ノイエン:はーい、ノイエンです。今回の「アーカイアの車窓から」は、久しぶりにアーカイア西側へ戻って、ノイン・パス北側にあるヴェストリッヒ・トーアからお送りします。ゲストはリノンさんです。こんにちは。
リノン:こんにちは、ノイエン。こんにちは、みなさん。リノンです。
ノイエン:ヴェストリッヒ・トーアはノインパスを越えるとき、そして南から越えてきたとき、お世話になる街です。北へはクリスタルバルトのわきにあるシュペーアに、さらに北へ続く道が続いていて、ドラッヘン・トーアへ至ります。
リノン:ゲッター・トーア、リート・グロッテなど、知られた場所はありますけれども、お住みの方が、それほど多くはいらっしゃらないため、ほとんどがドラッヘン・トーアへ観光に行くか、そうでなければファゴッツの商人の人の行き来がほとんどです。
ノイエン:その行き来にも便利な場所で、ここは北と西に向かう道の三叉路に位置します。ノイン・パスのための街というところでは、シュヴェレと対となる町と言えるかも。
リノン:その性格が強いとおもいます。やはり旅人の町という印象をうけます。
アーカイアそのものが、中央部の連山で南北に区別されます。その西側がノイン・パスで、東側はリーズ・パスになり、西側は山の向こうがファゴッツとなるわけです。
ノイエン:だけどリーズ・パスには、峠越えのためのヴェストリッヒ・トーアやシュヴェレに相当する街はないよね。
リノン:それはいかにノイン・パスが険しい峠か、ということの証明なのでしょう。
ノイエン:トロンメル北部地方と、山で隔てられた南部とでは、気候も結構違うよね。
リノン:はい、ちがいます。ヴァッサァマインの高地ほど寒くはありませんが、冬には雪がちらつくこともあります。なにより作物の収穫量が、南部地方はけた違いに多いです。
ノイエン:やっぱり都のエタファ周辺や、南部の方が人気があるんだね。
リノン:せっかく街をご紹介しているのに、そのようなことを言ってしまってよいのですか?
ノイエン:うーん、そうかな。だけど機奏英雄の召喚もあって人は増えてるし、平和になればもっと増えて、トロンメル北部も人が来るよ、きっと。涼しくて過ごしやすいみたいだし。
リノン:・・・ノイエンは、意外な視点をお持ちなんですね。驚きました。
ノイエン:えぇ、そうかな?
リノン:そうですよ。アーカイア全国を回ったりしていると、そうなるのでしょうか。クアリッタさんとも、そう言うお話をされるんですか?
ノイエン:そ、そ、そんなことはないよ。クアリッタはいっつも、私の服装では、品がないとか、機奏英雄の目の毒だとか、わかんないこと言ってるし。
リノン:欠点のなさそうなクアリッタさんに言われると、反論が難しいですね。
ノイエン:クアリッタの欠点はね、船に弱いことだよ。船酔いするの。
リノン:それを欠点と言っては、おかわいそうです。体のことではないですか。
ノイエン:うん・・・、そうね。だけどもっと揺れる、絶対奏甲は平気なのに不思議。
リノン:体質とは、そういうものです。そういえば、街の紹介から随分はなれてしまいました。
ノイエン:あ、う、そうね。だけど時間ももう終わりだから・・・。
ということで、今回はリノンさんをゲストに、トロンメル北部の玄関、ヴェストリッヒ・トーアからお送りしました。ありがとうございます、リノンさん。
リノン:いえ。こちらこそありがとうございます。
ノイエン:それでは、また次回。


§ ヴェストリッヒ・トーア(トロンメル)

地図
ノイン・パスの北側のふもと、トロンメル北部地方の北と西へ伸びる街道の分岐点に位置する宿場町。
峠の南にあるシュヴェレも同様であるが、ノイン・パスが険しい峠であるため、宿泊と峠越えの準備のための街として、旅人にとって欠かせない街である。
一定の物流については、トロンメル北部地方の玄関口としての意味も持つが、それは北部に大型船舶が入港できる施設を持った港がないことが大きな原因である。だが、それをトロンメルという国家が設けないでいることは、また北部地方がそれほどの人口を持たず、必要性が薄いことの裏返しでもある。

元来の来訪者で一番多いのはファゴッツの商人で、一般の旅行者と代わらなかったため、取り立てて特徴のある街とは言えなかった。だが、機奏英雄が召喚され、絶対奏甲も増えたため郊外に、道幅の広い、絶対奏甲も扱える宿街が増えつつある。
機奏英雄は、通常は歌姫を安全なところにいさせて、歌術の支援をさせる。だが、峠を越えるのに当たっては、危険とはいえ置いていくわけにも行かないため、一時的に絶対奏甲に歌姫が乗れるようにしたり、峠を越える前に整備をしっかり行ったりなど、整備場が忙しい街でもある。