わたしの武器は 銭ズラ!『キャプテンズ・オブ・インダストリー』


経済テーマのゲームと言うものは根強い人気があっていろいろ出ていますがどれも結構な重量級。
たとえば『国富論』とか、重量級ではありますがいまだに人気。

というか、経済ゲームはどれも重量級な感じだね……今回紹介いたしますのはそんな重量級の新作経済ゲーム、

キャプテンズ・オブ・インダストリー
です。
時代と経済を先どる産業のリーダーたる概念、「キャプテンズ・オブ・インダストリー」がタイトルのままテーマとなっております。


そう ―― 「経済ゲーム」と言っても、ちょっと珍しいのはこのゲームは「金」という資産を増やすのが目的なのではなく、市場で「シェア」を確保するのが目的な点。
お金も最終的には点数やタイブレークの基準になりますが、何より商品の売却実績がこのゲームでは評価軸となります。

各プレイヤーは製品コマ(打ち抜きカウンター)と価格表示用の木製コマとターンマーカーを受け取ります。
 

木製コマはおそらく共用ではなく、専用の$マーク……変なところに力が入ってる(笑)

ゲームは3時代にわたって行われ、1時代は大体6ラウンド位となります。つまり、早く終わる場合もあるけど遅くなる場合もあると言うこと。
これは需要拡大の速度で変わってくるのですが説明は追々。

ゲームでは、プレイヤーは順番にターンを得て、自分のターンには1アクションを実行します。これで1ラウンド。

ターン中にできることは……

施設の建設/拡大:施設は商品をつくることができるもの。購入や拡大にはコストが必要で、こちらは現金ではなく特定の製品となっています。必要な製品は市場から購入しますが、誰の誌製品であっても値付け上の最安値のプレイヤーから購入し無くてはなりません。
これは、他のプレイヤーの製品を購入するとそのプレイヤーの現金収入になるだけではなく、シェアとなります。一方自分の製品を購入するとお金の支払いはありませんが、シェアの獲得もありませんので要注意です。

各市場と対応する生産施設(産業)カード。

施設の稼働:施設を稼働させると製品を生み出します。規模が大きければ大きいほどたくさんの製品を製造できますが、市場の需要をよく考えて価格設定しないと、価格によっては購入されることは無く、シェアを獲得できません。

市場調査:市場調査をすることで「進歩」を得ることができます。進歩は《特許》とか《合理化》とか《ロボット工学》などの技術・文化的な進歩ですな。これを獲得するにはコストが必要ですが、獲得すると強力な能力を発揮します。

市場操作:産業界でリーダーシップを取る人物 ―― 大立者のカードを引き、自分の製品の販売価格を変更でします。この大立者はゲーム終了時に条件を満たしているとボーナスのシェアを生み出すものです。また価格の操作は製品のシェアを得るためには当然重要となります。

不動産購入:不動産は2つの機能があり、1つ目はラウンド終了時に現金収入になる点。もう一つは購入された不動産が全市場での需要を形成するという点。不動産が購入開発されて初めて消費財、耐久消費財、エネルギーの需要が形成されていくわけです。

そして、ラウンドの終了時には進行カードを現在の進行度合い(不動産が購入されたら毎ラウンド1まで増加する)だけ進行カードを引きます。
進行カードは6枚が都市、4枚が郊外で、6枚の都市がすべて引かれてしまったら「時代」が終わります。ゲームの区切りが読みにくくなっているわけです。

「時代」が終わったら、そこで清算となります。
不動産市場により生み出された需要を数え、対応する製品をその数だけ、価格の安い順に消費させていきます。これで製品によるシェアと現金が獲得されます。また、消費財部門では一番製品を市場に供給していた場合ボーナスがありますので、需要を大量に生み出し、製品を大量に作り出し、価格を最安値に設定することがシェアの獲得には重要と言えます。
ただし。需要が十分にあっても安い値付けの製品が潤沢に無い場合、値段を高く設定したプレイヤーの製品にも販売機会を与えることになりますので注意しなければなりません。
例えば……

消費財市場に製品が3つ……紫は7金で1個、青は5金で1個。
この時不動産が生み出す需要が2なら、青は1シェアと5金、紫は1シェアと7金を獲得します。
もし需要が3なら、青は1シェアと5金、紫は2シェアと14金を獲得します。

なお、この販売できた製品=シェアは組み立て式の貯金箱のような箱に隠しておきますので、ゲームの終了まで各プレイヤーが実際どのくらいの点数を取ったのかはわかりませんし、盤面からはわかりにくくなっています。

この「時代」を3回実行したらゲーム終了。

なお、大立者はゲームの生産時にボーナス点となるかもしれないのですが、ラウンド終了時に1枚捨て札にしなければならないので、ゲーム終了時のボーナスが欲しい場合は複数枚獲得しておかなければなりません。
また現金も最後のゲームの清算に所有金額順にボーナスシェアとなるので、ほかの人より多く持っていることを心掛けたほうがよいでしょう。

以上 ―― アクションを実行することで産業構造や市場を成長させていき、成長した市場に見合った数の製品を安く提供する ―― のがゲームの構造です。

勝利条件が何にでも変換可能な「金」と言う資産ではなく、原則「製品の売却数」なのがキモ。金は手段であって目的ではないわけです。
この製品1つによる1シェアをいかに効率的に得るか、不動産市場を育てて設備に投資する額はいくらが妥当なのか、大立者をどう獲得するか、ジリジリ競うゲームとなっており、しかも、ゲームが進むにつれ市場はどんどん拡大し、産業構造はどんどん変わっていきますのでそれに対応していかなければなりません。
一見ややこしいゲーム構造でとっつきにくいかもしれませんが、「いかに製品を売るか」に注目して実際プレイするとすんなりルールが理解できてプレイできるかと思われます。

経済ゲームが好きな方にはもちろん、変化するリソース効率管理が好きな人、現状に対処する経済ゲームではなく市場や産業構造も含めて作り上げていくゲームを探していた人、一橋大学関係者の方に強くお勧めいたします。

キャプテンズ・オブ・インダストリー(Captains of Industry)
プレイ人数:3-5人
対象年齢:13歳以上
プレイ時間:90-150分
製作:TMG
デザイン:マイケル・R・ケラー
価格:9,500円+税

ゲームとしては写真映えしないね。