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『覇界王~ガオガイガー対ベターマン~』山口勝平さんインタビュー
はじめて見た時、僕は蛍汰に一目惚れしたんです。
――蛍汰を演じたのは久しぶりだったのではないですか?
山口:ベターマンの放送が20年前くらいですよね。その後にゲームやCDなどもありましたが、そこから数えてもかなり経っていると思います。
――今回のドラマCDでは成長した蛍汰を演じられましたが、いかがだったでしょうか?
山口:27歳になった蛍汰君でしたが、相変わらずでしたね(笑)。でも、僕は放送当時から蛍汰というキャラクターが大好きだったので、もう1回やれるというのはすごく嬉しかったです。汗をかきながら収録しましたが『ベターマン』放送当時も蛍汰をやりながら毎回同じように汗をかいていたことを思い出しました。
――久しぶりに演じられて、色々と思い出したと思います。
山口:テレビ第1話で「ボトム・ザ・ワールド」に迷い込んで慌てていた蛍汰がすごく印象に残っています。その時のことを思い出しながらドラマCDを収録したんですが、普段から事あるごとに蛍汰のことを思い出していたんですよ。だから懐かしいというよりも、もう1回やれたことが嬉しかったですね。
――放送当時を振り返って、印象的なことはありますか?
山口:『ベターマン』は原作のない完全なオリジナル作品なので、作品の概要やキャラクターの設定などは台本を頂く時に初めて知ったんです。事前に予備知識が無いぶん、はじめて蛍汰のキャラクターを見た時にすごく新鮮に感じました。喋っているシーンを見て「この子のことがすごく好きだ」と一目惚れのような気持ちになったんですよ。
――第一印象がすごく良かったということですね。
山口:はい、収録もすごく楽しかったですよ。でも『ベターマン』は作風が怖い作品なので、いつもヒイヒイ言いながら収録していました。じつは僕、怖いのが苦手なんです(笑)。特に虫がいっぱい出てくる話(十夜「蟲-musi-」)がすごく怖かったんですよ! 当時は深夜アニメが始まったばかりで、『ベターマン』のような暗いトーンの、ちょっとミステリアスで怖い作品が多かったと思います。だから『ベターマン』って言うと怖い印象もありますね。
――当時のことで何か印象深い出来事はありますか?
山口:『ベターマン』で初めて米たにヨシトモ監督の作品に出させていただいたんですが、
オーディションではなく指名されて蛍汰役に決まりました。当時はまだ『犬夜叉』や『ONE PIECE』の前で、声優・山口勝平がなんとなく形成されていた頃だったんです。だからすごく嬉しくて、その後の自信につながったのを覚えています。
――今回のドラマCDが『ベターマン』の後日談というだけでなく『勇者王ガオガイガー』の世界とリンクしているという事に関しては、どんな印象を持たれましたか?
山口:『ガオガイガー』とのリンクは『ベターマン』のドラマCDでもやりました。その時に『ベターマン』と『ガオガイガー』の世界観は隣町くらいの近さだと聞いて驚いたんですよ。もともとは違う時期に作られた作品なのに、時代や世界観がリンクしているのが面白いですよね。阿嘉松社長や火乃紀が『ガオガイガー』のGGGに就職しているし、阿嘉松社長が獅子王雷牙博士の子供なのもびっくりしました。蛍汰もGGGでアルバイトはしていますが、そんな中でも普通に一般人なのは面白いポジションですよ(笑)。
――最後に『ベターマン』ファンのみなさんにメッセージをお願いします。
山口:『ベターマン』をずっと応援してくれている方たちにはご心配をおかけしていたかもしれませんが、なんとなく火乃紀とゴールインしそうな雰囲気になり「でへへ」って感じです。……みんなそんなに心配していないのかな? 僕はほとんど蛍汰そのものですから、完全に満足しております。是非みなさんも楽しんで頂ければ幸いでございます!
【プロフィール】
やまぐち・かっぺい
1965年5月23日生まれ。芸能プロダクション悟空代表。劇団21世紀FOXで舞台俳優として活動しながら1988年に『どんどんドメルとロン』で声優デビュー。1989年に『らんま1/2』早乙女乱馬役で初主演を果たした。以降は『機動武闘伝Gガンダム』サイ・サイシー役、『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』ラットル役、『名探偵コナン』工藤新一役、『ONE PIECE』ウソップ役、『はなかっぱ』がりぞー役などの作品で活躍。『キャッ党忍伝てやんでえ』ヤッ太郎役、や『犬夜叉』犬夜叉役、『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』草間大作役、『Dororonえん魔くん メ〜ラめら』えん魔役など数多くの作品で主役を務めている。