そんなことよりデュエルしようぜ!『世界の七不思議:デュエル』


最近どうも2人用ゲームが人気のようで、いろいろラインナップも増えてきている状態なのですが……
本日紹介いたします
世界の七不思議:デュエル
も2人用ゲーム。


元ゲームとなった『世界の七不思議』との相違点をご紹介すると……

まず、コンポーネント。

各世代カードはユーロミニサイズで、全部ユニーク。

第1、第2世代は23枚中3枚を抜き、第3世代は20枚中3枚抜いて、同じく7枚中4枚を抜いたギルドカードと併せて各世代で使う。

七不思議はぜんぶで12枚

ボードは軍事的な優越の綱引きを表示する。

獲得すると特殊な効果を得られる進歩トークンは、科学技術で手に入れる。
10種類中5枚をランダムに配置。

セットアップはちょっと違う。

まず、初期のお金は7金。七不思議だから!

七不思議をランダムに4枚ずつ公開し、ドラフト。

先手1枚、後手2枚、先手1枚(残り)を選び……
今度は同様に残りの七不思議から4枚ランダムに引いて、後手1枚、先手2枚、後手1枚(残り)を取る。

そして、毎ラウンド世代カードを並べて、それを手番にピックするのですが……

これが変形ロチェスタードラフト
公開ドラフトとも言いますが、TCG界隈ではロチェという通り名の方が知られていると思う。

しかし、ここに一ひねり。
上海式、と言いますか、シジル式と言いますか(シンクロニシティ!)、表、裏と指定の配列で重ねて配置し、重なった下のカードは、上のカードがなくなるまで取れないし、表向きにならないのだ。

世代ごとに並び方は変わる……
第一世代は初期選択肢が多い。

カードを選んで1枚ピックしたら、「建築」するか、「売却」するか、「七不思議を建てる」かする。
そして交互にターンを繰り返して、それを3ラウンド行って(サドンデスが無ければ)勝利点で勝敗を決めるというもの。

建築のルールはほぼ同じ……
産出するコストがあれば建てれる。
連鎖のルールも同じ。ただし、アイコンで見やすくなった。

ただし、資源が足りない場合は『世界の七不思議』と違ってくる。

「隣りのプレイヤーから買う」のではなく、「不足してる資源1つ」につき「2+相手プレイヤーの持っているその資源のアイコン数」銀行へ払う。
つまり、資源を独占すればするほど、相手は搾り上げられる仕組みに。

「売却」もちょっと金額が違い、ピックしたカードを捨てると、「2+商業建物(黄)の枚数」銀行からもらう。

七不思議の建造は『世界の七不思議』と同じだけど、元のゲームと効果が微妙に異なり、「もう1手できる」効果はかなり強い。

あと、七不思議はその名の通り、7つしか存在しない……ので、ゲームで使っている8枚のうち、8枚目は建築できなくなるので要注意。
(と言うか、建てるまでは「七不思議候補」なのか?!)

軍事のカードはボード上のマーカーを進めるために使われ、プレイしたら建ての数だけ軍事的に優位になる。ラウンドの最後に集計ではない。

マーカーがあるところに初めて侵入したら、相手にお金を捨てさせることができ、ゲーム終了時に押し込んだ場所によっても得点となる。
押し切ったらサドンデスで勝てる。

もうひとつサドンデスがあって、7つある科学分野のシンボルを6つ集めたら、即勝利。
科学はそのほかに、同じアイコンを2つ獲得すると、5枚ある進歩トークンのうち1枚が貰える。

進歩トークンの能力は様々だけど、取れた時期によってはおおむね強力……

七不思議の建築コストが2下がる!!

ギルドは『世界の七不思議』同様、ゲーム終了時に大量に得点となる……かもしれない。
各カードのカテゴリーごとに、一番多く集めたプレイヤーの枚数分のお金がもらえたり、点数になったり、

ロチェスタードラフトの性格上、ピックの流れは予測しやすいものとなるのですが、重なった下のカードはとれないというルールと、裏向きのカードがある点でピックのルートを組み立てるのは難しいものとなっており、ある程度勝利のパターンの幅を持たなければダメな感じ。

ピックするカードによる小さなアドバンテージの積み重ねが拡大的に影響力を増していくのが非常に快感であり、そのためのカードのピックを巡る駆け引きや計算が非常に心地よく、プレイヤー同士で秘匿する情報は無いため(一方のプレイヤーにわからない情報は、もう一方のプレイヤーも知らない)普通のドラフトは苦手だった人にもプレイはしやすい感じ(勝てるとは言ってない)。
運と技術のバランスも素晴らしく、『世界の七不思議』を知っている人であれば相違点をチョイ読みするだけですぐプレイできると思います。
手軽でありながらヘビーローテーションに耐える戦略性が素晴らしく、コタツでプレイできる程度の大きさなのも魅力。これからの季節にかなり重宝するゲームとなっておりますので、『世界の七不思議』をプレイしたことがある人にはノータイムで、そうでない人にもプレイしやすい2人用ゲームとして強くお勧めいたします。

世界の七不思議:デュエル
プレイ人数:2人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:30分
製作:Repos Production
デザイン:アントワーヌ・ボゥザ、ブルーノ・カタラ
価格:4,500円+税