ここでは『幻奏戦記ルリルラ』の物語の舞台となる異世界『アーカイア』を構成する主な事項を紹介する。これを読み解けば、貴方の『アーカイア』の理解が深まるばかりではなく、興味深く本編コミックを楽しんでいただけることだろう。
『幻奏世界アーカイア』。そこは女性のみが住まう平和な世界。だが、巨大な敵・奇声蟲が次元の狭間より現れたとき、穢れなき歌姫たちが紡ぐ歌の軌跡は、異世界より救国の英雄たちを呼び寄せた。機奏英雄は歌姫とともに伝説の守護巨人・絶対奏甲を覚醒させ奇声蟲に対抗、撃退に成功する。だが、この勝利はさらなる悲劇の幕開けでもあった。召喚された機奏英雄たちがもとの世界へ戻る方法はなく、さらに、アーカイアの大気中に存在する幻糸が異世界人である機奏英雄を奇声蟲へと変異させてしまうというのだ。その事実は機奏英雄と歌姫の双方に大きな混乱をもたらし、やがてさまざまな主張をもつ勢力が対立、アーカイア全土を巻き込む大戦乱へと発展した。いわゆる『英雄戦争』である。 状態が混迷を極める中、蟲化が進行した多くの機奏英雄を救うため、歌姫の最高位・黄金の歌姫は自らの命を代償に秘儀『ノクターン』を試みる。それにより、大気中の幻糸濃度は大幅に低下。その結果、機奏英雄の多くは蟲化を免れたが、同時の多くの歌姫が奇跡の力を失い、多くの絶対奏甲が活動不能となったのである。
『幻奏戦記ルリルラ』の舞台となる異世界。幻糸織り成す魔法である"歌"が満ちあふれ、その歌を操る奇跡の担い手・歌姫たちが住まう世界である。 アーカイアには元来、女性しか存在しなかったと言われる。だが、人間を襲う怪物・奇声蟲が現れたとき、伝説の奇声蟲殲滅兵器・絶対奏甲を動かすことのできる人物・機奏英雄を求めて大規模な召喚儀式が行われ、別の世界から多くの男たちが召喚されたのだ。
アーカイアの大気中に存在する不可視の"糸"。アーカイアでは「万物を支配しているのは宇宙に偏在する何らかのパワーであり、それは幻糸の流体によって伝達される」と考えられている。この幻糸は絶対奏甲を動かすエネルギーであり、また、歌姫は幻糸の力で様々な奇跡を現出する。
アーカイアの大気中に点在する『幻糸』を『幻糸炉(アークドライブ)』により物理的なパワーに変換して駆動する巨大兵器。全高はタイプによって異なるが、およそ10m前後。実際に絶対奏甲を動かすには、操縦者となる機奏英雄と、歌によってアークドライブを活性化させる歌姫が必要となる。15年前の英雄戦争時、多数の絶対奏甲が生産・運用されたが、ノクターンにより大気中の幻糸が減少した結果、ほとんどの奏甲が起動不能に陥った。現在の奏甲は出力を抑えることで低幻糸濃度下でも運用できるように改良を加えられている。
大気中の幻糸を紡いで、特殊な詠唱を行う能力を持ったアーカイアの女性。歌姫は機奏英雄をバックアップし、絶対奏甲の力を最大限に引き出す役割を果たす。具体的には、絶対奏甲起動時、歌によって奏甲と機奏英雄の同調率を上昇させ、アークドライブを活性化させてエネルギー交換効率を高める役割を担う。さらに、高位の歌姫は歌うことでさまざまな奇跡の業を使うことができると言われる。首につけたチョーカーは歌姫の証であり、歌術発動のキーとなる。なお、幻糸濃度の低下した現在では歌姫の多くがその能力を使用できなくなっている。
絶対奏甲を操縦することのできる、別の世界から召喚された人間。その大多数は男性である。また召喚された人間と、アーカイアの女性の間に生まれた子供が、機奏英雄としての素質を持つケースもあるらしい。機奏英雄には必ず"運命の相手"ともいうべき歌姫がひとり、アーカイアに存在している。強い宿縁で結ばれた英雄と歌姫のペアは離れていてもお互いの思念を感じることができると言われる。されに危機に直面したとき、自己の能力を超えた力を発揮する者もいるという。
アーカイアに開いた次元の狭間より、突如出現する巨大なクモ型生物。その大きさや形状には個体差があり、平均的なもので2〜3m、大きなものでは10mを超える。<貴族>と呼ばれる上位の奇声蟲と、それに従う下位の奇声蟲<衛兵>が存在し、人間を襲う。別次元からテレポートして現れるが、その際予兆として幻糸が乱れるため、歌姫は出現を察知することができる。この恐るべき奇声蟲の正体は「アーカイアに召喚され、幻糸の影響で蟲化した機奏英雄のなれの果て」と言われている。
歌姫の頂点に君臨する黄金の歌姫のみが執り行うことができる究極の秘儀。アーカイア世界に存在する幻糸をすべて消滅させる禁呪である。ノクターンが成功した場合、幻糸を必要とする絶対奏甲は起動できず、歌姫もまたその能力を行使できないと言われている。ちなみに、15年前に行われたノクターンでは、理由は不明ながら、幻糸の完全消滅には至らなかった。