入るダイスも、本拠地のダイスと各色のダイスでは出目の配分が異なるため、必然得意なルートが異なっていくことになり、戦略性が出てくることになります。

他プレイヤーとの絡みの部分は、元ゲーム同様フェイズの発生と、数に限りのあるワールドや発展の獲得競争・ルートの読みあいなのは元ゲームと同様な部分。

最初はピンと来ないかもしれませんが、出来れば繰り返し遊びたいゲームとなっております。

ロール・フォー・ザ・ギャラクシー(Roll for the Galaxy)
プレイ人数:2-5人
対象年齢:14歳以上
プレイ時間:45分+
製作:Rio Grande
デザイン:黃煒華、トム・レーマン
価格:8,000円+税

なお、初回出荷分の対訳表に、漏れがありました。
こちらの記事をご覧ください
ただ、後で気が付いたのですが、何故か裏面が粘着するシートに印刷してある対訳表の得点枠部分を実際に貼ってしまうと盲牌が可能となる……のでゲーム終了時の得点部分はお好みでご利用ください。