クエスト・フォー・ザ・ドラゴンロード 最終回


世界の覇権はバーバリアンかドワーフのどちらかの王国に決まりそうだった情勢下、エルフ軍は幸運にも世界最強のドラゴンロードの助勢を得ることに成功した。かくしてエルフ軍の反撃がはじまるのであった。

エルフ「ドラゴンロードよ、わが軍勢を転移せしめよ!」

お互いの軍隊の進入をけん制して、各国は国境線や港の防備を固めて国王を守る防衛ラインを構築していた。しかしそんなものはドラゴンロードには通用しない。最大10ユニットを世界の好きな場所にてレポートさせることができるのだ。

今回参加したプレイヤー達は、すべてゲーム初体験なのでテレポートを警戒しているものはおらず、本拠地が手薄でせいぜい5ユニット程度しか防備に割いていない状態である。
そこに一気に倍の軍勢を送り込むことができるのは計り知れないアドバンテージだ。

エルフ「最初に滅亡したいのは、どっちかな? バーバリアンかドワーフか?」

調子にのったエルフ軍。積年の恨みのあるのでバーバリアンからターゲットにすることに決定。王国本拠地をいきなり叩いてもいいのだが、万が一撃退された時が問題だ。
攻撃側は形勢不利の場合隣の領地に退却することができるが、いきなり敵のど真ん中にテレポートして敗れたら退却する領地が無くて全滅してしまう恐れがある。ここは慎重に本拠地に近い敵の領地で最も手薄な場所をまず攻略するのが良さそうだ。

ドワーフ「よく考えたらゲームに勝つ目的は本拠地を落すことじゃなくて、王様ユニットを倒すことなんだよな。」

バーバリアン「うわ、余計なことを口走りおって・・・」

それもそうか。たしかに本拠地に王様がいるとは限らない。
このゲームの王様は任意のユニットの下に置かれたマーカーで示されている。ただしマーカーには王様以外にウィザード1人、影武者2人も混じっているので、王様をピンポイントで攻撃するためには読みの要素が入ってくるわけだ。
ここは単純に、最も守りの堅いエリアにいる指揮官ユニットをバーバリアン王と予想。
というわけで目標がいる隣のエリアを攻撃だ!


おらおら~、ドラゴンロードのお通りだあ。(青がバーバリアン、緑がエルフ、黒がドラゴンロード)

結果は、バーバリアン大虐殺で終わりました。
ドラゴンロードの必殺ドラゴンファイア+敵全体弱体化効果で圧勝です。

エルフ「次のターンは王様(予想)にいくぞ、ふふふ」

バーバリアン、ピンチ。だが彼らも手をこまねいていたわけではない。バーバリアン冒険パーティー総勢4名も荒地に乗り込み、泥にまみれながらクエストをおこなっていたのだ。


世界の中心にある”荒地”に勇者たちを送り、ドラゴンロードの助勢を得るのじゃ!

様々な困難の果て、首尾よく魔女の館で調教用アイテム「ドラゴンオーブ」を購入し、一行はレッドドラゴンの住む山にたどり着いていた。

バーバリアン「ドラゴンオーブがあれば、レッドドラゴンはドラゴンロードになってくれるんだよね。」
ドワーフ「いや、無条件じゃなくて調教が必要らしいよ」

調教結果はおなじみの特製クリスタルダイスで決められる。神の宣託というわけだ。ダイスの目が黄色なら吉、青なら神様無視、赤なら凶だ。結果は・・・

レッドドラゴンは怒り出した!ドラゴンの攻撃!バーバリアン1体が死んでしまった!残り3名!

次のターン、クリスタルダイスの結果は・・・神様無視
やっぱりレッドドラゴンは怒り出した!ドラゴンの攻撃!バーバリアン1体が死んでしまった!残り2名!

次のターン、クリスタルダイスの結果は・・・
どうやってもレッドドラゴンは怒り出した!ドラゴンの攻撃!バーバリアン1体が死んでしまった!残り1名!

バーバリアン(涙目)「あれ、おかしいな。目から何かがあふれてきやがった。」
ドワーフ「調教はともかく、攻撃防御のダイス目までことごとく運に突き放されていますね」

次のターン、クリスタルダイスの結果は・・・
バーバリアンはドラゴンロードのユニットを得た!

バーバリアン「うおおおお、やったぞ。さあ、急ぎ国に帰還せねば」

バーバリアンユニットはドラゴンロードユニットに変化し、テレポートで本国に帰還する。

エルフ「ふふふ、敵の王は目前だ。者ども最後の攻撃だ! 待て・・・あれは何だ?」


破竹の勢いのエルフ軍(緑)とドラゴンロード(黒)に、バーバリアン(青)のドラゴンロードが立ちふさがった!

ドラゴンロードとドラゴンロードが会いまみえる。最終決戦にふさわしい怪獣大決戦の様相だ。しかし形勢は逆転した。バーバリアンの王国の真ん中に飛び込んだエルフ軍は、バーバリアンの軍勢に囲まれている。しかも今やバーバリアンもドラゴンロードを有しているので頼みの弱体化効果も相殺されている。

バーバリアン「さんざんわが国を踏み荒らしてくれたな。一斉攻撃だ!」
ひとつの敵領地に隣接するすべての味方領地からユニットを進軍させることができる。
バーバリアン軍はドラゴンロードを含めた全戦力を、エルフ軍のドラゴンロード軍に向かわせた。

エルフ「くっ・・・、まだ終わらんよ。」

エルフ軍のユニットの中にマーカーがついたものが1人混じっていた。実はこれエルフの王様だったのだ。ドラゴンロードが圧倒的に強かったので調子に乗って王様も乗ってきていたのだ。これにはリスクもあるが、戦術的な意味もある。王が率いる全ユニットは攻撃力に+1されるのだ。確実に勝負を決めるための切り札だというわけだ。当然、その効果を使うためにはマーカーを表にめくり、王の居場所をさらす必要がある。

エルフ「エルフ王、ここにあり! 蹴散らしてやるぞ。」

バーバリアン「それはどうかな。バーバリアン王ここにあり!」

なんとバーバリアンの指揮官も王だった。これで条件は5分と5分。あとは数が多い方が有利だ。こうしてエルフ、バーバリアン頂上決戦はバーバリアン軍の勝利に終わった。あわれエルフの王は戦場の露と消え、ゲームオーバーとなったのであった。

その後残るバーバリアン軍とドワーフ軍は一進一退の攻防を繰り返し、地道に国力を蓄えたドワーフプレイヤーの勝利となった。

ドワーフ「ドラゴンロードは一発逆転を夢見れる強力なユニットだけど、取れば勝ちってわけでもなくて、全体的なバランスはよく取れていると感じたな。」

バーバリアン「好きなところにテレポートできる能力が派手だから、つい大胆な行動を取取りがちなんだよなあ。ねえ、エルフ君?」

エルフ「うう、悔しい。コツをつかんだ気がするから、もう1回やりましょう!」

以上でプレイレポートは終了です。
力量的には未熟なプレイヤー達でしたが、ファンタジー世界での戦争と冒険、存分に楽しむことができました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!