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第2章:キャラクター・クラス

 クラスの選択はキャラクター作成における最も重要な選択だ。ここでの判断しだいで、“君に何ができるのか”がほとんど決まるのだから。鎧や武器の習熟、パワーの選択肢など、君のクラスはキャラクターの能力の大半を決定する要素であり、ゲーム中の君の体験に途方もなく大きな影響を与える。
 この章では、D&Dというゲームに6つの新たなクラスが登場する。3種類のパワー源のいずれかを用いるこれらのクラスには、4種類の役割すべてが揃っている。シーカーは『プレイヤーズ・ハンドブックII』で登場した原始系クラスの名簿を拡張する。ルーンプリーストは『プレイヤーズ・ハンドブック』のクレリックとはまったく異なった[信仰]の指揮役である。そして、4種類の役割それぞれに対応した、サイオニックのパワー源を用いるクラスが1つずつ:アーデント、サイオン、バトルマインド、モンク。
 本章にはこれら6つのクラスの説明と、それぞれのクラスに対応した4つずつの伝説の道がある。クラス紹介の後には、ハイブリッド・キャラクターのルールが載っている。これは2つのクラスを組み合せた、ユニークな取り合せのパワーや能力を持つキャラクターを冒険者パーティに加えるものである。

  • アーデント:仲間たちおよび敵たちの感情を操るサイオニックの指揮役。
  • サイオン:精神の力によって物体や敵を動かしたり、敵の心を意のままに操ったりする、サイオニックの制御役。
  • シーカー:大自然の精霊たちに呼びかけて矢弾に原始の力を込める制御役。
  • バトルマインド:精神の力を極めることによって肉体を制御するサイオニックの防衛役。
  • モンク:集中的な近接攻撃(素手で行なうことも多い)と、とてつもない移動能力や敏捷性を併せ持つ、サイオニックの撃破役。
  • ルーンプリースト:神秘的な神々のルーンを用いて護りと破壊の祈祷をもたらす信仰の指揮役。
  • ハイブリッド・キャラクター:マルチクラスよりも柔軟に2つのクラスの特徴やパワーを組み合わせるための新ルール。
  • 神話の運命:新たな神話級の選択肢として、インヴィンシブル・マインド、ウォー・マスター、ゴッドマインド、ダイアモンド・ソウル、マスター・オヴ・ジ・エターナル・ハント、ルーン・メイカーが登場する。


  • アーデント

    この世界の運命は君の燃え上がる情熱にかかっている


     粗雑な情動に身を委ねても、狂気と破壊しか生まれない。恐怖、強欲、色欲、憎悪といった感情を長く持ち続けた者の心は、たやすく他者に操られてしまう。アーデント(「熱烈な心を持つ者」ほどの意)である君は、サイオニックの力を用いて敵にそのような情動をかき立て、守りに隙を生じさせたり攻撃の手を鈍らせたりする一方で、仲間たちには思念によって勇気を与え、絶望などの負の感情から護る。
     正式な訓練によってアーデントの技を身につける者はほとんどいない。彼らはさまざまな事情によってなりゆきで指導者の地位につき、若い頃に偶然サイオニックの力に目覚めることが多い。君がどのようにして己のサイオニックの才能を見いだしたのかは、君がこの力を振るうあり方に影響を与えうる。君の才能が覚醒したのは、戦場の熱気の中でかもしれない。君は突然の精神的飛躍を体験し、自分の攻撃によって敵の精神を引き裂くことができるようになったのだ。あるいは、最初に君の力に気づいたのは君自身でなく君の仲間の1人だったのかもしれない。ふと気が付くと、君の気分が仲間たちに流れ込み、彼らの精神的状態を君と同じに染め上げていたのだ。君の力がどのようにして顕かになったのであろうと、君はその力の使い方を会得し、自分の戦闘能力を高めつつ、仲間たちを勝利に向かって導く。


    アーデントのクラス特徴

     アーデントは以下のクラス特徴を有している。


    アーデントの心衣

     粗雑な情動から生まれた退廃や狂気から身を守るには、心のありようが重要だ。アーデントは特定の思考形態を“まとう”ことによって、恐怖、絶望、憎悪などが生み出す危険を跳ね除ける。“心衣”と呼ばれるさまざまな心のありようによって、精神を護ることができるのだ。最も多くの者が用いるのは“気迫の心衣”および“明晰の心衣”である。
     以下の選択肢のいずれかを選ぶこと。この選択によって、君が獲得するパワーと、君および味方全員が得る利益が決まる。
     気迫の心衣:君および君から5マス以内の味方全員は、機会攻撃のダメージ・ロールに、君の【耐久力】修正値に等しいボーナスを得る。
     さらに、君から5マス以内の味方全員は〈威圧〉判定および〈交渉〉判定に+2ボーナスを得る。
     また、君はアーデント・アウトレイジのパワーを得る。
     明晰の心衣:君および君から5マス以内の味方全員は、機会攻撃に対する全防御値に君の【判断力】修正値に等しいボーナスを得る。
     さらに、君から5マス以内の味方全員は〈看破〉判定および〈知覚〉判定に+2ボーナスを得る。
     また、君はアーデント・アラクリティのパワーを得る。


    アーデントの作成

     アーデントに最も重要な能力値は【魅力】だ。味方の攻撃力を向上させるパワーでは【耐久力】が重要であり、敵の攻撃を妨げるためには【判断力】が必要となる。君は自由にアーデントのパワーを選ぶことができるが、多くのアーデントは以下の作成オプションのいずれかを選んでいる。


    啓発されしアーデント

     君は敵の弱点を看破し、それを仲間たちに教える。また、君の鋭い洞察力は仲間たちを危害から守るための助けになる。【魅力】を最も高くすること。敵を混乱させるようなパワーを活用するために、【判断力】もそれなりに高くしておくべきだ。【耐久力】が高ければヒット・ポイントと頑健防御値が上昇するだけでなく、高揚のアーデント向きのパワーも使いやすくなる。君の2次的な役割は防衛役であり、君の統率力は仲間たちを危険から守る助けとなる。


    アーデントの概説

     特性:君は強力な近接攻撃と強力な精神的攻撃を併せ持ち、最前線でパーティを指揮する。君の攻撃は敵の防御を崩し、敵は君の仲間からの攻撃に対して打たれ弱くなる。さらに、君は仲間たちが大胆不敵な離れ業や機動を行なうよう奮起させたり、仲間たちを有利な場所に移動させたり、戦場を飛躍して遠くの敵に肉薄したり、致命的な悪影響を取り除いたりすることができる。
     宗教:アーデントは荒々しく予測しがたい神々に心惹かれる傾向にあり、戦や大自然を象徴する神を好む。最も人気があるのはコードおよびメローラであり、独立心旺盛な者はアヴァンドラを崇拝している。悪のアーデントはベインやグルームシュに自分と相通ずるものを見いだすことが多い。
     種族:アーデントとして最も一般的なのはヒューマン、ハーフエルフ、カラシュターだが、ドラゴンボーン、ハーフリング、ノーム、ティーフリングもこのクラスで活躍できる。内なる力を一点に集中させるためには、生まれつきの【魅力】の高さが重要なのだ。

    高揚のアーデント

     打ち寄せては砕ける波のごとく、君の情動は意志の力によってかろうじて押さえつけられている。君が攻撃を行なう時、その情動は怒涛のように君から流れ出し、仲間たちの自信を高め、敵の士気を押し流す。君が最も高くすべきは【魅力】であり、その次は仲間たちの魂を鼓舞し敵の能力を低下させるような効果を向上させるための【耐久力】である。パワーに多様性が欲しいなら、【判断力】を高くするのも悪くないが、イニシアチブ判定および反応防御値のために【敏捷力】にも気を配るべきだ。君の2次的な役割は撃破役であり、君のパワーは仲間たちの攻撃を強化することができる。


    アーデントのパワー

     君がアーデントの技法を使用すると、君の思念と感情が君の周囲に広がっていく。この感覚は近くのクリーチャーたちの精神に入り込み、絶望と苦痛で満たしたり、希望と活力を与えたりする。君のパワーは視覚的な現象を伴う。君の頭部から渦を巻いて漏れ出した光が、君の頭上で輪を成して明滅するのだ。この光の色は君の気分を反映している:真紅の閃光は怒りを、緑は健やかさと活力を、黒は恐怖と死を、といったふうに。君がパワー・ポイントを消費して自分のパワーを増幅すると、この光輪はさらに明るく輝く。


    アーデントの伝説の道

    アージェント・ソウル
    Argent Soul/銀白の魂
    我あるところ希望あり


     君は光の器だ;君は希望と喜びと完璧な信頼の象徴であり、君の存在そのものが仲間たちの魂を高揚させる。戦場における君は、絶望を洗い流し、疑念を振り払い、仲間たちの情熱に火をつける。アージェント・ソウルたる君の魂は並外れて純粋だ。いかなる状況においても最善の結果を予測し、他の者が敗北しか見いだせない場所でも解決策を見つけ出す。君は憂鬱とは縁がなく、楽観的な光によっていかなる憂いも燃やし尽くす。この好ましい性質は周囲に伝染しやすいものであり、他の者たちも君の性質を見習おうとする。
     アージェント・ソウルになるための道は数多く存在する。君は単に善良で健康的な人物であって、いかなる恐怖に直面しようともその影響を受けないのだろうか。あるいは、神が君の魂に触れてこれを浄化し、君には高貴な使命があるのだと告げたのだろうか。君の魂がいかにして銀白に染まったにせよ、その変化は深遠で壮大なものであった。
     君がアーデントのパワーで攻撃を行なうたび、君の周囲に銀白の光輪が生じる。この光に触れた者には勇気が湧き上がり、傷の痛みも消え去って、勝ち目のなさそうな状況でも戦い続けられるようになる。


    サイオニック・バインダー
    Psionic Binder/サイオニック呪縛者
    私はお前の牢獄だ。私から逃れることは不可能と思え


     いかなる鎖も奴らを縛り上げることはできないが、君の敵は君の虜囚となる。君はサイオニック・バインダー、アダマンティンの枷に匹敵する堅固な思念を持つ、生ける牢獄なのだ。君は敵に接近するやいなや、敵の思考を内向きに捻じ曲げ、敵の心を精神の壁に閉じ込めて、その場に釘付けにする。君は充分に長く敵を閉じ込めておくことができ、その間に仲間たちが近づいて、その敵にふさわしい報いを受けさせることができる。
     恐るべき異形どもは狡猾にして邪悪であり、気づかれることなく定命の世界に忍び込んでは腐敗的な影響を及ぼして、行く先々に心の不安や身体の変異をもたらす。異形の化け物を何体滅ぼそうと、他の落とし仔どもが邪悪を撒き散らし続ける。となれば、取るべき手段は拘束しかない。君は脅威をもたらす輩を1体ずつ押さえつけ、確実にとどめを刺していく。
     君は必ずしも異形との戦いに全勢力を傾けているとは限らない。君の唯一の目的の邪魔をする者は、誰であれ君の恐るべき注視に晒されることになるだろう。


    スティジアン・アデプト
    Stygian Adept/ステュギアの手練れ
    すべての恐怖はお前自身の心から生まれる


     精神の中には薄暗い部分がある。心の奥底に眠っている不愉快な記憶、昔の恐怖体験、決定的な幻滅などを利用して他者を操るのはたやすいことだ。恐怖を知り尽くした者たちは、恐怖を自分の武器に変え、隠れた恐怖を表層意識に顔を出すまで増幅させることができる。君はそのような恐怖に慣れ親しんでおり、君が操る恐怖はカミソリのように鋭い。
     スティジアン・アデプトである君は、敵の中の恐怖や心配といった感情を読み取り、それらを操って敵の精神に攻撃を加える。君のパワーは、その敵にしか見えない幻の化け物を作り出したり、君の近くの敵の注意を君の仲間から逸らしたりすることができる。君に捕らえられた敵は半ば実体化した幻像の迷宮で我を失う。1つやり過ごすたび、さらに恐ろしい幻像が現われるのだ。


    タラリック・ストラテジスト
    Talaric Strategist/タラリック流兵法家
    お前の心がお前を裏切る


     いにしえの昔、史上初めて定命の世界に異形の化け物どもが押し寄せた時のこと。彼方の領域の腐敗的影響からこの世界を守るために作られた戦士たちの団体があった。この団体のメンバーは自分たちの技を『タラリック写本』と呼ばれる書物にまとめ上げた。この本には彼らのサイオニックを用いた戦闘技術を体得するための型や規範が収められていた。団体結成から無数の歳月が過ぎ去り、この団体は堕落の末に崩壊してしまった。彼らの修道院は崩れ落ち、かの達人たちの著作も世界中に散逸してしまった。
     君はこの太古の団体の著作の断片を入手し、サイオニックの力を活用して戦場での戦術的優越を獲得する方法をひたすらに学んだ。君の鍛錬は断片的な伝承を寄り合わせた不確かな知識に基づくものであったため、足りない箇所は君自身で補わなければならず、知識の及ばぬ場所はアーデントとしての能力によって埋められることになった。それでもなお、君が発見した教えは学ぶところ大きいものであり、君はいかなる戦場においても指揮の任を務められるようになった。
     君の修練の根幹は、敵の意図を読んだ上で、それが敵自身に不利をもたらすよう仕向けることだ。君は自分の明晰な知覚力と柔軟な思考、そして周囲の者たちの体験を組み合わせ、確たる戦術的優越を勝ち取る。君は仲間たちに差し迫った攻撃への警告を発し、仲間たちを敵の陣形に対応した場所へと移動させ、破壊的な魔法で一網打尽にされそうになった時にはすばやく散開させることができる。


    サイオン

    人の欲望であれ、神の思し召しであれ、私は他者の欲するものを意のままに捻じ曲げる


     サイオンはサイオニックの力を操る者たちの典型にして本道である。サイオンは意識を保っているあらゆる者の精神に眠る可能性を目覚めさせ、思念のみによって物体を移動させ、敵を操ってその者が一番したくないことをさせてしまう。他の者が希望を夢に見ることしかできないのに対して、サイオンが密かに願ったことは現実になるのだ。
     現実世界を変容させる驚嘆すべき知識体系へと通じる精神的な道筋を、君は知っている。君は衝動的なヒューマンの若者で、開花させたばかりの精神的な力が今にも溢れ出さんとしているのだろうか。あるいは秘密のサイオニック学院に属する、刺青を入れた修道士、それとも太古のわざを用いて敵をあざむくフェイの妖術士、あるいは知るべからざる秘密を知り特殊な訓練を受けた審問官なのかもしれない。
     ほとばしる精神のエネルギーが君を熱くする。友や敵の思念が君の周囲で星々のごとくきらめき、君の思考そのものは半ば鞘から抜かれた武器となる。神々はこの世界を作り変えることができ、そして君はその神を操ることができるのだとしたら、君にはいったいどれだけのことができるのだろうか?


    サイオンのクラス特徴

     サイオンは以下のクラス特徴を有している。


    サイオニック増幅

     自己を律し注意深く研鑽を重ねることによって君が体得したサイオニック魔法の形式は、他のキャラクターには真似できない高度な柔軟性を与えてくれる。君は多数の無限回パワーを修得しており、その1つ1つを通じて多量から少量まで好きな量のサイオニック・エネルギーを放つことができる。
     君は個人的なパワーの貯蔵庫にサイオニック・エネルギーを蓄えており(これはゲーム的にはパワー・ポイントとして表される)、それを用いて増幅した君の無限回攻撃パワーは他のキャラクターが用いる遭遇毎攻撃パワーの代替品となる。
     このクラス特徴によって、君がパワーを修得し使用するやり方は他のほとんどのクラスとは若干異なったものになる。


    専攻分野

     サイオンは研究と瞑想を通じて、サイオニックの力の特定の1つの概念ないし具現化の様式について、理解を深め熟練しようとする。以下の選択肢のいずれかを選ぶこと。この選択は君がどの分野を専門としているのかを表している。
     念動力専攻:君はファー・ハンドおよびフォースフル・プッシュのパワーを修得する。
     精神感応専攻:君はディストラクトおよびセンド・ソウツのパワーを修得する。


    サイオンの作成

     【知力】はすべてのサイオンに重要である。また、このクラスのどの側面を重視するかしだいで、【魅力】または【判断力】の高さも利になる。サイオンは自分の専門分野に対応する能力値に関連した特技、技能、パワーを選ぶのが一般的である。


    サイオンの概説

     特性:君は自分の精神の力を誇示するかのように、敵めがけてサイオニックの力を解き放つ。君のパワーは精神感応によって敵の心を操ったり、念動力によって複数の敵をまとめて吹き飛ばしたりする。君はパワー・ポイントを消費することで自分の無限回パワーを“増幅”することができ、他のいかなるクラスよりも幅広い選択肢を有している。
     宗教:知識の神アイウーンはサイオニック魔法の守護神格とみなされることも多く、したがってサイオンの中にもアイウーンの信徒は多い。敵を欺くのが好きな精神感応系のサイオンは、セイハニーンを崇めていることが多く、またサイオニック魔法の実践を芸術の一形態とみなすものはコアロンに祈りを捧げる。他のサイオンは、自分のクラスではなく自分が抱く理想に基づいて神格を選ぶ:たとえば熱烈な正義の信奉者はバハムートを崇め、文明の勢力を拡大しようとする者はエラティスを崇拝する。悪属性のサイオン(そして一部の無属性の者たち)は秘密の神であるヴェクナを崇めていることが多い。
     種族:ヒューマンたちはわずかでも潜在的なサイオニックの才能が見えたならそれを活用しようとするため、サイオニックの遣い手の比率が最も高い種族である。だが、フェイの冒険者の中にもサイオニックを用いて敵を騙したり混乱させたりする者は多く、精神感応のサイオンにはノームやエラドリンもごく一般的である。ティーフリングもまた――おそらくは悪魔の血筋の顕れとして――敵の精神を操ることを楽しむ傾向にある。

    念動力のサイオン

     念動力のサイオンは精神の力によってクリーチャーや物体を動かすことを好む。敵を戦場のあちらこちらに放り投げたり、一箇所に固定したりするようなパワーを選び、また攻撃を防ぐバリアを張るようなパワーも選ぼう。君のすべての攻撃は【知力】に基づくのだから、これを最も高くすべきだ。次いで【判断力】を2番目に高くして、念動力の効果を高めよう。戦場の敵味方の位置を操作したり、【知力】と【判断力】の高さを活用できるようなパワーを選ぶのがよいだろう。


    精神感応のサイオン

     精神感応のサイオンは敵の精神に働きかけることに重点を置いている。敵を騙して敵と仲間を取り違えさせたり、精神の力で敵の心を押し潰したり、敵の意思を支配するようなパワーを選ぼう。君のすべての攻撃は【知力】に基づくのだから、これを最も高くすべきだ。この作成オプション用のパワーには【魅力】を用いるものが多いので、これを2番目に高くすべきだ。敵を制御するパワーや、【知力】と【魅力】の高さを活用できるようなパワーを選ぶのがよいだろう。


    サイオンのパワー

     サイオンのパワーは技法と呼ばれる。君は自分の精神的貯蔵庫から汲み出した力によって、敵が世界を認識するさまや自分の周囲の世界そのものに影響を及ぼす。


    サイオンの伝説の道

    アンカーネイト
    Uncarnate/肉を離れし者
    皮膚と内臓と骨とからなるこの肉体は、単なる器に過ぎない。物質世界の束縛から自由になるため、私は肉体を離れたいと心から願っている


     アンカーネイトの究極の目標は、肉体の制限を受けない精神のみの存在になることだ。「肉は弱し、されど精神は強し」という格言は多くのサイオンに好まれているが、アンカーネイトたちはこの格言を自分を導く真実であると受け止めている。彼らが目指すは肉体を捨て去ること、サイオニックの力によってまとめ上げられた純粋な思念のみのクリーチャーとなることである。
     アンカーネイトは一部の秘術使いが目指しているアンデッド化の道を好まない。アンカーネイトの能力を使用している間、彼らは幽霊と見紛う姿に変化することも多いが、そもそも幽霊というものは死せざる死の冷たき鎖に縛られた存在であり、サイオニックの力によって自発的に変化した彼らとはまったく異なった存在なのだ。
     君は最も過酷なサイオニック的試練と思われる物事に立ち向かおうとする:精神の力と明晰さを維持しつつ、それらを支える肉体を徐々に捨て去っていくのだ。結局のところ、重要なのは精神だけなのだから。


    セルーリアン・アデプト
    Cerulean Adept/蒼の卓越者
    この世界を囲む壁は、皆が思っているよりもはるかに薄い。デーモンやアンデッドは厄介な連中だが、それらよりさらに悪い存在がこの世に侵入し、現実世界そのものを食い荒らさんとしている。私はそれを許さない


     現実世界そのものと相容れない“彼方の領域” の脅威に立ち向かうため、“蒼の印の護り手”と呼ばれる守護者たちの組織が太古の昔に結成された。この“護り手”たちは大いなる勝利を達成し、強力な封印によって最悪の狂気の侵略者どもを“向こう側” に締め出した。だが何ごともそうであるように、喫緊の脅威が消え去った後この組織は徐々に歴史に埋もれて消え去り、彼らの最も強力な武器であった“ザ・セヴン・セルーリアン・シールズ” (七蒼封印)というアーティファクトも失われるか破壊されてしまった。
     しかし、“彼方の領域”は消えていない。現実世界の縁に刺さったトゲのように、“彼方の領域” は常に存在している。ある者たちは、サイオニックの力そのものが、“彼方の領域”に対するこの世界の反応なのだと主張している。肉体が無意識の内に病魔と闘うように、この宇宙は将来のための備えとしてその住人たちにサイオニックの素質を与えたのだと。
     君はそのサイオニック能力によって、若いころから異形に対する脅威として頭角を現した。そもそも君自身、異形の落とし仔どもに対抗するためのサイオニック兵器であるが、君はさらに強い兵器を探しあてた。深きサイオニック瞑想の中に、君は本物の“蒼の封印”を垣間見た。それを取り戻せる可能性はきわめて低いが、君は自分の精神の内にそのイメージを思い浮かべ、複製を作り上げた。この複製は本来の“蒼の印”と同じく、蒼地に白い木が描かれたものである。君はこの印を掲げ、この世界の守護者たらんと誓ったのだ。


    タイム・ベンダー
    Time Bender/時を捻じ曲げる者
    “時の流れ”について語る者は、時間のことを何も分かっていない。私にとって時間と空間とは交換可能なものなのだ


     サイオン、とりわけ精神感応よりも念動力系のパワーを好む者たちは、空間の構造というものは1つの側面に過ぎないということを直感的に悟っている;そしてもう1つの側面とは、時間だ。数多の物体、クリーチャー、世界は時間と空間の中を旅しているが、空間内では任意の方向に移動することができるのに対して、時間には過去から未来という1つの方向しか存在しない――少なくともほとんどの者にとってはそうだ。
     だが、時空構造を文字通り掴み取り、これを引き伸ばしたり、折りたたんだり、自由に形を変えることができる者たちにとって、時間は可変なものだ(むろんある程度の制限はある)。この事実を理解した者には新たな可能性が開ける。
     君は時間というものの柔軟性を認識している。君はすでに、空間内の物質の“継ぎ目”を把握できる精神的な力を身につけた。そして今や、時間の性質に対する理解を足がかりにして、より大きな力を手に入れることができるのだという事実をも発見したのだ。時の複雑性に関する知識が増していくにつれて、時の流れを左右する能力も強くなっていく。君はまもなく、時そのものを剣として振るい、敵が危険に気づく暇も与えずに切り伏せることができようになるだろうと信じている。


    ドリームウォーカー
    Dreamwalker/夢を歩む者
    私が夢を見るとき、“夢見ながら歩く”という概念はまったく新しい意味を持つことになる


     明晰夢(夢を見ているという自覚のある夢)の研究に全霊を傾けるサイオンたちは、意識を保ったまま夢の中の自分の姿を“目覚めている”世界に具現化させ、行動させることができる。













    シーカー

    我は稲妻の一撃、大地の激震、打ち寄せる荒波。我は汝の滅びなり


     シーカーは荒野を放浪し、自然を冒涜する輩を探し出して始末する、原始の勇者である。シーカーが先祖代々継承してきた投擲術と弓術を原始の招力と融合させた狩猟の技は、詩に謳われるほどまでに名高い。この融合のおかげで、シーカーは敵を攪乱し妨害する正確無比な攻撃を、長大な射程で放つことが可能になった。シーカーが射出する矢弾には原始精霊が宿り、それを通じて古の招力が解き放たれる。それは時として恐ろしい獣や自然そのものの猛威と化して敵に襲いかかるのだ。
     シーカーである君は、狩人であると同時に神秘の技の使い手でもある。君は荒野を我が家と呼ぶほどまでに慣れ親しんでいるが、それと同時に“この世界” に住む精霊たちとも同じくらい深い結びつきを持っている。部族に受け継がれてきた伝統と、精霊たちのささやく助言によって、君はその環境に住むどんな獣にも劣らぬほど易々と荒れ地を歩き回ることができる。敵が現れようとも恐れることは何もない。君は武器の扱いに長けているだけでなく、絆を結んだ精霊たちが持つ自然の力を攻撃に付与することができるからだ。君が使うのは雷の一撃だろうか、からみつく蔦であろうか、それとも実体なき獣たちであろうか。いずれにせよ、君の猛攻に耐えられる敵はいない。


    シーカーのクラス特徴

     シーカーは以下のクラス特徴を有している。


    シーカーの絆

     シーカーは精霊たちの目的を推進するという聖なる誓いを捧げることによって、原始精霊たちと特別な絆を結んでいる。この誓いと引き替えに、精霊たちは彼らの勇者が大望を果たすにあたって、力の及ぶ限りの援助をするのである。
     以下の選択肢のうち1つを選ぶこと。どちらを選択したかに応じて、君は特定のシーカー用パワーにボーナスを得る。詳細は各パワーの解説を参照。
     精霊の絆:君はスピリッツ・リビュークのパワーを得る。加えて、君は軽投擲および重投擲武器を用いた攻撃ロールに+1のボーナスを得る。君が習熟している武器を投擲して攻撃を行なう場合、その武器は攻撃の後で君の手元に戻ってくる。さらに、重装鎧を着用していない時、君は自分のACの算出にあたって、【敏捷力】修正値や【知力】修正値の代わりに【筋力】修正値を用いることができる。
     血の絆:君はエンケイジング・スピリッツのパワーを得る。加えて、君は重装鎧を着用していない時、1回のマイナー・アクションとしてシフトを行なうことができる。


    シーカーの作成

     すべてのシーカーは、彼らを導き、攻撃を支援してくれる精霊との交感に【判断力】を用いる。シーカーは“シーカーの絆”を通じて精霊たちとの間に絆を結んでいる。こうした絆のうち最も一般的なものが“精霊の絆”と“血の絆”であり、それぞれの選択肢は2つのシーカー用作成オプションに対応している。ただし、君はどの絆を選択したかに関係なく、自分の誓いを守るために最適と思われるどんなパワーでも選択することができる。


    復讐のシーカー

     君は残虐で軽率な定命の存在によって自然が破壊され収奪される光景を目の当たりにしてきた。もう容赦はしない;血をもって復讐する時が来たのだ。血の誓約に突き動かされ、君は、“この世界”に仇なし収奪する者どもを無慈悲に狩り滅ぼす。君にとって最も重要な能力値は【判断力】、次いで重要なのが【敏捷力】だ。【敏捷力】は敵に一歩先んじ、その攻撃を避ける上で役立つ。君は二次的な役割として撃破役的な傾向を帯びる。


    シーカーの概説

     特性:君は矢や投擲武器を使用することによって、原始の力を解き放つ。それは復讐に駆られた原始精霊の顕現であったり、凍てつく風や轟音とともに降り注ぐ雷光であったりする。君のパワーには敵の移動を妨害したり、足止めしたり、アクションを行なうと傷を負うといった、敵を制圧するものが多い。また、君の攻撃には、精霊たちを呼び出して敵を責め苛み、戦場のどこまでも追い回させるものもある。
     宗教:他の原始系キャラクターと同様、シーカーはこの世界の原始精霊たちを親族や相棒のように見ており、精霊に対する敬愛の方が神々に対する信仰よりも大きい。神格に従うシーカーは通常、自然の諸力を支配するメローラや、弓術の開祖とされることのあるコアロン、あるいはコードやセイハニーンを信仰する。悪属性のシーカーには、グルームシュやゼヒーアに従う者もいる。
     種族:シーカーになる者が一番多いのはエルフとシフターである。どちらの種族も元々精霊の道に惹かれやすい傾向があり、生来の能力もこのクラスの特性と良く合っているからだ。遠隔戦闘を好むゴライアスはシーカーになることがある(彼らはボウ類やクロスボウ類よりも投擲武器を好む)。また、ワイルデンのシーカーも、ごく一般的な存在である。

    護りのシーカー

     自然世界は危機にさらされている。敵はあまりにも多く、広範囲に蔓延している。君は大地を害悪から護る誓いを立て、原始精霊たちとの絆を結んだ。【判断力】は君にとって最も重要な能力値なので、一番高い値を割り振るべきだ。【筋力】は君の攻撃の威力を増し、近寄りすぎた敵に目に物見せてやる上で役立つ。精霊を召喚して敵を追い立てるパワーを選択しよう。君は二次的な役割として防衛役的な傾向を帯びる。


    シーカーのパワー

     君のパワーは、原始精霊たちと結んだ絆を通じて獲得する招力である。他の制御役と違って、君は武器を使って味方の原始精霊に指示を出し、その荒ぶる怒りを解き放たせる。君は矢や何らかの遠隔武器を敵の只中に放てば、あとはその武器が焦熱の電撃と轟く雷鳴とともに炸裂するのを見守るだけでいい。君の攻撃は、精霊そのものが顕現して敵に襲いかかる先触れとなることもある。


    シーカーの伝説の道

    クリムゾン・ハンター
    Crimson Hunter/深紅の狩人
    獲物よ、どこに隠れても無駄と知れ。おまえの血には恐怖の臭いが染みついているのだから


     精霊たちは自然世界に対して行われた数々の罪業の贖いを求めている。精霊たちは血をもってしか贖いを認めない。君は精霊のために徴収を代行する。君は各地を検分して、“この世界”を傷つけた敵が支払うべき対価を正確に算定する。非情を旨とし、目的のためには手段を選ばぬ仮借なき狩人、それが君だ。
     精霊たちは君の活動を支援するべく、古の世に君の同族が駆使していた狩猟術を伝授した。祖先はこの技を狩りのために使っていたが、君はこの技が敵の抹殺にも同じくらい有効であることに気付いた。敵が1体斃れるごとに、君は自分を導く精霊たちとの絆を新たにし、斃れた敵は次に君が懲らすべき敵を見つけるまで精霊たちの渇望を満たす生贄となる。
     クリムゾン・ハンターである君は、シーカーの招力に数多くある撃破役的な要素に特化している。血の臭いは君を奮い立たせ、さらに素速く動き回って交戦するのを可能にする。こうした戦闘術は、敵を射程内に捉えるべく接近するにも、次の一手を打つべく戦場を迂回するにも有効である。


    スウィフト・ストライダー
    Swift Strider/迅速なる駆け手
    私は2つの世界にいる:君が見ている世界と君には見えない世界に


     君は流水のごときしなやかさで動き、しかもその動きは環境に妨げられることがない。盟約を結んだ原始精霊が動きを導いてくれるおかげで、君は何も恐れることなく大胆に、敵が追いつけないほどの速さで進むことができるのだ。君は“この世界”を通り抜ける隠された抜け道を使っているのかも知れない。あるいは、君は精霊の世界への第一歩を踏み出しつつあるのかも知れない。だとすれば、今や君は土地の守護精霊たちと同様の自由を獲得したことになる。
     スウィフト・ストライダーになることで、君は目を瞠る速度で動けるようになる。君は敵の攻撃を予測して安全に飛び退くことができる。この伝説の道を進むに従って、君の姿は移動すると霞んで見えるようになり、敵は君の攻撃から身を守るのが困難になる。
     君は移動中に攻撃し、敵の攻撃にさらされれば素速く退く。時には敵の機動力を奪いつつ、自分はさらに速度を増して立ち回る。敵の間合いのすぐ外で動き回ることによって、君は強力なシーカー用パワーで敵を牽制し動きを封じ、味方たちが接近して仕留めやすいようにすることができる。


    セヴン・フェイツ・アーチャー
    Seven Fates Archer/七つの宿命告げる弓手
    進め、精霊たち。我が敵どもに顕れし破滅の予兆を実現するのだ


     魔の跳梁する森の中から荒涼たる山々に至るまで、精霊は“この世界” のどこにでもいる。こうした存在には荒々しい感情の塊同然なものもいれば、“この世界”が生まれたばかりの頃に遡るほどの長き記憶を保持する超越的な知性の持ち主もいる。君はこれらの精霊たちに、この世界を守る手助けをさせる。彼らの広大無辺な妖しい力を引き出すことによって、君は敵どもの宿命を垣間見、それらの末期を招き寄せるのだ。
     土地の精霊との交感を通じて、ありうべき未来が君に明かされる。君はそれに従って宿命の糸を爪弾き、自分の旅に都合の良い偶然が起こしたり、あるいは弓弦に宿命の糸を編み込んだりする。その弓から放たれた矢は、君の敵に相応しき宿命を運ぶのである。
     この伝説の道は、守護者的な道のひとつである。君は精霊を解き放って敵を追い立てるだけでなく、自分の周囲の宿命を変えることもできる。こうした技は味方を害から遠ざけるとともに、敵を苦しめ混乱させるために役立つ。


    デス・アロー
    Death Arrow/死の矢
    我が黒き矢をもって汝が罪の報いとなさん


     古の儀式と、密やかにささやく復讐の呪詛を通じて、君は矢に己の激情と憤怒のすべてを注ぎ込む。この過程で矢は磨き上げた骨製の矢柄にギザギザの鋭い鏃と黒い矢羽根をそなえた、身の毛もよだつ禍々しい姿に変貌する。君がこの物騒な矢を射ると、逆棘が深々と食い込み、致命的な死の宣告を伝える。
     デス・アローの道を歩むことによって、君の攻撃は単体の目標に凄まじいダメージを与えるのみならず、数体の敵をまとめて混乱に陥れることができる。君にとって、1体の敵を倒すことは何の解決にもなりはしない。なぜなら君は、いかなる犠牲を払おうとも敵を皆殺しにすることにすべてを捧げているのだから。
     死の矢の儀式を会得するには原始精霊の中で最も恐ろしく暴力的な部類のものと交流を持たねばならない。この交流は君に隠しがたい印となって現れる。たとえば次第に君の顔つきは険しく、目つきは獰猛になり、ひどく怒りやすくなる。そしてなにより、敵の命乞いを受け入れず、敵を徹底的に滅し尽くす以外のことを気にかけない様子は、仲間たちの不安をかき立てることになるかも知れない。


    バトルマインド

    不恰好な鉄塊なんぞより、俺の精神の方が強い武器だ


     バトルマインドは放浪者であり、傭兵であり、冒険者である。彼らは最強最悪の敵を相手に自分の技量を試すことしか考えていない、自由気ままな戦士だ。バトルマインドは強力なサイオニック能力と身体能力を兼ね備え、魔法的な力で敵を欺いたり操ったりしつつ、肉弾戦で敵陣に穴を穿つ。多くのバトルマインドは大胆不敵であり、さらには傲岸不遜な者も珍しくない。無数の戦闘において勝利を重ねてきた経験が、そのような態度をもたらすのだ。
     君は他のバトルマインドほど高慢ではないかもしれないが、敵を操り、翻弄し、勝利を収めるための多彩な戦闘能力を身につけていることは間違いない。君の精神は君の武器と同等の脅威であり、サイオニック魔法によって強化された君の肉体はプレート・アーマーに匹敵する防御力を誇る。
     君の行く手を阻もうとした者たちは、君が肉薄するや恐怖に打ち震える。君はバトルマインド、生まれながらにして究極の戦士なのだ。


    バトルマインドのクラス特徴

     バトルマインドは以下のクラス特徴を有している。


    サイオニック増幅

     自己を律し注意深く研鑽を重ねることによって君が体得したサイオニック魔法の形式は、他のキャラクターには真似できない高度な柔軟性を与えてくれる。君は多数の無限回パワーを修得しており、その1つ1つを通じて多量から少量まで好きな量のサイオニック・エネルギーを放つことができる。君は個我の力の貯蔵庫にサイオニック・エネルギーを流しこむ――これはゲーム的にはパワー・ポイントとして表される。パワー・ポイントを用いて増幅した君の無限回攻撃パワーは他のキャラクターが用いる遭遇毎攻撃パワーの代替品となる。
     このクラス特徴によって、君がパワーを修得し使用するやり方は他のほとんどのクラスとは若干異なったものになる。


    サイオニック鍛錬

     バトルマインドは自分の肉体を武器として用いる戦闘術を身につけている。その場の必要に応じて自分の肉体を変化させる者もいれば、サイオニックの力によって攻撃を放つのに最適な位置取りを予測できる者もいる。  以下の選択肢から1つを選ぶこと。
     スピード・オヴ・ソウト:君はスピード・オヴ・ソウトのパワーを得る。これによって、君は常に戦いに備えていることが可能になる。
     バトル・リジリアンス:君はバトル・リジリアンスのパワーを修得する。このパワーはサイオニックの力によって自分の肉体を変化させ、自身の身を守るという君の能力を反映している。


    サイオニック防衛

     戦闘中の君はバトルマインズ・ディマンド、ブラード・ステップ、マインド・スパイクの3つのパワーによって戦術的優勢を維持する。君はこれらのパワーによって敵の注意を引きつけ、君から逃げようとする敵に食い下がり、君の仲間を攻撃する敵に罰を与える。精神的強制力とサイオニックによる自己強化の組み合わせによって、戦場の君は決して無視できない脅威となる。


    バトルマインドの概説

     特性:君は重装鎧によって敵の攻撃を怯まず耐えしのぎ、サイオニック魔法によって強化された君の近接攻撃は敵を操り人形のように翻弄して勝利のお膳立てをする。君の長所は戦線を制御することと、君の仲間たちが敵に大損害を与える間も敵に君との対峙を強制できることだ。
     宗教:バトルマインドたちは自信家で有名であり、典型的なバトルマインドはめったに神に祈らないし、己の不信心ゆえに凶運に見舞われたバトルマインドの逸話も数多い。神々を尊ぶバトルマインドは、武勇の腕と腕力ゆえにコードを崇めているか、正義の執行者たるバハムートを崇めているか、またはサイオニック魔法の始祖たるアイウーンを崇めていることが多い。
     種族:ドワーフとワイルデンは最高の“頑健なるバトルマインド” になれる。彼らの高い【耐久力】および【判断力】は、戦闘中に必要に応じて自らの肉体を変容させるために大いに役立つ。ハーフエルフは理想的な“機敏なるバトルマインド”であり、生まれつきの【魅力】の高さはサイオニックの力による素早さに通じる。たくましい肉体を持つゴライアスもこのクラスに向いており、ノームやティーフリングの戦士の中にもバトルマインドの巧妙でトリッキーなパワーに心惹かれる者は多い。

    バトルマインドの作成

     バトルマインドのパワーには【耐久力】、【魅力】、【判断力】が重要である。君はどれでも好きなパワーを選ぶことができるが、多くのバトルマインドは自分の戦い方に適合するようなパワーを選ぶ。


    頑健なるバトルマインド

     君はサイオニックの力によって、自分の肉体を変容させて鉄や岩に等しい堅牢性を与えたり、武器を変化させて硬度を増したり敵の護りをすり抜けさせたりすることができる。【耐久力】を最も高くし、自身の肉体に対する精神的制御能力の高さを表す【判断力】を2番目に高くすること。3番目は【魅力】を高くするのがよい。一日毎パワーの選択に際しては、君の肉体を変化させたり、他のパワーをさらに増幅できるようなものを検討してみよう。


    機敏なるバトルマインド

     君はサイオニックの力によって速さを手に入れ、戦闘中の移動速度と機敏さを向上させる。【耐久力】を最も高くし、この世界に君のサイオニックの力を投影する能力の高さを表す【魅力】を2番目に高くすること。3番目は【判断力】を高くするべきだ。一日毎パワーの選択に際しては、新たな機会アクションを行なえるようになるものや、敵に出し抜かれることを防げるようなものを検討しよう。


    バトルマインドのパワー

     君のパワーは技法と呼ばれる;これは君の戦闘能力と君が体得したサイオニック魔法とを組み合わせたものだ。君は敵の精神に幻影を植え付けることができ、君の武器の一振りにはサイオニックの力によって比類なき速度と重みが加わる。


    バトルマインドの伝説の道

    アイアン・ガーディアン
    Iron Guardian/鉄の守護者
    俺に相手をして欲しけりゃ、もっと激しい攻撃をよこすんだな


     精神は肉体よりも強い――この原則を他の誰よりも体現しているのが君だ。アイアン・ガーディアンである君は、サイオニック・エネルギーを自分の肉と骨に染み渡らせる術を身につけている。君がかくあれと願うだけで、君の皮膚は鉄のように硬くなり、君の骨は岩のように堅固になる。君は戦場にそびえ立つ巨兵であり、最悪の攻撃をも受け止めた上で、あらゆるものを粉砕する反撃を放つ。
     並ぶ者なき打たれ強さを備えた君は、いかなる戦場でも最前線に立ち続けることができる。君の喜びは、敵の顔に絶望が浮かぶのを見ることだ。何しろ敵の刃も矢も爪も君にかすり傷一つ負わせることはできないのだから。君はこの自信を胸に、あらゆる戦場の中心に直進し、「俺にかかってこい」と挑発の叫びをあげる。


    エターナル・ブレード
    Eternal Blade/永遠の刃
    お前の相手は私一人ではない――お前は今、七代に渡る世界最高の戦士たちを相手にしているのだ


     エターナル・ブレードの組織は秘密主義だが、君はどうにかしてこの道の達人たちを探し当て、弟子入りを許された。君がこの組織を捜していた理由がどのようなものであれ、初めて達人から手ほどきを受けた時点で、君は自分の選択が正しかったことを悟る。修行の初日において君が最初に学んだのは、過去の幾世代ものエターナル・ブレードたちの精神的残響である“導く刃”と意思を疎通することだった。
     この組織の創立者たちは、この世にサイオニック魔法が出現することを前もって予見していた。死を向かえた彼らは、自分たちの精神を未来に投影し、彼らの大義を受け継ぐにふさわしい者たちを探そうとした。君はそうして選ばれた後継者の一人だ。君の“導く刃”は常に君と共に在り、エターナル・ブレードの戦闘技術を教える。たとえ君が戦場に斃れようとも、君の経験が失われることはない。君の精神もまた未来に向かい、君が導くべき新たな勇者を探すことになるのだから。


    スチール・エゴ
    Steel Ego/鋼鉄の自我
    この勝負は、お前が負けるまで終わらない


     君が常に勝利を収められるのは、確かな自信があるからだ。敗北の危機に瀕してなお、君の決意は微動だにせず、どれほど困難であろうと勝利を収められると確信している。君の自信を傲慢や愚かさと誤認する者もいるが、君は何度も何度も自分の言葉の正しさを証明し、疑い深い者たちに君の力のほどを見せ付けてきた。
     君の自信を支えているのは、君が体得したサイオニックの力だ。君の魂と肉体と精神を包み込む意志力のバリアは、肉体に対する攻撃であれ精神に対する攻撃であれ、君に向けられたあらゆる攻撃を跳ねのける。この揺らぐことなき決意をもって、君は敵の攻撃を無力化し、君を倒そうと奮戦する敵たちを尻目に敢然と立ち続ける。君はこの確固たる防御を背景に、自分と戦う相手に自分の自我を投射し、敵の心を敗北の危機感で圧倒する。


    ゼファー・ブレード
    Zephyr Blade/微風の刃
    風を止められるか? 風を手で掴めるか? それが無理なら、私を止めることもできまい


     君は正式な訓練を受けていない。行き当たりばったりのやり方で技術を身につけ、困難に直面するたびに新たな潜在能力を解き放って、武器の攻撃とサイオニックの力とを結び合わせた新たな技に目覚めたのだ。君はとある過去の戦いのさなかに、かすかな風音を聞いた。それは物静かで小さな音だったが、確かに存在していた。そして今、戦う君の周囲でこの微風は嵐となって吹き荒れ、君の攻撃に新たな力を付け加える。
     君の耳に届いたのは、君の周囲を吹き交うサイオニックの風だ。君の技術は荒削りなので、君のサイオニックの力は常に周囲に漏れ出している。だが、その力は消えてなくなる代わりに、渦を巻いたつむじ風となって吹き荒れる。この風は目に見えず、肌に感じることもできないが、君および君の前に立ちはだかる敵たちにとってはそうではない。君がこのサイオニック風の力を再利用すると、君の肉体は奇妙な変容を遂げる。元に戻るまでの間、一時的に現実から切り離されるのだ。
     この自由なサイオニックの力を使えば使うほど、君は物質的存在から遠ざかっていく。君はこの風をかき立てて敵の心を引き裂くことができ、また自分の肉体にこの風を流し込んでその場から消え去り、最もありえない場所に現れることができる。


    モンク

     「おぬしの腕は確かなもの。しかし、修練と専心を欠いていては、いずれ挫けることになろう


     人跡稀なる高山の上、あるいは都市の陋巷、入り組んだ街路の奥にて禁欲的な戦士達がその技を磨いている。その名はモンク(武僧)。己の心身を完璧なものと磨き上げるため、その二つに深く修練を凝らし、彼らはサイオニックの武芸を修得する。その武技を持ってすれば彼らの一拳は巨人の棍棒に等しく、その肌身は身を固めた騎士の鎧の如く、打撃に耐えるものとなる。モンク達は自身の内に眠る潜在的なサイオニックの力を呼び覚まし、そのエネルギーを己の内面に向けて肉体を鍛え精神を研ぎ澄ますのである。
     君がこの道を選んだのは、暗い過去を捨て去るためかもしれない。かつて、君の村が邪悪な領主や血に荒れ狂う獣の群れにより、その大勢が犠牲になったのかもしれない。君はその時からずっと復讐を追い求めているのだ。君の動機がなんであれ、モンクの道を踏み行なう事で、君はその身を一振りの武器となしたのだ。
     君の目の前に道は広く続いている。杖一本にずだ袋一つの食糧があれば、君はこの世のいかなるものにでも立ち向かえるのだ。長年にわたる修練の末に、君は己の内面を見つめることを学んだ。今や外へ見聞を広め、世界に待ち受ける危険を前に腕試しをするときである。


    モンクのクラス特徴

     モンクは以下のクラス特徴を有している。


    修道門派

     モンクは数々の門派の戦闘技術を修練しており、それぞれの修道院にて特定の戦闘様式を専門に伝えている。君が修練した門派として、凝息心央(ぎょうそくしんおう)または練拳比石(れんけんひせき)のいずれかを選ぶこと。この選択により、君が得られるフラリー・オヴ・ブロウズ系パワーと防御的な利益が定まる。


    凝息心央

     凝息心央の門派は、君の内面の認識を研ぎ澄ませ、サイオニックの魔力をよりよくその身につなぎ止めることを重視する。この門派の教えはこうだ。ただ己をよく整えることによってのみ、己に関わる環境を御することが可能になる。この門派の信奉者は苦行者であることが多く、その修道院は静かな世界の片隅に建てられている。それによりモンク達は諸事に煩わされることなく修練と勉学に励むことができるのだ。これらの修道院の中には、口をきいて良いのは毎日一時間のみという戒律を課しているところもある。


    練拳比石

     練拳比石の門派は、肉体の扱い方、過酷な鍛錬、そして完璧な運動の門派である。その修行者は己の肉体を鍛え上げ、己を超自然的なまでの腕力、俊敏性、速度を備えた武器、血の通った得物へと変えるのである。練拳比石のモンクは文明の虚飾の中で修練を積むのを好む。練拳比石の修道院の中には、街や村に建てられた小さな学舎というものもある。修行者たちは稽古以外の時にはそこで労務者や職人として働いているのだ。他には、寒風吹きすさぶツンドラや轟音渦巻く火山の間際などの、世界でも人跡稀な場所に建てられている練拳比石の修道院もある。修行者はそこで日々己の持久を試されるのだ。


    モンクの概説

     特性:君は移動と強力な攻撃とを組み合わせたパワーを使い、敵から攻撃を受ける危険なしに闘いに飛び込み、離脱することができる。他の撃破役に比べ、君は敵の小集団を相手にするのに長けている。君は一撃を加え、相手が対応する前にその前から消え失せるのである。
     宗教:バハムートは善の勇士であろうとするモンクを惹きつける。他にはコードを崇めるモンクもいる。コードの戦いの技は彼らが目指すものだからだ。静謐に瞑想するモンクはアイウーンへの信仰にその身を捧げる――精神を研ぎ澄ました上でその全存在を均衡の維持に投げ打つのだ。少数ではあるが、神への信仰を行なわないモンクもいる。彼らは禁欲的な修行、サイオニックの力を解き放つための訓練を厳格に執り行ない、その中から強さを見つけ出すことをよしとするのである。
     種族:モンクの中で最も多いのはヒューマンたちであり、他の種族のモンクに比べ遥かに多様な戦闘様式を修得している。ギスゼライの社会は修道院的な共同体の周りに形づくられ、種族の多くはモンクのクラスに適性がある。エルフは、モンクへの天稟の才がある。その深い洞察力と敏捷力はともに道の行を修めるにあたり有用な特性となる。

    徒手戦闘者

     君は他の者よりも遥かに有効的に素手攻撃を行なう事ができる。君が近接基礎攻撃などのように、[武器]攻撃を行なう場合には、“モンクの素手攻撃” を用いることができる。これは素手攻撃の武器グループに属する武器である。この武器は、“副武器” の特性をもち、習熟ボーナス+3、1d8のダメージを与える。モンクの素手攻撃を行なうためには、1つの手が空いていなければならない。例えその攻撃が蹴りや膝、肘、頭突きによるものだとしてもである。君の“モンクの素手攻撃” を魔法の武器にすることはできない。しかし魔法の気印を持っているなら、その利益を得ることができる(以下の装具の項を参照)。


    鎧わぬ守り

     クロース・アーマーを着用しているか鎧を着用していない上で、盾も使用していないならば、君はACに+2のボーナスを得る。


    モンクの作成

     君は自分が望むようにモンクを作る事ができる。ここで例示した作成例は、それぞれ凝息心央と練拳比石の修道門派に基づいている。すべてのモンクは【敏捷力】を攻撃に用いる。【判断力】は凝息心央の門派に由来する攻撃の効果を増大させ、【筋力】は練拳比石の門派に由来する攻撃の効果を増大させる。


    凝息心央のモンク

     君は自身の、世界のそしてそれぞれの闘いの中を流れる気の流れを観じる。君は敵の攻撃を穏やかに見通し、素早く戦場を往来する。そしてサイオニックのエネルギーを外に放って敵を操り、その計画を頓挫させることに長けている。能力値の中では【敏捷力】が最高の値であるべきだ。そして【判断力】が続き、3番目に重要として【筋力】を選ぶこととなるだろう。と言うのも君は【判断力】と【筋力】とを用いるパワーも交えて選びたくなるだろうからだ。


    モンクと武器

     君のモンクの攻撃パワーは[装具]パワーである。これはつまり、君の気印あるいは装具として使用している武器のパワーや特性、強化ボーナスによって強化されると言うことだ。すべてのモンクの攻撃は、武器を用いて行なえる。その武器は“モンクの素手攻撃”でも、加工された物体でもかまわない。その攻撃は、君の気印から魔法を引き出せる。それ故に君がクオータースタッフを使用していても、敵を拳足で打ち据えていても同じように効果的なのである。
     君は《狂風棍棒の連打》等の特技の利益を得るために武器を用いようとするかもしれない。君は問題なくそうした武器を変更したり、手に持っている何かで敵を攻撃できる。そうする時には魔法で強化された鋼の強さの代わりに、気印から導き出された力が用いられる。
     君はまた、遠隔基礎攻撃のためにスリングや幾つかのシュリケンも持っておくとよいだろう。

    練拳比石のモンク

     君の戦闘スタイルは攻撃的で、敵を制するに、戦場を制するのに役立つパワーよりもむしろ、敵を迅速に抹殺するパワーに重点を置く。君の戦闘技術は、たしかに迅速な移動を可能にするものだが、戦場を素早く走り回ることよりも、数歩の素早い踏み込みや転進によって構成されている。他のモンクと同様に、【敏捷力】が君の一番高い能力値であるべきだ。二番目に高い能力値には【筋力】を選ぶこと、その次は【判断力】である。


    モンクのパワー

     モンクのパワーは技法と呼ばれる。それらは君の肉体的な修練、研ぎ澄まされた精神、そしてサイオニックの魔法への熟達によって効果を発揮する。


    モンクの伝説の道

    イニシエイト・オヴ・ザ・ドラゴン
    Initiate of the Dragon/竜の叡智の継承者
     「ドラゴンは多くの秘密を持っている。私はそうした秘密を使って、暗黒の諸力と戦っているのさ


     君が修練を積んだ修道院はごく珍しい修法に従っている。それは竜の叡智の門派である。君の師匠達はこう語った。太古、竜達は定命の者達の中で最強の者に、いかにしてその肉体を変容させ、竜の如くに強大になるかという秘法を説いたのだと。君のいた修道院は正しい修練と戒律に従ってその技を伝え、君は竜の秘法を体得できた。
     君は自身のサイオニックの力を集中させ、ドラゴンの炎の吐息として解き放つ術、その肌身をドラゴンの鱗で鎧う術を学んだ。君はドラゴンの速さで移動し、サイオニックの翼をはためかせて風に舞うのだ。いったんこの技法を体得してしまえば、君はいかにして、僅かの間自身をドラゴンの姿にするのかを学ぶ。
     ハーフオークのモンクは頻繁にこの伝説の道にひかれる。彼らの素早さと腕力はこの道に適しているからだ。同様に、彼らの激しやすい性もドラゴンが闘いに赴く際の怒りにふさわしい。


    ゴーストウォーカー
    Ghostwalker/幽冥の狭間を歩む者
    私は次の世へと、この世を発つ魂を見守るのです


     “永遠なる虚無の修道院”は、彼岸つまりシャドウフェルの暗がりが、此岸つまりこの世の岸を洗う、まさにその境に立っている。この修道院で修行を積む者の内、幾人かはシャドウフェルの秘奥へと深く踏み込んで行く。しかし、修道院の門弟のほとんどは死と生の性質、魂の最終的な行く末、そして死後、生き物を待つ宿命について深く思惟する者達である。かの昏き次元界にごく近いが故に、この修道院の戦闘技術は彼らが現在修めているもののような姿になった。
     修道院で積んだ修行により、内なる眼は開かれ、君はこの世界から死者の世界を垣間見ることができるようになった。死後の世界の光景は君にしるしを残した。君の肌は蒼白となり、目の周りは暗い隈で縁取られた。その様はまるで死神の招く手に引き寄せられたかのようである。しかしこれらの変化にもかかわらず、君は生きており、魂の性質とその流転について類い希な洞察を得ている。
     ゴーストウォーカーたる君は、サイオニックの力で影を纏い、その影で攻撃を避ける。また君は、敵の生命力を攻撃し、その力を奪うことができる。


    マウンテン・デヴォティー
    Mountain Devotee/泰山信徒
    山というものは寡黙なる強さと、非情この上ない嵐に立ち向かう、無尽の回復力とを兼ね備えている。だがこの山が動くとき、それに立ち向かえる者は存在しない


     君は人里離れた山中の修道院で長年にわたり修練を積んだ。そこで君の師父達は山岳の強さと威厳とを良く思案せよと説いた。君は瞑想を通じて、山になること、敵の前に立ちはだかり、堅忍不抜の闘志でその攻撃を跳ね返すことを学んだ。山の偉大な力について思惟する以外の時には、君は師父の説く戦闘技術の体得に努力を費やした。そうすることでやがて、君は自分が尊崇する存在のようになったのだ。
     君の戦闘様式は山の強大な力を捕え、それを自身のものとする技である。サイオニックの力をその身体に集中し、君はその拳を固める。故に君は石も肉体も同じようにたやすく打ち抜くことができるのだ。君はまた、自身を大地に根付かせる術も学ぶ。君は深く大地に根を下ろすが故に、いかに凄まじい嵐であろうとも、君を押しのけ取り除くことはできないのだ。そのように地面に足を降ろしている間、君は敵を捕えて投げ飛ばすことができる。


    レイディアント・フィスト
    Radiant Fist/輝光拳士
    我が力は内より至れり。我はその力を神の御名の元に担う


     君は神格を崇拝する修道院で学んだ。そこは信仰の研究と訓練とを行なうのと共に、サイオニック魔法の体得を導く場所であった。君はペイロアかバハムートを崇めているのかも知れない。しかし、悪属性ではない神格のほとんどには、少なくとも一箇所、こうした闘いの技に打ち込む修道院があるものだ。
     君のモンク能力は信仰の力の影響を受けており、それにより君は[光輝]のエネルギーを放ち、アストラルの領域に入り込むことができる。他のモンク同様、君は目も眩むばかりの速度で移動し、並ぶ者無き力で敵を打つ。それに加えて、神は君に悪神に従う者達を鎮圧する能力を提供する。
     ドワーフのモンクが頻繁にこの伝説の道へと引かれ来る。と言うのも彼らの信心深さと我慢強さはレイディアント・フィストに必要な精神的、肉体的な要素を担うことができるからだ。






    ルーンプリースト

    神力のルーンは鋼はがねよりも硬く、いかなる呪文よりも恐ろしい武器となる


     人里離れた聖なる鍛冶場や図書館で、ルーンプリーストたちは神力のルーンの秘密を解き明かそうと研鑽を重ねる。伝説によれば、かつて神々は一文字一文字にそれぞれ神力のかなめを込めて、一揃いのルーン文字を組み上げた。そしてそれらの文字は、神々がこの世界を作り上げ、そこに秩序を築くための助けとなった。しかしプライモーディアルらと永きに渡る戦いを繰り広げる中、これらのルーンの多くは失われてしまったのだ。今や神々自身ですらも、神力のルーンは断片的にしか思い出すことができない。これら古のルーンは、ダンジョンの誰からも忘れられた深みや諸次元界の果てなどで、誰かに見つけられるのをじっと待っている。ルーンプリーストは安全な聖堂や寺院で多くのことを学べるが、やがてはその身に鎧をまとい、新たなルーンを発見したり作り出すための旅に出なければならない。それらの探索行を経て初めて、一人前のルーン魔法の使い手として名を知られるようになるのだ。
     君は自分の師からルーン刻印の技を学んだ。君は徒弟としてドワーフの城塞の奥深くにある鍛冶場で汗を流しながら、信仰篤き者たちのために武器や防具を鍛え上げつつ修行を積んだのかもしれない。あるいは森の中で生きている木々にルーンを刻み、敵の接近を警告する印をつける手伝いをしながら、刻印の技を学んだのかもしれない。いずれにせよその日々の中で、君はルーン文字の読み方と、それらを組み合わせて力ある言葉や印を作り出し、君の祈祷に組み込む方法を学んだ。しかし勉学の日々はもはやこれまでだ。今こそ冒険の旅へとおもむこう。
     神力のルーンを君の武器と防具に融合させる。神々を呼ばわり、その力を敵へと向ける。ルーンこそは君の武器。君の手で神々の敵を裁くのだ。


    ルーンプリーストのクラス特徴

     ルーンプリーストは以下のクラス特徴を有する。


    ルーン・オヴ・メンディング

     君はルーン・オヴ・メンディングのパワーを得る。このルーンは仲間たちの体を癒し、さらに君のその時々のルーン様相に応じた追加の力を与える。


    ルーン技術

     ルーンプリーストの多くはルーン魔法の修法の中で最も広まっているもの、“不敵なる真言の道” か“憤怒の戦鎚の道” の2種のどちらかを探求している。どちらの技術も同じルーンを用いるが、修行や教えの内容は異なっている。以下のいずれか1種類を選択すること。
     不敵なる真言:1体の敵が君に対して1回の攻撃をミスしたなら、君は自身の次のターンの終了時まで、その敵に対するダメージ・ロールにボーナスを得る。このボーナスの値は君の【判断力】修正値に等しい。1ラウンド中にその敵が君に対する攻撃を何回もミスしたとしても、ボーナスの値はやはり君の【判断力】修正値に等しい。回数分だけ倍増するわけではない。
     憤怒の戦鎚:君はハンマー類の軍用武器およびメイス類の軍用武器に習熟する。加えて1体の敵が1回の攻撃で君にダメージを与えたなら、君は自身の次のターンの終了時まで、その敵に対するダメージ・ロールにボーナスを得る。このボーナスの値は君の【耐久力】修正値に等しい。1ラウンド中にその敵が君に対して何度もダメージを与えたとしても、ボーナスの値はやはり君の【耐久力】修正値に等しい。回数分だけ倍増するわけではない。


    ルーンプリーストの概説

     特性:君は近接攻撃を用い、ダメージを与えると同時に、仲間たちの攻撃が敵に効きやすくなるようにする。重厚な鎧を着用し治癒の力を持つ君は、前線に立つのに理想的なキャラクターだ。
     宗教:どんな神の僕しもべにもルーンプリーストがいる。しかし特に多いのは、アイウーン、エラティス、コアロン、モラディンの信徒だ。モラディンは鍛治師やその他の職といった、技術や物作りを極めようとする者たちの守護者である。ルーンプリーストの多くはルーンを鍛え上げる能力の訓練を通じて優れた工芸品を造り出す。ルーンの刻印を一種の芸術と見なすタイプのルーンプリーストはコアロンに魅かれる。アイウーンはルーン魔法が持つ守護の力やルーンの内包する知識を重んじる。エラティスは発明家など知識の探求者を目にかけており、失われたルーンを見出したり新たなルーンを造り出そうとするルーンプリーストと相性が良い。
     種族:デーヴァのルーンプリーストは“不敵なる真しんごん言”の技術を好み、宗教的知識に関する美しく彩色された文書を作ったり、アストラル海の片隅に隠され、幾世代にも渡って発展し続ける図書館を創設する。エルフのルーンプリーストも同じく不敵なる真言の技術を好み、樹々その他の植物をルーン文字の形に配列して育て、神々を讃える。ドワーフ、ミノタウロス、そしてゴライアスのルーンプリーストは一般的に“憤怒の戦鎚 ” の技術を選び取る。広大な洞窟網の中にあるドワーフの教会やミノタウロスの社は、無数の神力のルーンで飾り立てられている。ゴライアスのルーンプリーストたちは聖なる峰の頂に巨大なルーンを刻む。これは彼らの縄張りが神々の加護を受けているという印であるとともに、山から山へと渡り歩くゴライアスたちにとって、目印としての役割も果たす。

    ルーン体得

     君のパワーの中には[ルーン文字]キーワードを持つものがある。君が[ルーン文字]キーワードを持つパワーを使用する際には、まずそのパワーに記されたルーンの中から1つを選ぶ―― “加護のルーン”と“破壊のルーン”のどちらかだ――そしてパワーを使用し、選択した方のルーンの効果が適用される。1つのルーンを選択した瞬間、君はその文字の“ルーン様相”に入る。君は他の文字のルーン様相に入るか、あるいはその遭遇の終了時まで、そのルーン様相にありつづける。加護のルーンと破壊のルーンのどちらのルーン様相に入ったかによって、君は以下に述べる追加の利益を得る。この利益は君がそのルーン様相にある間中、持続する。


    ルーンプリーストの作成

     能力値、パワー、ルーン技術の組み合わせの選び方に応じて不敵なる真言の道と憤怒の戦鎚の道という、ルーンプリーストの最も旧き2つの修法のいずれか片方に基づいた作成オプションが推奨される。すべてのルーンプリーストは攻撃に【筋力】を用いる。ルーンプリーストのパワーの中には【耐久力】に応じて効果が増すものもあれば、【判断力】によって高い効果が得られるものもある。


    不敵なるルーンプリースト

     ルーン文字を記したひとひらの紙は脆く破れやすいように見えるかもしれない。しかし寺院の軒先に吊るされたその紙は、雨や雪に打たれても、寒さや熱さにさらされても、ずっとそこに有り続ける。不敵なる真言の道はそれらのルーンを修めるものだ。これらの文字が記される時には、ルーンそのものが内包する力だけでなく、物や人がルーンに秘められた概念と結びつけられることによって力が発揮される。不敵なるルーンプリーストである君は前線に立って戦い、神力のルーンで仲間たちを支え、援護する。君は自分の力を最も危険な敵に対して集中し、魔法の力によって敵の攻撃を制し、仲間たちを害から守る。君の最も高い能力値は【筋力】、次に高い能力値は【判断力】であるべきだ。ルーン技術の修法としては不敵なる真言を選択しよう。パワーに関しては、単に腕力で敵を撃破するものだけでなく、敵のもくろみを阻むようなものを選択しよう。これらの選択によって君は2次的な役割として制御役の傾向を帯びる。


    ルーン魔法

     ルーンプリーストが操るのは神力のルーンの中でも最も力の弱い、定命の存在であっても肉体と魂を危険にさらさずに用いることのできるものである。最強クラスの神力のルーンを本当に会得できるのは、神々や、神々のしもべの中でも最強の者たちだけである。ここではルーンの音節のうち比較的力の弱い2種類のもの、加護と破壊のルーンについて解説する。
     加護のルーンは防御の力を固め、魂を補強し、闘志を持続させ、敵の攻撃を跳ね返す。一方で破壊のルーンは“解体の印形”としても知らている。鋼や石を脆くし、肉や骨を分解し、秩序を崩し、心を乱す。
     君が[ルーン文字]キーワードを持つパワーを使用する時には、まずその祈祷に力を与える1つのルーン文字を選択する。パワーの使用にあたっては実際に空中にそのルーンを描くことが多い。君の選択したルーン文字に応じてパワーの働き方が変わる。加護のルーンを用いればそのパワーは防御値にボーナスを与え、破壊のルーンを用いればダメージが増幅されるといった具合だ。
     パワーの使用後には、用いたルーン文字が君の頭部、武器、鎧などの上に輝くことがある――これらは君が一つのルーン様相に入った証である。

    憤怒のルーンプリースト

     憤怒の戦鎚の道を学ぶルーンプリーストはルーン文字を石や金属、アイアンウッドといった、ルーンの放つ力に耐え得る頑丈な素材に刻む。憤怒のルーンプリーストたる君は、悪の勢力に対する攻勢を率いる。どんな戦いにおいても君の立ち位置は最前線であり、手にした戦鎚で並み居る敵を打ち据える。君の最も高い能力値は【筋力】であり、次に高い能力値は【耐久力】であるべきだ。ルーン技術の修法としては憤怒の戦鎚の道を選択しよう。パワーに関しては、周囲の味方を鼓舞し、また敵を魔法の場で包み込み、君の意に背いたなら罰を与えるようなようなものを選ぼう。これらの選択によって君は2次的な役割として防衛役の傾向を帯びる。


    ルーンプリーストのパワー

     君のパワーは神力のルーンの力を引き出して敵を撃破し味方を守る祈祷だ。君は敵にルーンの烙印を押し、仲間たちの攻撃が効きやすいようにする。君のパワーの多くは[ルーン文字]キーワードを持つ。


    ルーンプリーストの伝説の道

    ハンマー・オヴ・ヴェンジャンス
    Hammer of Vengeance/応報の戦鎚
    罪状はルーンによって記された。残るは汝の破滅を打ち鍛えるのみ


     ルーンプリーストは神力のルーンについて学び、それを形作るための技を研鑽するだけでなく、それぞれのルーンが持つ歴史や背景についても研究する。多くのルーンは幾世紀もの間に、デーモンやデヴィル、プライモーディアルらの悪行によって失われてしまった。ルーンプリーストの中にはこの罪に対する応報を誓う者がおり、神々に逆らうやからを粉砕することにその身を捧げる。君もまたそういったルーンプリーストの一人なのだ。
     ルーンの力を得た君の祈祷は、仲間を傷つけた相手を蝕む。あえて君の怒りをかう愚か者はすぐに自らの過ちを思い知るであろう。
     この道に進む者が最も多いのはドラゴンボーンとミノタウロスのルーンプリーストである。いずれの種族も過去の罪に対する応報に拘る傾向があるため、この道と相性が良いのだ。


    マスター・オヴ・ザ・フォージ
    Master of the Forge/炉の匠
    さあ、こちらに剣を。神々の怒りをもって、祝福を与えましょう


     炉のルーンは非常に珍しいもので、これを学び会得しているルーンプリーストはごくわずかしか居ない。このルーンの秘密を学ぼうとするなら、何年にもわたって炉の前で汗を流して修行する必要があるのだ。この修業時代を通じて、君は信仰魔法の秘技だけでなく、炉に秘められた力をも学んだ。神々と師匠たちの導きによって、君は武器や防具を鍛え、神々のために戦う者たちを精神と物質の両面で支える方法を学んだのだ。
     マスター・オヴ・ザ・フォージは炉のルーンから力を引出し、仲間たちの武器や防具に神力を注ぎ込む。君の祈りに応えて、刃はやすやすと岩を断ち、鎧はドラゴンの爪さえも跳ね返すようになる。
     この道を目指す者にはドワーフのルーンプリーストが最も多い。ドワーフは金属加工の伝統を持っており、炉のルーンは彼らの研鑽対象として人気があるのだ。


    ライト・ブリンガー
    Light Bringer/光もたらす者
    我は光のルーンをたずさえ、最も深き暗闇の中へとおもむく


     永きにわたりルーンは神々の強力な武器であったが、太陽の十二印形に匹敵する力を持つものは他にわずかしかない。これらのルーンは希望、やがて訪れる夜明け、加護、耐え抜く力といった概念の象徴である。君はこれらのルーンがもたらす魔法の力を求めて研鑽を重ねた。しかしこれらのルーンはそれを学ぼうとする者に大きな代償を要求するため、その力をひもとくことに成功した者はわずかである。君は失明するぎりぎりまで何時間も太陽を見つめ続け、自身の心の中からすべての影を追い出した。このような苦行を経ることで初めてルーンプリーストはこれらのルーンを会得することができるのだ。
     ライト・ブリンガーたる君は、それまで浄化の光の祝福を受けたことのない場所に太陽の輝きをもたらす。君はシャドウフェルとそこに巣くうアンデッド・クリーチャーたちに格段の憎しみを抱いている。万物を清める太陽の光から隠れようとするクリーチャーは多い。奴らを光に曝すことこそ、君が自らに科した使命なのだ。


    ルーン・シールド
    Rune Shield/ルーンの盾
    神々のルーンはいかなる鋼よりも強い


     君はルーンの中にいかなる定命の力にも勝る強さを見出す。そして君は断固とした決意をもって神々の力を武器に、この世界やアストラル海の領界を脅かすものどもと対決するのだ。最初に刻まれた盾のルーンは、今でもこの世界の中心に位置する石に刻まれている。かつて君の同胞たちが、土と溶岩のプライモーディアルらを倒すために潜って行った、もっとも暗き影の世界だ。いつか君もまた、この聖地への巡礼を行なうかもしれない。しかしその時がくるまで君の役目は、あらゆる戦いにおいて最前線に立ち続けることにある。君のルーンは戦場にこだまして、敵を蹴散らし、味方を強化する。
     ルーン・シールドたる君は、味方を信仰魔法の防護の結界で護る一連の秘密のルーンを会得している。これらの強力なルーンは単にそれらを口にするだけで、君の友に襲いかかる矢や剣、斧をはね除け、たとえ敵が恐るべき捨て身の突撃を行なってこようとも、その勢いを鈍らせることができる。