今回の手番……なんの成果も!! 得られませんでした!!『SOSタイタニック』


と言うわけで、明日はホビージャパン・アナログゲーム例会です。
今回はお盆中と言うこともあり、品物はあるけど出荷は翌週となるゲームを中心に、先行体験会となります。

そして、今回紹介するのは明日先行体験会を行う予定の1人からも遊べる協力型ゲーム

SOSタイタニックです。

1912年4月15日、北大西洋で沈没事故をテーマに、プレイヤーは乗務船員となって史実での悲劇より、多くの人を救うのに挑戦してもらいます。

今回は先にコンポーネントから……


これが助け出さなければならない旅客。
一番小さな数字「1」は脱出用の救命艇で、数字の小さな順に子供→女性→男性→老紳士となっています
この数字の序列が何を意味しているのか……なんとなくわかると思いますが、救助の優先順です。

そして色は2種類あり、一等船客と、二等船客となっていて、二等船客のほうが枚数が多く、助けにくくなっています。


これが乗員カードで、各プレイヤーに1枚ずつ配られます。
それぞれ乗員には、史実に基づいた特殊能力があります。


そしてアクションカードは……後述。


そしてこれがタイタニック号。
リング式の冊子になっており……

ある条件で時間が経過し、沈み始めます。右にある時刻は史実での時間です。
下にあるのが、脱出艇のデリックがあるデッキです。
最初は6か所あるのですが、沈むにつれ数が減ります

ここに、沈み始めた船から脱出するために、船客がやってくるのですが、避難の優先順位に従って並ばせた上に、それを海面に下して安全を確保しなければなりません。
因みに史実では、救命艇の定員に満たない人数でどんどんおろしてしまい、乗客の大半が脱出できませんでした。


乗員カードは各プレイヤーにランダムに1枚ずつ配り、乗客カード、アクションカードはそれぞれシャッフルして山札にします。

アクションカードは各乗員に記されてる数字の枚数だけ、それぞれ配られます。
指揮権限に差があるわけですな。


山札の乗客は、まだ上甲板まで上がってきていない乗客です。
そして左側から順に裏向きの4、6、8、10『待機列』を作って、いちばん上のカードだけ表向きにします。
因みに史実で言うと、この中の19枚しか助けられませんでした。

これで脱出の準備はできました。
あとは、救うだけです。

プレイヤーは自分の手番に、乗客を移動して列を形成します。

これは好きなだけ行えるのですがルールがあって、
1)一等船客と二等船客は同じ列に並べない。

2)すでに表向きになっている乗客の上には、ちょうど1少ない数字から始まるセットしか動かせない。つまり、[9]の上には[8-7-6-5-4]などのセットが置けます。つまりデッキでは大→小の順。

3)開いているデッキに移動できるのは、一等船客だったら[13]から、二等船客なら[17]から始まるセットだけ。

4)救命艇[1]を水面に下すには、数字の1のカードを冊子の上のほうに置き、今度は1から始まるセットをどんどん乗客を移動させて作る必要がある。つまり、[1]の上には[2-3-4-5]のセットが動かせます。つまり脱出艇へは小→大の順。

5)救命艇に乗った乗客は、タイタニックの列に戻すことはできないし、ほかの救命艇の列にも動かせない。

6)待機列の上が裏向きの場合、それを表に向けます。

ひとしきり盆暮れのイベントの列整理ように華麗に乗客をさばいたら、こうなった。

そのあとで、以下のいずれかを行います。

1)アクションカードを使う

2)上甲板に出てきていない乗客を誘導する

アクションカードは通常ではできない乗客の移動を行うなど、ゲームの成否をかなり左右します。
たとえば、「裏向きの待機列のカードをの表面を見て、1枚だけ抜きだして列に先頭に置く(どうしても列をつなげたいときに、ピンポイントで探せるので時間経過リスクが下がる)」、「折り畳みの脱出艇を用意する(デッキの代わりになる)」、このアクションカードを使うかの決断で救える人数も変わります。
※ちょっと間違ってましたので訂正。

2つ目のアクション、上甲板に乗客を誘導する(山札を引くアクション)には、自分のキャラクターに記されている数値上限までの好きな枚数の乗客カードを、山札から表面を見ずに引いて、いっぺんにオープンにします。


<とりあえず上限枚数引いて……>


<オープン>

ここで待機列や救命艇に移動できるカードはその中にあったら、そのカードのなかから1枚だけを置いて、残りは捨て札にします(泣く泣く見捨てなければならないので、何枚引くべきか悩みどころ!)。


<今回はここに置けました>

誘導できる乗客がいなかった場合、せっかく引いた乗客カードは全部捨て札になり、しかも時間が進みます。
時間が進むとタイタニックは艦首から沈みはじめ、使えるデッキが減った場合、そのデッキにいた乗客はパニック状態となり、沈んだデッキとその隣のデッキのカードはシャッフルされたあげくに、裏向きの待機列にして一番左に並べます。
ただし、時間が進むとアクションカードを1枚引くことができます。

列の整理(カードの並び替え)自体は何回でもできるのですが、いずれ山札や行列に隠れたカードが出てこないと列形成・脱出できない事態もあり得るため、沈み始めるリスクと捨て札になってしまうリスクを計って山札を引くアクションを選ばなければなりません。
あと、脱出艇では重ねる順が逆になるため、どのタイミングでどれだけ脱出艇に下すかを誤ると、タイタニックに残った人を下せなくなるかもしれませんので、そうなると上甲板に誘導を多用しなければならず、またも時間経過リスクが上がります。
一応乗客の捨て札の山は、山札がなくなったらシャッフルして再び山札にできますが、その時に時間がたってしまいますので(つまりタイタニックのページが進む)この捨て札管理も重要です(ちなみに捨て札は確認できませんので、誰かがカウントする役になるといいと思います)。

このように、トランプのソリティアゲームっぽい流れでゲームは進行し、完全に沈むまでに、できるだけ多くの乗客を救うわけです。

感覚的にはみんなでトランプのソリティアゲームを、順番に解くような、状況をリレーしていく感覚かと思われます。
しかし、前のプレイヤーのプレイが終わった後には必ず何らかの状況変化が起こり、そのキャラクターの能力や各プレイヤーの記憶力(どこにどの数字があったかなどは重要)などが入ってきますので、それぞれの決断どころが出てきて、軽くて安めの協力型ゲームを探している場合にはお勧めの内容となっております。
もちろん、ソリティアゲームとして遊ぶものを探している人には、結構歯ごたえがある難易度となっておりますので、ぜひ挑戦してほしいところです。

あと、プレイの前に、タイタニックテーマの映画を見たり、本を読んでからプレイすると盛り上がると思われますので、ぜひお試しください。

SOSタイタニック
プレイ人数:1-5人
対象年齢:13歳以上
プレイ時間:約30分
製作:Ludonaute
デザイン:ルドヴィック・モーブラン&ブルーノ・カタラ
価格:3,000円+税