我々はどこから来たのか?『コスタルアナ』


ここのところアナログゲーム市場が世界的に拡大されてきている結果、ヨーロッパやアメリカではあまり知られていなかったゲームというものも出始めていますが、

コスタルアナ

も実はけっこう前に出ていたロシアの版元のゲームで、アートワークがものすごくよくなって再販となりましたので、この機会に日本語版にしてみたというものとなります。

さて、ここは太平洋のとある島……コスタルアナ群島。
島々に隠された海賊の財宝である、聖なる真珠を取り戻すため、原住民の各部族が自分の仲間を島々に送り込むことになりました……

一見平和な南の島……プレイ人数によって枚数は変わりますが、真珠が4個の島が2つ、残りの島には真珠5個となります。
4人だと島は7枚。

この真珠を奪い合うのだ。

プレイヤーにはそれぞれ手札は5枚配られます。
カードの種類は「宝物の移動」、「島から原住民を戻す」、「島に原住民を置く」、「島から島へ原住民を動かす」の4種類。
あと、色が4色あります。

原住民コマは1人10個で、最初に島々に3人だけ送り込まれています。

獲得した真珠はテントに隠しておきます。組み立てにコツがあるので注意。
(いっそ接着したほうが良いかも。)

スタートプレイヤーはシャーマン(呪術師)となり、儀式タイルを2枚受け取ります。これは適当に向きを決めてよろしい。

組合せはこんな感じ……裏表で雨と花、月と貝の組み合わせ。
この色が重要となるのだ。

ゲームは5ラウンドにわたって行われ、各ラウンドの最後に真珠の獲得が判定されます。

各島ごとに判定し……

一番多い部族の原住民が真珠を1個お持ち帰り。

上位が同じ数だと言い争いをはじめ……

2番目に多い部族が真珠を1個お持ち帰り。

全員同数だったり……

真珠がないと当然お持ち帰りはできない……

と、いうことになります。
お持ち帰り時に、島にいる原住民コマが1個減るのもポイント。
次のラウンドのことも考慮したほうが良いでしょう。

では、どうやって原住民を島に送るかというと、毎ラウンド2枚のカードをプレイして、その効果で真珠を動かしたり、原住民を置いたり、戻したり、動かしたりします。

まずシャーマンから時計回り順にカードを表向きで1枚プレイするのですが……誰の前に置いても構いません

カードは置かれた人がそのカードの効果を解決します。


このように相手に置くことも可能……島から引き揚げさせるカードとか相手に置きたい。

次に、2巡目はカードを裏向きにプレイします……

こいつも誰の前に置いても構いませんし、置かれた人がそのカードの効果を解決します。

そして、手元に原住民コマが残っているなら、そのコマを1ついずれかのカードに置くことで、そのカードに相乗りすることができます(これはやらなくてもOK)。

青プレイヤーのカードの上に原住民を置いてみた図。
青プレイヤーの前に置かれたカードの効果を、自分も使える。

そして、この置かれた状況を見てシャーマンは儀式タイルのうち1枚だけ裏返します。

そして、全員カードをオープン。儀式タイルの色以外のカードは捨て札となります。

つまり、シャーマンにはどのカードが効果が発生するか、決める権利があるのです。

カードの解決はシャーマンから時計回り順でプレイヤーごとに解決し、複数のカードがあるなら「宝物1個の移動」「原住民を戻す」「原住民を置く」「原住民1個の移動」を解決していきます。

「宝石の移動」はどこの島でもいいので、島から島へ真珠を1個動かすもの。

ほかの人の邪魔ができます。

「原住民を戻す」はその数だけ、手元に原住民コマを戻すもの。
その結果マジョリティ争いに負けるかもしれないし、手元にコマが無くて困っていた時は逆に助けになるかもしれない。

「原住民を置く」はその数だけ、島に原住民コマを置くというもの。
ちょっと大事なのは、島には7個までしか原住民コマが置けないというルール。

「原住民1個の移動」はどの原住民コマでもいいので、1つ選んで好きな島に動かすというもの。
他の人のコマを動かして邪魔してもいいし、自分のコマを動かしてもよし。

解決するカードに原住民コマが置かれていたら、カードの解決後、そのプレイヤーから時計回り順に置かれている原住民コマのプレイヤーが解決していきます。

この場合、カードの解決後、青、白の順で原住民コマを3個置く。

なお、次のラウンドのシャーマンは、このラウンドで一番獲得した真珠が少なかったプレイヤーなので、手札の状況によってはしゃがむのも大事かもしれません。

この「表向き、裏向きでどこにカードを出してもよい」ルールと「シャーマンは儀式を1枚裏返し、解決されるのは見えている色のカードだけ」というルール、そして解決順のルールをよくよく考慮して、カードをプレイし、相乗りを検討しなければなりませんし、うまくできた場合は1ラウンドで大量の真珠獲得も可能となります。

ルールは簡単ですが、それぞれの思惑と読みがぶつかり合う、しっかり考えないと勝てないゲーム。シャーマンのプレイしたカードと、手札の状況と盤面の状況を考えてカードをプレイし、解決順を考慮しながら相乗りを計画する……一見マイナスの「原住民を戻す」カードも、手元に原住民がない時にはプラスになるので、この状況と各自の思惑と解決順は本当に大事。

しっかりしたブラフと読みが楽しめ、最大プレイ人数は6人までで、1人当たり10分程度のプレイ時間で軽めのマジョリティ争いという、直接的な駆け引きのゲームがお好きな方にはオススメですよ。

コスタルアナ
プレイ人数:2-6人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:20-60分
製作:Lifestyle Boardgames
デザイン:ユーリ・ジュラヴリョフ
価格:3,600円+税