白銀の歌姫の演説 全世界の歌姫に真実のうたを!英雄たちに選択を!半身たる英雄にこの事実を、裏切りを、そして行くべき道を伝えるのです! 全世界の歌姫に、評議会と決別した『白銀の暁』の長として、真実のうたを奏でます。すべての歌姫と機奏英雄は事実を知って、そして行動してほしい。 ――機奏英雄は、アーカイアで生きていくことはできない。 あらゆる奇跡の源である<幻糸>は、異世界人である機奏英雄の体を蝕みます。そして時間が経てば、彼らを人ならざるもの――奇声蟲へと変えてしまうのです! アーカイアを救った歌姫大戦の機奏英雄たち。彼らが残らず消え去った理由はここにあります。機奏英雄たちはみな<幻糸の門>をくぐり、自分たちの世界へと帰っていったとされていました。しかしながら、門をくぐった機奏英雄たちは、故郷の地を踏むことはできなかったのです。 機奏英雄たちは、のちに奇声蟲になってしまうことが予想されたため、どこにもつながらない虚無の時空へと追放されたのです。 紡がれることのない幻糸が渦巻く、音なき世界。彼らはその世界で変わっていきました。そして数百年をかけて、アーカイアへ帰ってきたのです! ポザネオ評議会の十二賢者たち、そして知の司としてそれを知る立場にあった闇蒼の歌姫は、それらを隠し通そうとしました。闇蒼の歌姫は「黄金の玉座」をわたくしが使うことを妨害しようとさえしたのです。 大襲撃の中、自らの城で奇声蟲と戦い、命を落とした闇蒼の歌姫は別としても、この事実を隠し、機奏英雄を召喚して戦わせ、歌姫大戦の「業」をさらに繰り返そうというのです! いま、この呼びかけをすることで、評議会はわたくしを、『虚言を労し、世界を惑わす反乱者』として討伐に乗り出すことでしょう。 ですが、私は評議会議長を辞し、こころざしを同じくする人々とともに「白銀の暁」の一員として、歌姫大戦以来、独善に満ち、閉鎖的で、黄金の歌姫がご不在なのをよいことに、なにも解決しないまま横暴をふるう評議会に立ちむかいます! 都のフェァマインには、奇声蟲化を抑える手段も用意されます。『召喚の門』についても研究を続けています。 いとしき歌姫の姉妹たちよ、正しき道を求める英雄たちよ、ともに立ち上がってくれるヴァッサァマインへ集え! これよりアーカイアは、新しい時代を迎えます。その中で私たちは手にするのです!真実を求める力を!真実の歌を歌う勇気を!さあ、奏でましょう! | ||
<< 第36話続きを読む | 戻る |