アライグマ、手に負えねぇな!!『ハビタット(HABITAT)』


つい先日皇居でアライグマが捕獲されましたが、しゃれになりませんね!
もともと日本に生息していない動物なので、天敵らしい天敵もなく、タヌキの生態的地位を奪ハビタット(HABITAT)いつつ各地で猛威を奮っております。
逆に日本近海のワカメがオーストラリアで海の雑草として繁茂していたり、葛が北アメリカで繁茂していたり(MAGIC:The Gatheringのカードにもなっていましたが、それが理由)、タヌキがヨーロッパで害獣化していたりと、もともといなかった種が別の生態系に放り込まれると、天敵がいなかったり競合種より強かったりといった理由で、一気に生態系のバランスを破壊しかねないわけです。

と、いうわけで今回はそのアライグマも登場する
ハビタット(HABITAT)のご紹介。

ゲーム自体の目的は北米大陸の自分の森に、1番(食物連鎖の最下層)から8番(食物連鎖の頂点)までの生物をそろえることで、捕食-被捕食の関係が途切れたりすると餓死してしまうので、その関係が切れないようにカードをうまくそろえるのが目的です。
(食物連鎖は1から8までつながっている必要はなく、1-2-3-6と1-4-5と1-6-7-8でそろえたりしてもかまいません)
オーソドックスなカード並べ系のゲームですので、ゲーム的には斬新な部分はなく、どちらかというと北米大陸の森林の生態系の教育目的の部分が大きいかと思います。

ちなみにゲームに登場する生物は以下のような感じ。

BADGERS/アナグマ
 イタチの仲間で広く分布し、日本にも生息するが、数は激減している。
 日本ではタヌキと見た目も行動も似ており、混同されることも多かったようだ。

BALD EAGLES/ハクトウワシ
 アメリカの象徴、。
 ゲームでも鳥類でランクが一番高い。

BATS/コウモリ

BEAVERS/ビーバー
 人間以外で、己のために環境を作り変える動物とも。
 ゲームでも場に出すときにえさになる生き物を山札から探して一緒に出せる。

BLACKBEARS/アメリカクロクマ
 日本のツキノワグマもクロクマの仲間です。

BLUE HERONS/オオアオサギ

BOBCATS/ボブキャット
 オオヤマネコの仲間

BULLFROGS/ウシガエル
 食用として世界中に広がった。特定外来種。

CHIPMUNKS/シマリス
 チップ&デールはこっちのほうのリス。

COUGARS/ピューマ
 アメリカライオン、クーガーとも。

COYOTES/コヨーテ
 ネイティブアメリカンの神話では重要な地位を占める生き物。

CRAYFISH/ザリガニ

CROWS/カラス

DEER/シカ

DUCKS/カモ
 カモ類全般

ELK/エルク
 アメリカアカシカ。ヨーロッパのエルクはヘラジカのこと。

FISHERS/フィッシャー
 北米のテンの仲間。

FOXES/キツネ

FROGS/カエル

GEESE/ガチョウ
 ガチョウ類全般。

GREAT HORNED OWLS/アメリカワシミミズク

GRIZZLY BEARS/ハイイログマ
 グリズリーとも。ヒグマはハイイログマの仲間です。

HAWKS/タカ
 鷹類全般。

LARGEMOUTH BASS/オオクチバス
 釣り人が琵琶湖などに放った結果固有種が食いまくられて大問題に。

LOONS/アビ
 アビ類全般。日本のアビは、瀬戸内の開発で激減。

LYNX/リンクス
 オオヤマネコの一種。

MICE/ハツカネズミ
 Ratsのほうは大きなネズミ。ドブネズミとか。

MINKS/ミンク
 川魚やマスクラットを捕食する。毛皮のために日本でも導入したものが野生化して問題になっている。

MOOSE/ムース
 アメリカではヘラジカのこと。
 草食動物では、ゲーム中最高位。

MUSKIES/マスキー
 北米ではメジャーな魚みたい。カマスの仲間か?
 マスキーロッドといえば釣りの人はわかる?
 水鳥も食べてしまうくらい大きいみたいだ。

MUSKRATS/マスクラット
 ジャコウネズミの役が当てられていたときもあったが、同じ名前の別な生き物がいるので今はマスクラットと訳される。
 川べりに生息し、魚などを捕食する。外敵からは水に逃げることで対処する。
 日本でも関東で野生化しており、特定外来種。

OPOSSUMS/オポッサム
 北米大陸に生息する有袋類。

OSPREY/ミサゴ
 魚類を狩る猛禽類。日本にも生息する。

PAN FISH/魚類
 PERCH/パーチ(スズキ科の魚)、SUN FISH/サンフィッシュ(パーチ、ブルーギル、オオクチバスなどなど全般)をまとめて。

PHEASANTS/キジ
 キジ類全般。

PORCUPINES/ヤマアラシ
 針の防御でゲームでも特定の動物にしか捕食されない。
 ゲームでも、生態系を作るときとってしまうと上の生き物をつなげるのが難しくなる。

RABITT/ウサギ
 ウサギ類全般。

RACOON/アライグマ
 日本でもペットとして輸入したものが野生化して大問題に。

RATS/ネズミ

RATTLE SNAKES/ガラガラヘビ

RIVER OTERS/カナダカワウソ

SKUNKS/スカンク
 強烈なにおいの臭腺が有名。ゲームでもごく一部の動物のみが捕食できる。

SMALLMOUTH BASS/コクチバス

SNAKES(NON-VENOMOUS)/ヘビ(無毒)

SONGBIRDS/小鳥

SQUIRRELS/リス
 シマリスと別なのは、こちらは地面にいる種類だから。
 リスやネズミの類は、ドングリなどを地下に貯蔵するのですが、食べ忘れたものは育って樹木になります。地上ではなかなか発芽しないので、森林を育ている影の功労者です。

TURTLES/陸ガメ

VULTURES/ハゲワシ
 ゲーム中ただ一種だけの完全腐肉食動物。

WEASELS/イタチ

WILD TURKEYS/シチメンチョウ

WOLVERINES/クズリ

WOLVES/オオカミ
 食物連鎖の頂点のひとつ。ゲーム的には7と8の地位を占めることが同時に出来る。

WOODPECKER/キツツキ

 名前がわかっても、日本にいなかったり、メジャーではない生き物が結構います。
 ネコ科の大型捕食獣(純粋肉食獣)だけで、ゲーム中にもボブキャット、リンクス、ピューマと3種類も登場します。
 大型草食獣も、ムース、エルク、シカと豊富です。
 一方、旧大陸では広く生息しているイノシシの類は北米にはいません(一部地域で野生化していますが、カナダ近辺には生息していません)。
 オポッサムは数少ないオーストラリア大陸以外に生息している有袋類です。
 他にもゲームには登場しませんが、北米の高緯度地帯は氷河期の長い間、氷床に覆われていたためミミズが生息していないなど、北米は結構独特な世界なのです。

凶暴なアライグマちなみにアライグマを見ると、確かに手に負えないんですよ!

食物連鎖の地位は4番目で、雑食性・腐肉食性、森林・水辺に生息。
ゲームの能力はココまでですが、ゲームとは関係ないこの食生の幅広さ!
卵、キノコ、植物、昆虫、小動物、種子、果実など結構何でも食べれます。
ゲーム的にも飛行していない自分の地位(4)より低い生き物はたいてい捕食できて、他の生き物が捕食できないガラガラヘビを捕食することが出来たり、カメを捕食したりできます。
ゲームに出てくる飛ばない動物で食べれないのはスカンクくらい。
こんなのが日本に入ってしまうと、その適応能力でタヌキなんか駆逐されてしまいますよ!

実際のゲームは、いろいろな生き物が捕食し、捕食されるという関係の中、バランスよく生態系を構成しているのだなぁ、ということをお勉強しましょうというゲームでした。
ルールも単純・お手軽なので、子供とプレイすることも出来るかと思います。
これで日本の生態系を背景にしていればもう少しなじみがあって面白いのでは、と思うのですがね!

ハビタット(HABITAT)
プレイ人数:2人~6人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:15分~30分
ゲームデザイン:E・ホッグ
製作:Valley Games
日本語ルール付き
価格:2,200円+税

アライグマが出てくるゲーム、そういえば他にもあったような・・・

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