8月4日、星辰正しきとき。『パンデミック:クトゥルフの呼び声』


日本でもすっかり定着しましたが、やはりアメリカ市場、クトゥルフ強いんですよ……
というか、大好き。
クトゥルフLOVE

パンデミック:クトゥルフの呼び声

もそんな背景だからこそ出たのではないかと思われるのです……


さて。

『パンデミック:新たなる試練』では世界各地で発生する病原体の拡大を防ぐために、世界を駆けずり回って治療したり薬を作ったりしますが、『パンデミック:クトゥルフの呼び声』ではニューイングランド地方の小都市アーカム、キングスポート、ダンウィッチ、インスマス各地で暗躍する狂信者たちと、召喚されたショゴス……探索者たちは異界への門を封鎖し、邪神たちの復活を防ぐことになります。

プレイヤーたちは世界の深淵に隠れた秘密を知ってしまった『探索者』の一人となります。

探偵:少ない手がかりで封印を行える捜査の達人


記者:取材は足ならぬバスで稼ぐ!
バスマニアの可能性も。


医師:何故かアクションが多い。
狂気を治せないので、専門は精神科医ではない模様。

ドライバー:移動を車で行うため1アクションで2マスまで動ける。
あと、車なんでイタクァの風にも強い。


隠秘学者:敵の狂信者を予言で翻弄させるぞ。

魔術師:超魔術で恐ろしい遺物も使いこなす。
あと懐に物を隠すのが得意なのか、手札制限が1枚多い。


ハンター:魔を狩る狩人。菊池秀行っぽい。
狂気に陥ると若干偏執狂になる。

マップはこんな感じで、アーカムキングスポートインスマスダンウィッチの4地区に分かれています。

各地区のスポットは6か所で、そのうち1か所は異界への『門(ゲート)』となっています。

門にショゴスが入り、その「むこう」に行ってしまうと、一歩世界の破滅に近づくことになります。

『パンデミック:クトゥルフの呼び声』は『パンデミック』とは異なり、各地区の色の病原体ではなく、狂信者が集まってきます。

KKKっぽい。

最初は3人×2箇所、2人×2箇所、1人×1か所を狂信者デッキからカードを引いて決めて……

加えて、ショゴス×1が配置されます。

なおゲーム中、ショゴスはエピデミックにあたる『邪悪の胎動』(オールドワンが復活したりする)が引かれたり、そのオールドワンの能力であらわれたりします。

プレイヤー用のカードは『パンデミック』とは異なり、地区名だけになります。なお、難易度の修正はこの枚数で行い、エピデミックカードにあたる『邪悪の胎動』は4枚だけとなります。

初期手札のプレイヤーカードを配った後、残ったプレイヤーカードに人数に応じた『遺物』カードを入れてシャッフルし4つの山に分けて、

それぞれ『邪悪の胎動』を1枚加えてシャッフルし……

ひとつの山にします。

因みにスリーブ外すとこんな感じ。

手がかりのイメージ。

オールドワンは『邪悪の胎動』が引かれたり、ショゴスがゲートに入ると、そして狂信者3体がいる場所に4体目が置かれる事になったら代わりに『覚醒の儀式』が行われたことになり、1枚ずつ復活します。
パンデミックで言うところのアウトブレイク。

プレイヤーは最後の7枚目のオールドワン……クトゥルフが復活するまでに、4か所のゲートを封印しなくてはならないのです!

ゲートの封印……ペンタグラム空に掲げ君はやすらげよ。

ゲームの流れは『パンデミック』とほぼ同じで……

ターンプレイヤーは4アクションを実行します。
アクションは

・移動(徒歩)、移動(バス)、移動(ゲート)
・狂信者の撃退、ショゴスの撃退
・遺物のやりとり、手がかり(プレイヤーカード)のやりとり
・ゲートの封印

ができます。

移動はパンデミック同様、
1アクション1歩か、

カードを捨ててバス移動か、

ゲートからゲートへの移動ができます。

(なお、ゲート間移動はおなじみの正気度チェックが行われます。)

邪教徒の撃退は、『パンデミック』病原体コマの治療と同じ。

ショゴスは通常の邪教徒の撃退とは異なり、3アクションかかる上に同じマスに入ると正気度チェックが必要となります。

ただし、倒すと山札に使わなかった遺物カードを引けるのだ。

カードのやり取りもパンデミックにほぼ同じ。

遺物は『パンデミック』のイベントカード相当ではあるのですが、使うのに正気度チェックが必要となるので注意。同じ場所にいて、今いる地区のカードを1枚、渡すか貰うのだ。

そして治療薬の開発にあたるゲートの封印は、同色5枚をそろえてその色の町のゲートで捨て札にすることで封印できます。

そしてアクションをし終えたら、最後にプレイヤーカードを2枚引いて……

『邪悪の胎動』が出たら、引いた人は正気度チェックをして、オールドワンが1体復活し、ショゴスが現れ(召喚カードの山札の底からカードを引いて出現場所を決定)、召喚カードの捨て札をすべてシャッフルして山札の上に置きます。
『パンデミック』とほぼ同じ感じ。

しかし、復活したオールドワンは特殊な効果も持っており、事態はさらに混迷を深めていきます……

ゲート間移動ができなくなるニャル様。

そして、現在のオールドワンの復活具合に応じて召喚カードを引いて、その場所に狂信者を配置……『邪悪の胎動』の後だと、今いる場所に出やすくなるし、何より狂信者の召喚カードの山札は、無くなった場合捨て札を再シャッフルするのでここは元ゲームとちょっと感覚が異なります。

しかも、ショゴスがこの時ゲートに近づくかもしれません。

引いた召喚カードにシンボルがあると、ショゴスは1マス動くのだ……ゲートの場所で移動をすると、その「むこう」に移動して召喚の儀式が行われる!

……とまぁ、ほぼ『パンデミック』なので元のゲームを知ってる人はすんなり遊べそう。

しかし、違う点として、説明していなかった正気度チェックですが、ダイスをふって、
何も起きないか、正気度が減るか、

偏執狂により邪教徒が2体現れます

(……いや本当は現れていないだろこれ!)。

最初に持っている正気度4点をすべて失うと狂気に陥り、アクション回数が1減った上でキャラクター固有の能力が変化します。

例えば、ドライバーは車を運転しているので、1アクションで移動が1~2マスできますが、狂気に陥ると2マス必ず動かなければなりません。狂気のあまり、全力で逃げてるのか……

一応治療する方法もあるのですが、全員が発狂すると敗北なので、なるべくならリスクは避けたいところ。
そう……ゲームの終了条件は、プレイヤーカードの山が尽きたときか、ショゴスが置けなくなったときか、狂信者が置けなくなったときか、全員が発狂するか、クトゥルフが復活したとき。

ゲームの内容としては『パンデミック』を踏襲しているのですが、個々人の正気度というリソースの変化や、全員が使えるのと同様なイベントカードではなく、いつでも使えるとはいえ、個々人が持っていて使用者にリスクがある遺物カードなどのおかげで、いわゆる奉行な問題にも配慮されているかな?

システム的にはお墨付きの協力型ゲームに、フレーバーにマッチしたルール変更がなされた感じですが、オールドワン覚醒の条件であるショゴスの撃退や、狂信者はアウトブレイクしない、狂信者の山札は尽きたらシャッフルし直すなどかなりプレイ感覚が異なる部分も多く、『パンデミック』をやりこんでいる人には新鮮な感じでプレイでき、また、『パンデミック』は遊んだことがないという人にも、クトゥルフテーマのボードゲームとしてはプレイの容易な部類に入りますので臆することなく挑戦してほしい感じ。
なにより、狂信者が続々集い、ショゴスがあふれ、仲間が狂気に陥っていく……パンデミックとはちょっと異なった絶望感を味わえます。
協力ゲームを探している、クトゥルフテーマのゲームが欲しい、狂信者はもうやった、と言う人にはオススメするしか他にない感じとなっております。

パンデミック:クトゥルフの呼び声
プレイ人数:2-4人
対象年齢:14歳以上
プレイ時間:40分
製作:Z-MAN Games
デザイン:チャック・D・イェーガー
オリジナルシステム:マット・リーコック
価格:5,000円+税

こっちもクトゥルフテーマでリメイクできるんじゃないか?