アーカイア最大の国家、トロンメルの首都。世界最大の都市で、人口、市街地の広さ、施設の充実などにおいて類を見ない大都会である。対岸のポザネオ市に負けず劣らず、石造りの市街整備、上下水道の整備、都市計画に沿った街路の敷設など、時々の先端技術が投入されている。
これには、ゼロッテ女王の頂点とする国が示す政策の正当さ、ポザネオ市や最高評議会と関係が密であることなどが手伝い、整備や再開発などが適切に実施、継続され、常にエタファという都市を維持していることが大きい。
市街地の水、植物の少なさ、やや高い物価、人々の階層や地区ごとの治安といったものの格差など、大都市であるがゆえの問題はあるものの、生活は便利で、仕事の口も多く、若年層をひきつける要素にこと欠くことはない。
港湾施設は、造船設備も完備された大規模なもので、関わる人も多い。そう頻繁に大型船が建造されるわけではないが、トロンメル所属の船舶全般について、国内の他の港ではできない大規模点検や整備を一手に引き受けるため、ドックが空いている時間は少ない。また商売として、ヴァッサァマイン以外の船舶であれば修繕も引き受ける。造船技術の確実さは折り紙つきであるので、年に一度といった点検・修繕を、わざわざ東側から航海してきてエタファで行う船もある位である。
女王が座す政(まつりごと)の中心でもある。これは一般庶民の生活に関することにとどまらず、トロンメルという国全体、そして軍事の中枢であることも意味する。
中心部には官庁街があるし、郊外にはトロンメル軍の本部施設があり、港も軍用の船舶が停泊する位置が常に確保されている。長い間、実効した事はないが、造船施設の利用も有事の際の優先権は国、及び軍の船舶にある。また、一般には公開されていない施設などもある。
このような政治と軍事の色は、商取引と庶民生活が中心となっているトラバンデンシュタットと好対照をなしている。
位置的には、西対岸にポザネオ、そして他の方角からはそれぞれ主要街道が結びつく、アーカイアの交通の大集結点である。
アーカイアを南北に旅をするのには、ヴェステェンデ−ファルベ−ゼンタルフェルドシュタットを経由しても可能ではあるが、急ぎでない限り、ほとんどの旅人はエタファを経由する。これはエタファが麗しの都と称される魅力的な都市であることに留まらず、人、モノ、情報の集積地点であることも、旅を続ける上で重要だからである。もちろん、立ち寄るだけのつもりで居ついてしまう人も、この街の人口増加に一役買っているのは言うまでもない。
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