お前はもう…このラウンドが終わるまで、トリックをとれるチャンスはないの!『ピココ』


トリックテイキングというジャンルは本来の「トランプ(プレイングカード)」を使う物でも多数のバリエーションがあり、熱狂的な支持者のいる人気のジャンルで、そのためアナログゲームのデザインの文脈で作られたゲームも数多く作られているのですが、今回紹介いたします

ピココ

はその中でもちょっと変わった特徴の内容となっています。


トリックテイキングゲームとしては;

  • 配りきりではない。
  • マストフォロー。
  • トランプ(切り札)あり。
  • トリック数ではなく、何トリックとれるかビッド(賭け)をして点数を得る。
  • タイプのゲーム。

    しかし他のビッドするトリックテイキングだと自分の手札の強さを見てビッドするのですが、『ピココ』では自分の手札だけ見えない状態なのがポイント。


    目立つクジャク型カードスタンドのコンポーネントはプラスチック製。


    配った。
    こんな感じで自分の手札だけ情報がない。
    あと、配りきりではないので、カードは残る……残った山札から1枚めくって出た色はトランプ(切り札)カード。
    マストフォローなので、リード色のカードが出せない時はほかの色が出せるのだけど、リード色より強い。

    この状況を見て(今回のトランプは黄色だと思ってください)ビッドするのですが、自分の取れるトリック数ではなく、スタートプレイヤーからそれぞれ順番に「こいつはいくつトリックを取りそうか?」と考えながらブラインドでビッドして、最後に自分にビッドする。

    こいつの手札は、こんな感じで、こいつは色が少ないから早々にトランプの赤が出せて……と考えるが、自分のだけわかんない。
    あと、ブラインドの競りは全員分一斉にするのではなく順番なので
    「前のプレイヤーのビッドで他のプレイヤーは俺より少なくビッドしてた……あれ、ひょっとして俺の手札強い?!」とか、「こいつ、自分がトランプ色多いの気づいてないな……」みたいな推理と、それを鑑みての次プレイヤーへのビッドも必要。
    しかも、カードをプレイするのは、自分の右隣のプレイヤーなので、左のプレイヤーのプレイは自分のビッドに合わせてコントロールできる(気がする……なぜならキミも右隣の人によってカードを出されてしまうからだ……)のも重要。


    ビッド終わった。
    赤プレイヤーは全員一致で「勝てない」方向性で。

    ビッドが終わったら、自分のビッドのうちどれが一番正確化に賭ける信任カードという要素もあります。

    点数は当たったビッドにつき2点、1差のニアピンで1点。
    信任カードはそのビッドの正解で+3、ニアピン、はずれで-1なので結構な点数に。
    どれも怪しければ必ず+1という逃げも用意されている。


    白の取ったトリックは1……
    白正解+2点
    紫正解+2点+ボーナス3点
    青ニアピン1点
    赤ニアピン1点
    黄色ハズレ0点

    ……とこんな感じで得点をするのだ(他のプレイヤーも同様に点数を出します)。

    これを3ラウンドやって勝負を決めます。
    カウンティングもできないことはないのですが、配られないカードやトランプ、複数の色を持つカードがあったりもして、手札の強さに揺らぎが出てくる感じ。
    しかもビッドでなるべく自分だけが正解を多くとれるようにビッドし、前のビッドからビッドの流れを読み、駆け引きをし、実際のプレイで流れをコントロールしようとするときも全員自分の手札だけは確実にはわかっていないので、思わぬ展開になってしまう場合もあります。
    トリックテイキングのゲームとしてはこの「手札が見えない」一点を除いてそれほど珍しい部分は無いのですが、その一点、「手札を見れる人を逆転させた」だけでかなり独特のゲームとなっております。ちょっと変わったトリックテイキングのゲームとしてコレクションにおひとついかがでしょうか?

    ピココ
    プレイ人数:3-5人
    対象年齢:10歳以上
    プレイ時間:30分
    製作:Brain Games
    デザイン:アダム・ポータル
    価格:3,600円+税