やり方は三つしかない ―― マフィアのゴッドファーザーか、宝石泥棒か、忠誠を誓うか。
というわけで今回紹介いたしますのは、プレイ開始時にはボスしか役職が決まっていない、という正体隠匿系のゲーム、
マフィア・デ・クーバ
です。
意味はまんま、キューバのマフィア。
ストーリー的にはアメリカの傀儡政権であるバティスタ大統領政権下の時代の、キューバ。
マフィアのボスがシガーケースにダイヤモンドを隠していたが、大統領のところに行っていた隙にダイヤが盗まれてしまった……いったい誰が?!
という状況から、ボスはダイヤを回収すれば勝ち、というゲーム。
いわゆる正体隠匿系。
変わっている点は、ゲームの開始時にはボス以外の役職はきまっていない、ということ。
コンポーネントはしっかりとしていて豪華。
残りのプレイヤーは順番に、ダイヤと役職のタイルが入ったシガーボックスを時計回りにわたしていきますが……
自分のところにきたら、こっそり役職のチップかダイヤを取ります(取るものが無いなら、強制的に「浮浪児」の役職に ―― 最後なら何も取らないことで浮浪児になることも可)。
残っていた役職と、ダイヤの数にご注意を!
取ったものはポケットにしまいます。
最初はこんな感じで箱に入っていますが……
※人数に応じた用具を全部ぶち込んでから、ボスを決めると楽。
ぐるっとボスまで1周したら、ゲーム開始。
回ってきたらこんなだった。
誰じゃぁ! ダイヤを盗んだのは!?
ボスは各プレイヤーに尋問を開始します。
「ダイヤは何個あった?」
「(役職トークンは)誰が残ってた?」
「何を取った?」
などなど聞くわけですが、当然嘘をついてもいいし、正直に話してもよし。
ただし、このあいだは他のプレイヤーは話しちゃダメ(話し始めると深夜の討論番組みたくとりとめが無くなっちゃうしなー)。
A「私はダイヤは取ってません」
B「ダイヤは10個しかありませんでした」
C「自分の時には人は減ってませんでした」
D「取ったのは“忠実な部下”です」
等々の証言を聞いて、つじつまが合わない ―― つまり「こいつが盗りやがったな!」
と思ったら、ポケットの中身を出すように告発できます。
ダイヤが出たら、そのプレイヤーは脱落。
ダイヤを盗んでなかったら、ボスは謝罪としてラム酒の瓶の形をしたジョーカートークンを渡します(プレイ人数によって0~2枚)。ゲームからは脱落しないので、尋問することは可能。
なお、トークンの数に限りがありますので、告発は慎重にしなければなりません。
役職は……
ボスは全てのダイヤを取り返せば、勝ち。
忠実な部下はボスが勝てば勝ち。
運転手は自分の右隣のプレイヤーが勝てば勝ち。
浮浪児は泥棒が勝てば勝ち。
泥棒は、捕まらなければ勝ちで、その中でも一番ダイヤがあれば、勝ち。
FBI・CIAはボスにより告発されれば勝ち(傀儡政権下でアメリカやりたい放題……マフィアの尻尾を掴めば勝ち、ということ)
などなどがあるため、シガーボックスから何かを取るときにも、誰が自分の味方になり敵になるのか、回ってきた箱の中身から考えて、何かを取らなければならず気が抜けません。
他にもエージェントを始末する掃除屋が含まれており、近日発売予定の拡張セットでは革命家や弁護士、ダイヤモンド収集家ダイヤモンド好きな愛人など一癖も二癖もあるキャラクターが用意されています。
正体隠匿系の常で、6人以上のプレイヤーが必要ではありますが、役職の非対称性が今までにないプレイ感覚であり、背景フレーバーにマッチしたシステム、雰囲気を盛り上げるコンポーネントと相まって、是から稼働率も高まる大人数で遊べるパーティゲームを探している人や、正体隠匿系ゲームが好きな人には強くお勧めします。
マフィア・デ・クーバ(Mafia de Cuba)
プレイ人数:6-12人
対象年齢:14歳以上
プレイ時間:10-20分
製作:Lui Meme
デザイン:ロイ・ラミ
価格:4,200円+税
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