だいたいアナログゲームの開発には2年ほどかかるものなので、今発売になるのは2年前に強烈にトレンドだったものが多いのです。
2人用ゲームの充実も新型コロナでのロックダウン時の需要があったから……というはなしも聞こえてきます。
今回ご紹介する
ツリーソサイエティ
も欧州を席巻するエコっぽいテーマ。果物を中心とした経済で樹上都市を発展させる……といったモノ。
ゲームの目的は、建物を建設することで得られる点数を他のプレイヤーよりも多く得ること。
建物は建設度合いが3段階あり、建設段階ごとに個別の能力をもつものがあります。
なお、3段階目が建設されると完成しますので、それまで使っていた能力は無くなってしまいます。
またギルドは傾向が異なる6種類ありますが、使うのはそのうち4種類あります……金のめぐりが良くなったり、地味だけど高得点だったり、建物をどんどん廃棄していったり様々。
自分の場には3スロットしか未完成の建築物は置いておけないし、ゲーム終了条件が完成した建物置き場にあるギルドアイコンが6個以上になることなので、いかに先んじて高得点建物を効率よく立てれるか……が重要。
全体だとこんな感じで、中央には建物と果物の市場があります。
開始時はこのような感じ……果物と初期の建物(こちらは初期推奨カード仕様の例)。
ゲームは各手番に果物を1枚売却しコインを得て、そのコインで建設を進める……というシンプル構造。
売るときはこんな感じでずらします。上に置いている5コインが売却額なのですが……
ちょっと変わっているのが、得られるコインは売却した果物と同じものが、「自分の持っている果物」と「相手の持ってる果物」と「市場の果物」合わせた枚数に等しい額ということ。
流通している数が多いと安くなりそうなものですが、果物本位制は流行りの物こそ価格が高いのだ……!
そのため、今回の例ではリンゴを売ると5コインになるわけです。
売却する果物の下には、売却時の能力が描かれている……購入額を安くしたり、市場の建物列を一掃したり、もう1枚追加で別の果物を売却出来たり……
得たコインは財布に残っていたコインと併せて建設に全部使えます。市場の建物を1レベル建設しても、未完成の建物を1レベル上げても、その組み合わせでもOK。
建物はその段階を建設した時に解決する能力、その建設段階であれば常時解決される能力、主に完成済みの建物の持つゲーム終了時の得点能力があります。
こちらは2段階目を建てた時、別の建物を半額で建てれる……能力は使わなくてもよいけど、これは使い得。
ブルーベリーの売却額が高くなる!
ただし完成すると、今まで売却したブルベリー1枚につき2点となるのでゲーム終盤まで完成を粘りたい。
あと、いらなくなったら完成させるのではなく、捨ててしまうことも可能……スロット空ける方が効率がいいのであれば選択肢にしてもよいかな?
今回はまず、3コインで2段階目を建設し、半額の2コインで建てた……市場の建物は上段が1コイン高いのだけど、半額なら手が届く。
建設が終わったら、残った財布のコインは2個だけしか次ラウンドに持ち越せません(「収納箱」に2枚入れて残りは捨てて、その後財布にすべて戻す)。
建物の中には、コインを収納箱に入れる効果を持つものがあるので、次ターンにはかなりの金額が財布にある場合も!
そして果物を1枚市場から補充して……建物を補充。下の段が空いたなら上の段の(1コイン高いカードを)下にずらしてから補充。
これを繰り返していき、完成した建物のギルドアイコンが6個(長時間ゲームなら7個)になったプレイヤーが出たら、追加の1ラウンドをプレイしてゲーム終了。
建物の点数を集計しましょう……!
なるべく価格が維持できるような果物、もしくはその効果を活用できる果物を販売(して仕入れる)することを意識しつつ、効率よい点数を得られる建物をその付随効果も併せて検討して建てていくのが重要……低い点数の建物ばかりだと勝ちようがないので、他のプレイヤーの建築状況にも注意注意! 建物は短命なので、ガッツリ能力コンボを作るというより、効率よく建築しつつ、絶え間なく効果のアドバンテージを維持するのが大事か?
ただし、ギルドの組み合わせによってはとんでもない連鎖が発生する場合もあるので、要注意!
ゲームの構造は単純で、ルール的例外も少ないのでカンタン。登場ギルド6種のうち4種類を使用するのでリプレイ性もばっちり。さくっと始めることのできるゲームとしてオススメします。
ツリーソサイエティ
プレイ人数:2-4人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:45分(結構テキスト量があります)
製作:Next Move Games
デザイン:ブレット・J・ギルバート、マシュー・ダンスタン
イラスト:クリス・クィラムス
価格:6,600円+税