若かりし頃、革命を夢見た『フンタ:大統領万歳!(JUNTA:VIVA EL PRESIDENTE)』


皆様明けましておめでとうございます。
今年も色々とご紹介できると思いますので、よろしくお願いします。
特に先月間に合わなかったモノがドカドカ国内に入ってきていますので!!

そんな中から先日出荷されました『フイレンツェ』『フンタ:大統領万歳!』から正月明けらしく(?)フンタ:大統領万歳!をご紹介いたします。

内容的には、80年代に数々のゲームサークルを席巻したボードゲーム『フンタ(JUNTA)』から十数年。
前作でのワルたちは国民に行くはずの外国援助金をたんまり懐にため、今では国内に広大な屋敷を買い贅沢暮らし。
もはや権力闘争をする必要も無い彼らは、それでも金が欲しいので、面倒くさい選挙などが必要な政治権力ではなく、溜め込んだ金に飽かせて雇った民兵達という私兵暴力集団の力を背景に、他の勢力と飽きずに抗争を繰り広げる――というもの。

ゲーム的には旧版から選挙とクーデターゲームを削って暗殺合戦をゲームにしたような感じで、あの「混乱したバナナ共和国の今の姿」と言う意味ではすげーリアルな設定

コンポーネントはこんな感じ。
目を惹くサングラスはゲーム中の「現職大統領マーカー」としてかけるもの。
Made in Chinaですが、ホンモノ(UV400カット)!
ちなみにコイツのおかげで値段が上がっていると思われるのですが……これならアリだよね!?
生産が遅れたのもコイツのおかげですが、ゲームにはほぼ関係ないコンポーネントでココまで本気なのは久しぶりに見た。

さて、プレイヤーは先ほども申し上げたとおり、引退したかつての閣僚達(=反政府勢力・ゴルピスタ)。
そのうち一人は現職で大統領となり、今もこの国にとって貴重な収入源である外国援助金を着服しつつ他の有力者にばら撒いて身の保身を図る流れ。
昔はまがりなりにも国会と言う政治の場で配分を解決していたのに、議論もなしに実弾(金も飛び交うのですが)が飛ぶという……ってなんかどこかで聞いたことがあるな


大統領は山札からカードを引きます(人数+2枚)。カードは外国援助金や、様々な効果を持ったカード。これを裏向きに分配します。他のプレイヤーは1枚ずつひきます。


そして、次にひそかに自分の民兵(=ダイス)をどこに差し向けるのか、武装トラック風のツイタテの裏に置いて、一斉に公開。

戦闘は、カードを順番に使用し、差し向けた民兵ダイスをふって解決。

攻撃側が襲撃に成功したら、襲われたプレイヤーの手札を襲ったプレイヤーたちがそれぞれ1枚ずつ略奪していきます(奪う順番はダイス目順)。
もし襲われたのが大統領で、その襲撃が成功したら、分配されるはずだったカードは誰ももらえず捨て札に。
そして大統領の手札を略奪した後で、ダイス目が一番良かったプレイヤーが次期大統領となるのです。

選挙? まだ選挙で国を改革できたかもしれないバナナ共和国ならまだしも、衆愚政治がきわまった現在のこの国では民兵の数こそが政治力です。
まるで時は世紀末。救世主は残念ながらおりません。

大統領への襲撃が失敗した場合は、大統領の襲撃に参加しなかったプレイヤーは分配金を受け取ることができます。もちろん襲った側は分配金カードを捨てなくてはなりません。

騒乱が落ち着いたら今度は買い物。
自分の屋敷をより豪華に!
配下をより多く!
スイス銀行に秘密口座に預金をしていた時代とは異なり、今では堂々と金をモノに替えることで飽く無い物欲を満たします。

建物は自分の防御力にもなるし、勝利点にもなります。
金を払えば民兵(ダイス)も雇えます。
金でカードを引くことも可能です。

こうやって、いち早く5勝利点以上獲得できた人が勝者となります。

点数は手札でも獲得できるので注意な!

ゲームとしては軽めなので、旧版フンタが好きだった人にも、手軽な裏切りアリの駆け引きゲームをやりたい人にもオススメです。

フンタ:大統領万歳!(JUNTA:VIVA EL PRESIDENTE)
プレイ人数:3-5人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:45-60分
ゲームデザイン:セバスチアン・レスル&クリストファー・ライザー
製作:Pegasus Spiele
日本語ルールつき
価格:4,500円+税

あと、多少時間がかかっても選挙、国会、クーデター、暗殺の要素が欲しい人は……2月発売予定新版「フンタ」をお待ちください。
そろそろ各店で受注開始になると思いますノシ

旧版(第3版)とちょっと変更があるので、旧版が欲しい人はお早めに

余談:実はこのゲームもあるゲームのリメイクだったりしますが、元のゲームよりかなり良くなっているね!
今後こんな流れが多くなるのかも。