ホビージャパン扱いゲーム・2015年ランキング発表!


あけましておめでとうございます。
さて……毎年恒例、ホビージャパン扱いゲーム・年間販売数ランキング発表です!

参考:2014年
   2013年
   2012年
   2011年

今年も上位50位までの発表です!(2015年1月1日から2015年12月31日までの出荷個数で集計)
データは、【順位】・発売元(HJは日本語版・多言語版があるもの)・タイトル・
前年からの順位変化・対ドブル販売個数割合 です
【 1 】 HJ ドブル(1→1) 100%
【 2 】 HJ パンデミック:新たなる試練(2→2) 40%
【 3 】 HJ ドミニオン(3→3) 37%
【 4 】 HJ ディクシット(5→4) 28%
【 5 】 HJ パンデミック:レガシー ★新★ 24%
【 6 】 HJ パッチワーク(外→6) 20%
【 7 】 HJ オニリム:最初の旅と七つの書 ★新★ 20%
【 8 】 HJ ドミニオン:冒険 ※拡張★新★ 19%
【 9 】 HJ 宝石の煌き(9→9) 17%
【10】 HJ キング・オブ・トーキョー(11→10) 17%

【11】 HJ レジスタンス:アヴァロン(7→11) 15%
【12】 HJ キャメルアップ(6→12) 15%
【13】 HJ ドミニオン:陰謀 ※拡張(12→13) 14%
【14】 HJ ミステリウム ★新★ 13%
【15】 HJ パンデミック:完全治療(ザ・キュア) ★新★ 12%
【16】 HJ アグリコラ(10→16) 11%
【17】 HJ スプラッシュ! ★新★ 11%
【18】 HJ パンデミック:科学の砦 ※拡張★新★ 11%
【19】 HJ バロニィ ★新★ 10%
【20】 HJ 世界の七不思議(外→20) 10%

【21】 HJ キング・オブ・トーキョー:パワーアップ ※拡張(16→21)
【22】 HJ ジャングルスピード(22→22)
【23】 HJ クトゥルフの呼び声フラックス(4→23)
【24】 HJ パンデミック:接触感染 ★新★
【25】 HJ 村の人生(外→25)
【26】 HJ レジスタンス(28→26)
【27】 HJ ドミニオン:デュアルセット ★新★
【28同】HJ ドミニオン:海辺 ※拡張(48→28)
【28同】HJ ル・アーブル+拡張セット(外→29)
【30】 HJ アグリコラ:牧場の動物たち(17→30)

【31】 Lui-MeMeスカル(40→31)
【32】 HJ パンデミック:迫りくる危機 ※拡張(8→32)
【33】 HJ ルーニークエスト ★新★
【34】 HJ ドミニオン:繁栄 ※拡張(37→34)
【35】 HJ ライナー・クニツィアのブルームーン(20→35)
【36】 HJ 世界の七不思議:デュエル ★新★
【37】 HJ シドマイヤーズ シビライゼーション・ボードゲーム(外→37)
【38】 HJ パンデミック:緊急事態宣言 ★新★
【39】 HJ カードライン:動物編 ★新★
【40】 HJ 世界の七不思議:バベル ※拡張★新★

【41】 HJ ディクシット:オデッセイ(47→41)
【42】 HJ ライナー・クニツィアのカリスト ★新★
【43】 HJ コルト・エクスプレス(外→43)
【44】 HJ カヴェルナ:洞窟の農夫たち(15→44)
【45】 HJ キャメルアップ:スーパーカップ ※拡張★新★ 
【46】 HJ ドミニオン:異郷 ※拡張(19→46)
【47】 HJ 村の人生:港町 ※拡張★新★
【48】 Pegasus Spiele フンギ(35→48)
【49】 HJ ケンブルカスケード ★新★
【50】 HJ テラ~私たちの地球 ★新★

※日本語版・多言語版・輸入和訳付は同タイトルは合算
※販売時期や初回受注量や再生産・入荷回数の影響は今回ももちろんあります(輸入ゲームは品切れ期間が長くなってしまいがちなので、その場合結構販売個数に影響します)。
※ランク外ですが、65位くらいまではダンゴ状態。

まず、あきらかに前年と異なるのが、外国語版に日本語ルールを添付した商品ではランキングに入らなくなりつつある点。
日本語版にならなかった新作は、一番勢いがあるものでも51位~65位くらいになってしまうのです。
因みに絶対数ではあまり変化がない……どころかエッセンの新作は前年に比べても初回出荷比率で若干増えているので、ゲームのコア層も増えているのですが、それにもまして新規・一般層が増えている印象です(購入層の構成比はピラミッド型ですので、底が深くなっていってる感じとイメージしていただけると良いでしょう)。

次に、圧倒的に定番が強い傾向。
特に『ドブル』『パンデミック』『ドミニオン』『ディクシット』は昨年よりも出荷数増えています。
これは購入する際に新規の層が先に上がっている評判を元に購入判断しているからではないかと思われますが、これも良し悪しで、あまりに定番率が高くなると、市場は多様性を失ってだんだん縮小していく事になりかねません(なので当社、輸入タイトルではもちろん、わりと日本語版にするタイトルでは冒険もしているのです――『ケンブルカスケード』とか『ブラッディ・イン』なんかは上位に入っているどのゲームともジャンルが違う感じでしょ?)。
そして、今後人の評判で判断するのではなく、「自分にとって面白いものを見分ける目」を持てるようになった「冒険者・パスファインダー」的な、初心者を脱却したユーザー層が増えれば(そしてそのような層が「このゲームはココを楽しむのだ」という情報を発信し始めれば)、日本の市場も今後かなり面白いことになると思います……これ、ゲームに限らないな。
同じような顔ぶれのゲームだけ良い評価があるのではなく、様々なゲームの良い点がレビューで上がっていると、今までの定番で引っかからなかった新規層が引っかかるかもしれず、そしてそれを機にゲームを始めた新規層が増えると結果市場規模は大きくなり、新しいゲームもその分出るので一般層・コア層もうれしい、というのが市場成長の理想かなー、と考えております。
多様性重要。

あと、指標として「1位のドブルってどんだけ売れてるのよ?」を20位まで付けてみました。
これはゲーマー層ですらない層がどれだけいるのか、というのがわかる数字で、ゲーマーズゲームしかしないコアユーザーには意外な数字になると思います。
バカみたいに売れている2位、3位、4位の販売点数を合計してようやくドブルに勝る感じ。
なお、4年前なら20位くらいの売れ方でもトップ5に食い込めたのですが、いまやこんな数字まで。ありがたや。
なお、今回のランキングの数字なども、「面白さの指標」ではなく「そのゲームを面白いと思って買ってる層がどのぐらい厚いか」の指標にしかなりませんのでご注意を。


と、いうわけで、去年の傾向から見えるのは、(1)新規層は増えているという点、(2)一般層からコア層はそれほど(新規の増加に比べると)増えていない点、(3)ゲーム自体の市場はかなり大きくなっている(『ドブル』を見よ)点、などが見て取れます。

「こんなものオレしか欲しがらねぇ!」というようなゲームでも日本語版が出せる世界になるまでもうちょっとな感じです。
社内でも「ミニチュアゲーム出したい」とか、「シミュレーションゲームだって出したい」とか「(俺が欲しいので)これ日本語版出しましょう!」とか、その他いろいろ純なものから不純なものまでさまざまな野望が渦巻いておりますが、皆様のおかげでそれももう少し――かな?
そのようなわけで、皆さま今年もよろしくお願いいたします。