どっちを向いても通路、どこまで行っても通路……『シディババ(Sidibaba)』


最近ちょっとびっくりしたのが、ユニバーサル映画が100周年記念映画の『バトルシップ』のモトネタが、なつかしのレーダー作戦ゲーム(BATTLESHIP)だったこと。
ボードゲームがモトネタの映画とか、Clueとかあったな、そういえば……逆パターンだと『ジュマンジ』とかもボードゲーム映画だな。
そういえばモノポリーの映画の話はどこにいったんだ?
レーダー作戦ゲーム事態は、お互い衝立で自軍の軍艦を配備を隠した状態で、グリッドを指定して「砲撃」を行い、敵の戦艦(Battle Ship)を沈没させるというもので、グリッドと命中の情報から、どこに戦艦がいるのかと当てる、限定情報からの推論のゲームです。
この頃のアメゲーはギミックが楽しいなー。

と、いうわけで、今回ご紹介いたしますのはそんな映画化したゲーム同様、衝立の向こうにある「情報」を集め、それを元に迷路を探索してお宝を掠め取る、リアルタイム迷路探索ゲーム、
シディババ
です。

内容は『千と一夜の物語』の一挿話、『アリババと40人の盗賊』がモチーフ。
冒険者プレイヤーたちは盗賊・シディババの財宝の隠し場所にもぐりこみ、財宝を見つけ、明かりがなくなってしまう前に生還すること。
いっぽう、シディババプレイヤーはプレイヤーたちを待ち構えることになります。

つまり、ゲームは多数の冒険者プレイヤーと、一人のシディババプレイヤーとに分かれた非対称ゲームなのです。
『ホワイトチャペル』なんかも立場が対立した多対一のゲームですな。
ただし、冒険者プレイヤーたちの順位は獲得できたお宝の金額(点数)で決まります。
このあたりはただの協力型ゲームではありません……



●↑↑↓↓←→←→……迷った
プレイヤーが挑むのは、盗賊シディババの財宝と宝物が隠されている、6×6マスの洞窟です。
プレイヤー視点のボードで表現されます。

ちなみに見えているのはパーティー位置を表すマーカーの前の方。
このマップが秀逸で、どのボードをプレイヤーに見せればいいのかすぐにわかるという代物。

こんな感じでシディババプレイヤーはマップ内でのパーティーの位置と方向を表示していて、マップにどの番号の図を見せるのかが書いてある。結構画期的。

6×6と狭いので、なつかしのウィザードリィやマイト&マジックに比べたら簡単なはずなんだけどゲーム中のマッピングやメモは禁止なのですべて記憶力に頼らねばなりません。

この洞窟をうろついて、配置されている宝箱5個と財宝1個を探し出すのです。
プレイヤーの目的は、財宝を見つけ出して、出口から出ること。宝箱だけ見つけても勝利できません。
なお、迷路の中には盗賊の親方、シディババも待ち構えていろいろ妨害をしてくるのです……


宝物はこんな感じでシディババ側が配置します。ここが腕の見せ所。


●さぁ出かけよう、宝石3個、ランプの油、鞄に詰め込んで
パーティーのリソースは価値1の宝石を各プレイヤー3個と、ランプの油12個です。
宝石は最後まで持っていられれば点数にできますが、途中で獲得したジンに支払ってお助けいただくのに使用できます。
ランプの油は、1枚につき『実際の時間』で3分の明りを提供します。つまり、パーティーに残された時間は36分だけ。
6×6のマップで36分ですから、全マス巡っても1マス1分以下で(重複無く)まわればいいわけです。

りろんでは。

出発前の装備を受け取ったら、プレイヤーたちは相談の上、隊列の順番を決めます。
こんな感じで並びます。

先頭のプレイヤーはランプを1枚差し出します。
逆に言うとランプが無ければ先頭は取れません。

進行方法は相談して決めます。
決まらなかったら多数決。
それでもダメなら先頭のプレイヤーが決めます。

宝物や財宝が見つかったらランダムに引いた宝物を獲得することになりますが、ジン以外はオープン。宝箱なら人数枚、財宝なら人数×2枚です。
これは先頭の人から獲得できるので、明らかに先頭の人は高額の宝を取れるので有利なのですが、リスクも背負います……宝箱や財宝から出てくるのはお宝だけとは限らないからです。

呪いが引かれてしまったら、先頭の人は最後尾についてしまいます。
オマケにパーティーは誰かの油を1枚破棄しなくてはなりません。
しかも、先頭だった人は宝物がもらえない(か1枚少ない)ことになるのです。

進める方向は、左右方向転換180度方向転換前進、前進して左右方向転換の6パターンで、見えている範囲がかなり重要。

特に自分のいるマスの左右は見えていないことに注意!

3分尽きたらインターバル。
シディババプレイヤーはパーティーを邪魔することのできるイベントトークンを1枚受け取ります(開始時にも1枚持っています)。

そして新たな先頭のプレイヤーと隊列を決めて探索を続けます……

●旦那ってばー!
さて、シディババが使えるイベント、冒険者が1マス進むたびにシディババ側が使用することができて、パーティーの邪魔ができるというもの。
例えば先頭のプレイヤー2人から宝物を奪うとか、突如別なマスに飛ばすとか、シディババ本人が迷路に入ってくる(そして同じマスに入ってしまったらごっそりお宝を奪われ、ランプの油も1枚奪われます)などしてきます。

一方プレイヤーも、途中宝箱から拾ったジンの能力が使えます。
ただし、3分間に1枚だけ。
しかもモノによってはお金が必要。
かわりに、通過した場所に印をつけたり、お宝の方向を(2歩分だけ)教えてもらったりできるというもの。

ジンは最後には点数になりませんが、使用したらかわりの宝物を引けますので、さっさと使ったほうがよい感じ。
ただし使用制限とかあるので要注意……

●宝もネェ、財宝もネェ
ルールはコレだけですが……
6×6の迷路だと高をくくっちゃダメ。
まず今いる場所が分からなくなるし、向いている方向が分からなくなるし、おんなじ所をぐーるぐる、おらこんな迷宮嫌だ状態になります。
翻訳者が何度かプレイして曰く、『自分の左右は見えないのがミソ』で、すぐそばにあっても財宝に気がつかないなんてことはママあること。

確かに頭数が多くてもダメなのは、新宿駅ダンジョンで迷うような人を集めて新宿駅に放り込んでも、全員そろって迷うものであることから明白なのです。
……上のたとえだとむしろ悪化しそうだな!

あと、自己主張しないで同調しがちな日本人では、先頭争いなどは起きないかもしれませんが、だからといって協力したので財宝を見つけて脱出できるというものでもありません。勝つためには上手く立ち回る必要もあるのです。

「はっはっは、たった6×6の迷宮で迷うなんて(笑)」
と言う人はぜひパーティー側でのプレイで実際に迷ってみることをおすすめします。

掌でうろつくパーティー側プレイヤーを弄ぶのがお好みの方にはぜひシディババ側をプレイすることをオススメ。
正直右往左往するパーティープレイヤーより、忙しいといえば忙しいけど、状況を俯瞰してニヤニヤでき、一番愉しいともいえます。
「お前達の相談しているその内容、知ってる俺から見るとすげー的外れ(笑)」とかほくそ笑むとかね!

シディババ(Sidibaba)
プレイ人数:3~7人
対象年齢:14歳以上(パーティー側ならもう少し低年齢でも)
プレイ時間:約35-45分
ゲームデザイン:ペレパウ・リストセィジャ
製作:Hurrican
価格:6,000円+税

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