今回ご紹介するのは『世界の七不思議』で有名なアントワン・ボゥザの新作
タケノコ
の完全日本語版となります。
可愛いパンダコマと、味のある庭師コマは塗装済み。
なんと竹コマにも竹の葉模様の塗装が!
細部まで凝ったコンポーネントになっています。
しかも説明書の冒頭もマンガで設定説明が。
なぜパンダ……?そしてパンダなのにタケノコ……?
そしてタケノコと言うタイトルなのにゲーム中で育成するのは竹……?
と疑問が多すぎて尽きないゲームですが、
見た目のキュートさと不可解さに反して、考える要素と運の要素がいいバランスで同居したしっかりしたゲームです。
パンダと同じように、見た目の可愛さに騙されるな!と言ったところですね。
先月のゲームマーケットのデモプレイでも多くの方に楽しんでいただき、大反響でした。
ゲームの目的は中国から贈られた珍獣パンダを宥め賺し……
もとい大切に世話をして帝に誉めてもらうこと。
「指定された竹(≠笹)をパンダに食べさせろ!」
「竹林を理想的な形に広げろ!」
「よい竹をよい形で生やせ!」
といった条件の書かれたカードのミッションを達成すると、カードに書かれているポイントを獲得できます。
何れかのプレイヤーのカード達成枚数が一定以上になると最終ラウンドに突入。
最終ラウンドに突入させた人にはちょっとしたボーナスが入り最終的に1番ポイントを持っていた人が、よりパンダを大切にした庭師として勝利になります。
ミッションの書かれたカードは「パンダに食べさせる」、「竹林を広げる」、「竹を生やす」の3分野に別れており、新たに引く際には好きな分野を選んで1枚引くことができます。
ですので重点的に「竹を生やす」分野を取って庭師で竹を育成したり、「パンダに食べさせる」のを主軸にしたりと戦法を決め打ちすることも可能です。
プレイヤーは自分の手番ごとにアクションを二種類実行して、パンダ様を追いやって別な場所に動いていただいて、指定されている竹を食べさせたり、タイルを置いて竹林を広げたり、水路を引いたり、庭師を使って竹を生やしたり、カードを手に入れたりすることでカードのミッションを達成して行きます。
竹には緑、黄色、桃色とランクがあったりしますので、まずはミッションの達成で指定されている竹は何かをしっかり確認しましょう。竹はタイルと同じ色の竹が生えます。……黄色とか桃色の竹とか大丈夫かと心配になったりしますが、そのあたりは気にしない。
そして竹林は水が引かれていないと竹が生えませんので、理想的な竹林を広げるためにタイルを置いてー、水を引いてー、など地道に竹林を育てます。そしてよい竹をよい形に生やすために、庭師を派遣して近場の同じ色の竹を育成したりして、さて次の手番辺りでポイントを獲得かな、と思うと……
他人の動かしたパンダに育てた竹を喰われたりします。
このゲームでは、場の竹林やパンダ、庭師は全てのプレイヤーで共有しますので、自分が狙った行為が他人の何気ない行動でオジャンに成ることがよく有るのです。
さらにパンダに竹を食べさせると言うカード以外は他のプレイヤーが実行した結果が指示に沿っていれば、それで得点にできてしまうのです。
「やっと生えてきた黄色の竹が喰われた……」
「そこにタイル置かれると竹林が指定された形にならない!」
プレイヤーは心の中でそんな悲鳴を上げつつ、ゲームは進んでいきます。
指定された通りに竹を育てようと思っても、他人がパンダにモッサモッサ竹を食べさせるとなかなか達成できなかったりしますし、それならばと理想的な竹林を作ろうとすると他人のカードの達成を助けてしまう結果にもなったりします。
逆に他人の妨害に徹しすぎても自分のミッションの達成に手が回らなくなったり、他のプレイヤーが満遍なくミッションカードを取り出して妨害しきれなくなっていったりもします。
しかも、各プレイヤーの手番ごとに天候ダイスを振ってその手番の天気を決め、それによってアクションにボーナスを得られたりするのですからもー大変。
例
プレイヤーA(相手が竹いっぱい生やしてるな……パンダに食べさせてミッション達成遅らせてやるぜ!)
プレイヤーB「んじゃあ天候決定。あ、雨振ったから竹ここに1個生やすね、んで庭師で更に竹生やして条件クリアー」
プレイヤーA(orz)
堅実に自分のカードを自力で達成して行くも良し、相手がどんなカードの達成を狙っているかを読んで妨害しても良し、相手と同じような分野のカードを狙って相乗りでポイントを稼いでも良し。
遊べば遊んだだけ戦法が見つかるゲームですので、色々と試してみるために繰り返しのプレイをお勧めします。
ゲーム中で使われる記号さえ理解できれば難しい処理もないので、お子さんでも遊んでいただけます(対象年齢9歳以上)。
実際にゲームマーケットでも小学生の男の子が体験プレイに参加していましたが、その子が勝ってたりしました。
見た目はカワイー、実はコワイーというパンダの特徴を活かしたこのゲーム、参加人数2~4人、プレイ時間45分程度と1ゲーム辺りはお手軽ですので年末年始にかけてご家族やお友達と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか?
よくよく見ると可愛いパンダの目にも、言い知れぬ敵意的なものが……?
タケノコ【日本語版】
デザイン:アントワン・ボゥザ
プレイ人数:2-4人
対象年齢:8歳以上
プレイ時間:45分
販売:ホビージャパン
価格:5,000円+税