火山の火、雨水、竜巻、人もいる『マウナ・ケア』


さて、今回紹介するのはエッセン新作紹介第3弾、
マウナ・ケア
となります。

シンプルだけどシステマチックなシステムの『ウォルナットグローブ開拓史』や『エクリプス』で注目を受けていたフィンランド人ゲームデザイナー、トウコ・ターコカッリオの新作となります。

ゲームのテーマとしてはほかのゲームでもあったり、映画のテーマになってたりしますが火山の噴火が起きた島を舞台に、溶岩流を避けてボートまで脱出するというものになります。


最初に中央の火山の周りに、自分の探検家を配置していきます。
これを脱出させ、かつ島にある遺物などを持ち帰るのが目的です。
探険家はプレイ人数によって最初に置かれる数が異なり、2人だと5個、3人だと4個、4人だと3個です。

1)ゲームの手順はシンプルに、手元のタイルをすべてプレイし、地形を作り、探検家を移動させます。
ここは結構自由に配置できます……が、自分のコマに以下に遺物を回収させ、ほかのプレイヤーは遺物から遠ざけるか考えないとなりません。

移動させるには、移動力を消費して探検家を移動させるます。
そのために配置していないタイルを消費して、描いてある数での移動力を得て移動させます。
タイルは2×2マスで区切られていて、移動は斜めにはできなません。
ジャングルは1移動力、水域は2移動力消費するので、配置によっては脱出までに恐ろしく時間がかかってしまうかもしれません。

※ルール致命的に読み落としていたので訂正。

2)最後にタイルに描かれている移動力の合計が5以上になるまで、タイルを引いていきます(つまり、最初に地形を作るときの手札のタイルの描かれている移動力合計が、その手番に使える移動力最大値になるのです)。
引いたタイルは表向きにして自分の前に並べるので、ほかのプレイヤーは今後並べられるであろうタイルを確認して自分のタイルが配置できることになります。

この場合は移動力5になったのでストップ。

しかもこの時、溶岩タイルを引いてしまったら溶岩タイルを配置していかなければなりません。
溶岩はルールに従って置かれていき、探検家の行く手を遮り、探険の成果となるはずだった遺物を飲み込んでいきます。

こんなのを引いたら……

即座に対応する溶岩の先端へつなげる。

また引いた……

接続。

あれよあれよと流れまくる溶岩……

これを繰り返して、ボートまでたどり着いたらボートに遺物と探検家を乗せて脱出させます。
しかし……探検家や遺物コマの個数に応じて点数を獲得することになりますが、ボートは8艘しかありませんし、探検家は1個、遺物は2個か3個までしか載せることができません。
遺物載せきらないと(積載スペースに空白があると)ペナルティはあるし、溶岩は流れてくるし、飲み込まれたらゲームから取り除かれるし、ルートを考えて土地タイルを置いて、どのタイルを置かずに移動させるんのか、移動計画を建てなきゃダメ……
なんだ、このカツカツな感じは……どっかで見たような気が……

上級ルールで特殊な移動ができるアクションカードと点数になる任務カードが導入できますが、基本のシステムはえらくシンプル。

しかしながら、タイルの中身の設計や枚数配分の設計が恐ろしく巧妙で、このデザイナー、数字以外の部分、タイルとかの数学的設計がむちゃくちゃうまいんじゃないかと思うのですが今回はいかんなくその力を発揮した感じでしょうか。
ルールは簡単でサクサク進むのですが、悩むところは悩ませてくれる、このデザイナーの作風が好きなひとなら間違いなくお勧めできます。
もちろん、大仕掛けで刻々と変化する状況が楽しいゲームですので、軽めのタイル配置ゲームをお探しの人にもオススメいたします。

マウナ・ケア(Mauna Kea)
プレイ人数:2-4人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:約45分
製作:Huch! & Friends
デザイン:トウコ・ターコカッリオ
価格:5,000円+税