悪いな、このゲームは2人用なんだ『パッチワーク』


さて、おそらく今年最後のゲームの紹介となりますのは、最近人気の2人用ゲームの中でも、ウヴェ・ローゼンベルクによるエッセン新作、
パッチワーク
です。

プレイヤーの目的は、限りある時間とお金(ボタン)と布きれを駆使して、対戦者よりも立派なパッチワークキルトをつくることです。


真ん中には時間トラック。


両面仕様で好きな面で。


両者スタート位置に。先手は上に重ねておきます。


その周りにランダムに布地タイルをぐるっと並べて、一番小さな布地のところにポーンを置きます。


手元にはキルトボード。
ここに布地タイルを置いていくのだ。

ゲームのルールはシンプルで、自分の手番には
1)相手の時間マーカーの1マス先に自分の時間マーカーを進めて進んだ数だけボタンをもらう。

2)ポーンから時計回りで数えて3つ先までの布地タイルのうち1つを値札に書いてあるコスト(ボタン)を払って取り、キルトボードに配置して、値札に書いてある時間の数だけ時間マーカーを進める(ポーンは取った布地タイルの場所に動く)。

の、いずれかを行うだけ。

これだとボタンコストは5で、時間は3進んでしまう。
最初のボタンの手持ちは5個なので買えるな……

しかし、このゲームで重大なのは『ボタン』と『時間』のリソース。

1)自分の時間マーカーが相手の時間マーカーを追い越すまで相手にターンは移らず……

2)時間ボード上にあるボタンマークを自分の時間マーカーが通過するたびに、キルトボードに並べた布地タイルに描かれたボタンの数だけ収入があります。


こんな感じで進んだ時に……


盤面にはボタン4個が描かれているので、ボタン4個の収入が。


加えて隙間を埋めるのにピッタリな1×1サイズのパッチは時間トラックにおかれており、先に通過した人が獲得できますので、この獲得も大事。

そのため、今買えるタイルはどのくらいのコストで、どのくらいの収入が見込めて、どう配置できるのか、時間コストと手番はどう選択したら一番効率よく使えるのか、自分の行動の結果、相手に何を与えてしまうのか、などなどのリソース管理と収入計画とタイル配置計画が重要な、かなり考えどころの多いゲームとなっています。
気付かれると思いますが、時間リソースは両者同じだけ持っていますが、ボタンリソースは最初の5個からは、途中決算までにどれだけ効率よくボタン付きの布地タイルを取るかにかかっています。
しかし、同じ時間コストをかけるなら布地タイルの方が後々も収入になりますが、ここぞという時にボタンが足りない場合は相手の時間を追い越すべきか、と悩むことも。無論その場合、おいしい布地タイルは相手に取られる可能性も出てきます。
そしてボーナスとして、先に7×7マスを埋めたらゲーム終了時にボタン7個のボーナスが貰えるので、隙間なく埋めるのも大事。コストと収入効率だけではなく、形状と配置にも悩まなければならないわけです。

ゲームの勝敗は、両者時間を使い果たすまでゲームを続け、持っているボタンの数から埋まっていないキルトボードのマス1つにつきボタン2個のペナルティを払って、最終的にボタンの多いほうが勝ち。

完全にゲーマーズゲームかと言うと、ルール自体はシンプルで手段や悩みどころは多くとも目標はシンプルであり、見た目とテーマにもシステムが結構マッチしていて普段ボードゲームをしない人にも難しすぎない感じ。
テーマと見た目もかわいい感じでプレイ時間も短めですので、ゲームの集まりで人数があぶれる、むしろあぶれて2人で遊びたい、2人でしか遊ぶ機会が無い、普段ゲームをしない人を誘いたい、などと言う人に強くオススメいたします。

パッチワーク(Patchwork)
プレイ人数:2人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:30分
製作:Lookout Games
デザイン:ウヴェ・ローゼンベルク
価格:3,800円+税

ニコ生で配信した「隔週ボードゲーム通信 第32回『2人用ゲーム特集』」で実際のプレイを見ることができます(他にも、『カルナック』と『ゴールド・アホイ!』もプレイしております)。