『フタン』フタン、フタン、お花を大切に


ここ最近のゲームのテーマトレンドである「エコ」テーマですが、そのなかでも森林や動物が出てくるものはいろいろ出ているのですが、

フタン

もそんなインドネシアの熱帯雨林で生態系を構築していくタイル配置ゲームとなっています。

この版元の前作『アクア』に続いての多言語版(日宇)。

ゲームの目的は自分の森の同じエリアには同じ種類の花を植えて「完成」させつつ、樹を成長させたり、動物を呼びよせること。

「樹が成長する」のと「動物を呼び寄せる」のは花タイルを配置した結果の追加効果なので、実質花タイルの配置が重要……

ゲームの準備として各自4枚の熱帯雨林ボードを受け取り、同じ組み合わせで配置します……つまり条件は各自同じというわけです。
各ボードは3×3マスあり、2マスから5マスの小さなエリアで区切られています(何も置けない湖スペースがある場合も)。

アイコンの色と形を同じにします。

花カードはプレイ人数によって使用枚数が変わります……シャッフルして「(プレイ人数×2)-1枚」の山を9つ作ります。
これは毎ラウンド1山使用します。

最初のラウンドの山を公開するとこんな感じ。

花タイルと動物駒はわきによけましょう。

……準備これだけ。

ゲームの流れですが、スタートプレイヤートークンでもある「センザンコウトークン」を持っている人がから……


花カードを取って、センザンコウトークを戻します。

その後、描かれている花タイルを取って配置します。

あとは時計回りで花カードセンザンコウトークンを取って花タイルを置くだけ(センザンコウトークンは、次ラウンドにスタートプレイヤーになれるし、いずれかの花タイル1つも配置できるもの)。

熱帯雨林ボードの「エリア」ごとに「同じ色の花で埋めていく」のが目的になりますので、それを考慮して花カード(かセンザンコウトークン)を取りましょう……点数はエリアに描かれた点数で、違う色の花が混ざったり、埋められない場合はそのままマイナス点になるので注意!

全員花を2回配置したら次ラウンド。新たなカードの山を公開してゲームを続けます……

さて、花の配置ですがいろいろ制限があって……

1)最初に配置する場合を除いて、花タイルは既に置かれている花タイルに辺で接触する必要があります。飛び地は作れません。

2)配置する花タイルはそれぞれ辺で接していなければなりません。

例えば、これならOK。

先にも説明しましたが、「各エリアを同じ色の花で埋める(=完成)」ことで+点となりますが、「違う色の花タイルが存在する(混在)」もしくは「全て埋まっていない(=未完成)」だとそのまま-点となります。

これが結構難しく、埋めることを意識すると、花タイルの枚数は多い方が良いけど、下手なカードを取ると混在エリアが出来てしまい-点となってしまうので、少ない枚数のカードに価値がないわけでもない感じ。
場にあるカードが自分の得にならないようであれば、次のプレイヤーが受け取るとキビシイものを残してやろうか……

3)同じ色の花は重ねることができ、これにより樹が成長します……2枚目の花タイルは置かずに樹を置きましょう。

この例では2枚とも重ねています……これはよいプレイング?!

樹は1本2点ですのでなるべく生やしたいけど、その分エリアを埋めるタイルが1枚減るのでよく考えないと……2マスのエリアは2点、3マスのエリアは4点、4マスのエリアは6点……樹をはやすのは後でもよいかも?

また、エリアが完成しており、かつ全ての花の上に樹が置かれたら、最後に樹が置かれたマスに、その花の色と同じ色の動物を樹と置き換えて配置します。

動物はそのエリアに記載された動物点をもたらすだけではなく、「肥沃化ボーナス」により辺で接するマスに任意の色の花タイルを配置できます……これで木が生えた結果条件を満たし、再度動物を置くことも可能です。

オランウータンの周り3マスに花タイルを置こう……さらに樹も生える!

動物点は2マスのエリアは3点、3マスのエリアは6点、4マスのエリアは9点と高得点。
肥沃化ボーナスもアドバンテージしかないし、積極的に狙いたい!
ただし動物駒は数に限りがあるので要注意!

9ラウンド終わった後で、(完成したエリア点)-(未完成・混在エリア店)+(動物点)+(樹の本数×2点)を合計して、点数が一番高いプレイヤーが勝者……という、欲しい花タイルをうまいことドラフトで受け取ることを意識しつつ、配置に関してはかなりパズル思考が必要なゲーム。

花タイルの配置ルールだけは難しくないのですが、そこからの得点行動は難し悩ましい!

未完成エリアと混在エリアのマイナス点がけっこう痛手となるよ。

ルールヴァリアントとして、ファミリー向けに得点要素を減らしたり、上級者向けの生態系カードが用意されていたり(24種類中4枚をランダムに使用……「記載の花の上の樹1個につき追加2点」とか、「湖スペースに隣接している動物コマ1個につき4点」など条件達成で点数獲得)、ソロプレイでの得点挑戦モードもあったりと行き届いた造り。

ゲームの構造が複雑なわけではないので、導入も簡単ではありますが、勝とうと思うとぐっと考えどころが多い感じ。タイル配置ゲームやパズル的なゲームが好きな方に強くオススメいたします。

フタン/HUTAN 多言語版(日宇)
プレイ人数:1-4人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:30~45分
製作:Sidekick
デザイン:ダニエル・スキョルド・ペデルセン、アスゲル・ハーディング・グラネルード
イラスト:ヴィンセント・デュトレ
価格:6,000円+税

※ゲームデザインはレースゲーム『ヒート』のダニエル・スキョルド・ペデルセン、アスゲル・ハーディング・グラネルードコンビ……作風広いなぁ!