ゲームの好みと言うものには国民性も現れるもので、日本では好評の某ゲームが海外ではそれほどは売れていなかったり、本国ではバカウレでも日本ではマァそんなもんだなぁ、というゲームもあったりします。
おまけにこのゲームの好みと言うのも、アナログゲームにたどり着くまでの経験の差でびみょーに個人の嗜好が変わると言う面もあります。
総じて今の日本の傾向をゲームだけで考えると、RPG経験世代とTCG経験世代の嗜好と言うのは外せない感じとだけは言えます(TCGに関しては海外も似たようなものだと思う)。
※そしてTCG経験者もRPG経験者もSLG経験者も間違いなく今のアナログゲーム経験者より絶対数が多いのは間違いないのだ。
と言うわけで、カードの能力を駆使し、組み合わせ、リソース管理とアドバンテージを図る必要があるところがかなり日本市場に向いているのではなかろうか ―― と思ったら案の定熱狂的なファンを生み出している
デウス
の紹介をほったらかしていたのでやらなければならんし、何よりルールの明確化のためにメーカーにしていた質問の答えが(ようやく)まとまったんで紹介しなくてはならぬのだ。
ゲーム的には陣取り要素のある手札とリソース管理のゲームで、最終的にはゲームの終了条件が起きるまでに、得点(VP)を最も得ることが目的。
得点は何通りか獲得できる手段があり……
1)マップ上にある蛮族の集落が囲まれたときに、軍隊が一番多い人に、集落のVPが与えられる
2)ゲーム中プレイされたカードの能力
4)ゲーム終了時の木材、石材、小麦、粘土、お金のリソースそれぞれの保有数トップの人
が主な得点源。
なお、終了条件はすべての蛮族の集落が包囲される(得点化した)か、すべての神殿が建てられたらラウンドを最後までプレイして終了。
マップはランダム組み合わせで人数によって広さが変わります。
4人ではメガヘクス7枚。
プレイヤーには最初に各種リソース1個ずつと5金と、5VP、建物各種2個ずつをもってゲームを開始します。
なお、リソースはゲームでもおなじみのパターンですが、平原からは麦、森林からは材木、沼地から粘土、山岳から石材と対応する地形があります。
なお、材木のコマが茶色でルールブックと異なっていますが、仕様です(今後のロットでは変わるかもしれませんが)。
建物は海運、科学、軍事、生産、公共で、カードの種類も対応して5種類(+1種類)あります。
また、これとは別に共通のストックに神殿があり、神殿は最終得点の時に大量の得点源となる可能性があります(上記+1種類のカードタイプはこっちに対応)。
残るリソースは、初期手札5枚で、アクションにはこいつが必要。
種類に関しては上記の通り5種類(+1種類)あり、それぞれ対応する内容となっています。
毎ターンできるアクションは2通りあって、
1)コストを払ってカードを個人ボードにプレイし(同じ種類の、今までプレイされたものの上に重ねていく)、対応する建物をゲームボード上に配置し、プレイした種類のカードの能力を下から(古いものから)解決していく。
コスト支払いをして……
ここに配置。最初は端からで、次からは自分のコマがある地域か、そこに隣接してる地域。
リソース獲得。
カードの能力的に、沼地以外には建物を配置しにくい……このあたりがタダの陣取りじゃないところ。
このアクションをしないと、『建物』は配置できませんし、こいつの使い方次第で強烈なコンボが発生する仕組みとなります。
この場合、生産施設のある沼地を1つ指定して建物の数だけ粘土を得て、その次に生産施設のある山岳をしていして建物の数だけ石材を得て、最後に今回プレイした農場の能力の、生産施設のある平地1つを指定して小麦を建物の数だけいただく……
カードの種類によって、リソースを生産したり、VPを奪ったり、リソースを購入できたり、他のカードを起動できたりするので、このカードのプレイ順も結構悩むところ。
なお、カードは手札が無くなったら5枚補充なのですが、次のアクションでも手札は補充できます。
2)神に祈る……供物は手札で、捨てた枚数と捨てるときに見せた束のトップのカードの種類により色々な効果が発生し、かつ対応する種類の建物のストックが1増える。
たいてい、たくさん捨てると効果が増え、かつ5枚まで手札補充できる。
とりあえず4枚捨てるよー。
青いカードで、海神に祈りをささげる!
捨てたカード1枚につき2金なので8金を獲得し、海運施設のコマも1個増え、手札は5枚まで補充だ!
つまり、カードのプレイには各種リソースが必要であり、そのリソースを獲得するにはカードの能力と建てた建物のコマが必要であり、その建物の建てることができる地形は建物コマの配置に左右され、また建物コマのストックはカードを捨てないと(神に祈らないと)増えない……という、ちょっと変わったリソース間の相関関係のあるゲームなのです。
無論、ハンドマネジメントと言う面では神への祈りをいつどのくらいの規模で使うかがかなり重要なポイントとなります。
ザックリとした説明ですが、ルール自体はシンプルで、慣れるとプレイ時間もそれほどかからない上に、コマの配置とカードの能力でいろいろ試行錯誤できるし、勝ち筋も多いゲームとなっており、繰り返しのプレイにも向いています。
特にリソースマネジメントやカードマネジメント、カード能力のコンボと言う単語にぐっとくる方には強くお勧めする次第です。
デウス(DEUS)
プレイ人数:2-4人
対象年齢:14歳以上
プレイ時間:60-90分
製作:Pearl Games
デザイン:セバスチャン・ドゥジャルダン
価格:8,000円+税
で ―― ゲームの突っ込んだ内容は、すでにプレイされていたり、レビューが上がっていたりすると思うので今回かなり端折っております。
今回の記事で重要なのは、版元に確認していた以下のルールの明確化となります。
1)青カードの能力によるリソースの売買は強制ではない
カードにルールを明確に記述する今のルール記法の主流からは外れますが、ルールブックP.7より「プレイヤーはリソースを購入したり、共用の予備から交換したりできます。」なので、「する義務はありません」とのこと。
このあたりは近年TCGで培われた『カードのルールは本ルールに優先』という黄金律とは文化が違うので注意だ。
2)《集会所/Forum》の地域は同じ種類である必要はない
質問もあったし、間違っている人がボチボチいるようなので、念のため確認しましたが、“Pair”というのは数しか見ていません。3)《攻城塔/Siege Tower》の能力
こちらのカードは「自分の軍隊が隣接する蛮族の集落1つから、2VPを奪う」ものです。
軍隊が1個である必要はありません
……おそらく、フランス語の単数形の冠詞をそのまま英語の単数形不定冠詞にすればいいところを“1”と表記したためと思われます。
(仏英訳時にフランス語ネイティブの英語翻訳は微妙に間違うポイントがあるんじゃないかと思われます……最近なんとなく傾向が見えてきた気がする。)
※質問への返答の段階であり、まだ正式に正誤表の形で発表されていないようなので、とりあえずこの場ではご報告まで。4)「自分の色の」の表記は「自分の」と読み替えよう
おそらくデザイン途中のワードが残っていると思われます……最終状態のルールより前の形を想像するのも一興。
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