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キャラクター列伝 4

『信仰の書』サンプルキャラクター

データ作成・文:小野隆介/イラスト:里 大樹

神々の怒りを解き放て!
 モンスターどもや暴君たちに破壊されつくした大地に君は立つ――信仰の勇者、暗黒の世界の中の一条の光として。武器と呪文をその手に、君は邪悪や渾沌と戦う。比類なき信念のもと、君は天上に響き渡る一撃を繰り出す。
 この『ダンジョンズ&ドラゴンズ』サプリメントでは、アヴェンジャー、インヴォーカー、クレリック、パラディンのための新たなパワー、特技、伝説の道、神話の運命等、信仰系キャラクターのためのいまだかつてない追加ルールが提供されている。

『信仰の書』
定価:6,090円(本体5,800円+税)
発売中
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克己の女騎士“ケイラ” ヒューマンのパラディン/クエスティング・ナイト

 パラディンは信仰の書で急激なパワーアップを遂げたクラスです。特に防衛役として重要なマーク能力が強力になったことが大きな点と言えるでしょう。新たに加わった「神の制裁」というマーク能力はディヴァイン・チャレンジとは別に機能するので、同時に複数の敵をマークできるようになりました。
 この能力のおかげで、パラディンは現時点で最大のマーク能力を持ったクラスとなりました。パラディンは防衛役の中でも最もACの高いクラスなので、一身に攻撃を受けてもそれに耐え得る力を持っているのですから非常に有用なのです。
 信仰の書で追加された能力により今までに倍する攻撃を受けることになったパラディンですが、今回はこの事実を活かすようなキャラクターになっています。最大のポイントは特技《耐え抜く信仰》です。この特技を持っているとセーヴに成功した直後の攻撃に+2のボーナスを得ることができます。つまり、このキャラクターはマーク能力を活かして攻撃を一身に集め、それらの攻撃の結果自身が受けた「セーヴ終了」の効果を逆に利用して反撃するわけです。そのため、セーヴを支援するパワーや特技、アイテムを多数取得しています。個々に見ていきましょう。
 特技《ヒューマンの忍耐力》で全セーヴに+1、アミュレット・オヴ・フィジカル・リゾルヴは[毒]効果、減速状態、動けない状態、弱体化状態に対するセーヴに+2、イミュナイジング・アーマーは毒の継続ダメージに対するセーヴが自動成功になります。さらに《信仰これをよしとする》があるのでチャネル・ディヴィニティを使うと即座にセーヴを1回振ることができますし、クエスティング・ナイトの断固たるアクションの能力で、アクション・ポイントを使った瞬間即座に+2ボーナスの上でセーヴを1回振ることができるようになっています。遭遇毎パワーのトライアル・オヴ・ストレンクスは攻撃の前に1度セーヴが可能です。
 そして攻撃を集める上で重要なマークです。これも多彩な方法でカバーしています。マークに関して最も大切なのは特技《警戒のマーク》です。これによりマークによる命中ペナルティが−3になるため、マークの対象となったモンスターはよりパラディンを狙う可能性が高くなっています。コール・オヴ・チャレンジ、ヴァララス・スマイト、ストレンクス・オヴ・テンといった広範囲マークパワーを使えば完璧と言えるでしょう。また《広がる標的》があるのでディヴァイン・チャレンジ対象への攻撃が命中すれば隣接する敵1体を追加で神の制裁の対象にできるのも見逃せません。


このキャラクターの運用

 防衛役が攻撃を自身に集中させる上で忘れてはいけないのが、自分自身の攻撃力です。いかにマークしているとは言え、防御力が高いだけで攻撃力のない防衛役は無視されてしまうでしょう。しかしこのキャラクターは、主能力値である魅力を最大限まで上昇させ、さらに魅力を使うパワーしか取得していないため同レベルのキャラクターとしては最高レベルの命中値がある上に、《耐え抜く信仰》により攻撃にボーナスが加わるのです。アーデント・ヴァウを使えば結構なダメージも出ます。
 さらにその上で相手を圧迫するのは「位置取り」です。機会攻撃はほとんどの場合AC狙いですから、どんどん敵の奥へと切り込んで仲間に挟撃を提供していきましょう。パラディンを多のキャラクターより邪魔だと思ってもらえれば良いのです。


“ケイラ”のキャラクターシートはこちらから

戦場の猟犬“ソーン” レイザークロー・シフターのアヴェンジャー/アーデント・チャンピオン

 アヴェンジャーは全ての撃破役の中で最も安定した命中率を誇るクラスです。仮に20面体のダイス目が10以上で命中する場合、通常のクラスなら命中確率は55%ですが、アヴェンジャーならば80%を越えます。他方でアヴェンジャーは、攻撃回数が多いわけでもなく撃破役としては一撃当たりのダメージも高くはありません。
 ダメージを増やす方法はいくつかありますが、今回はアヴェンジャーの特性を活かしてクリティカルによるダメージの増強を目指します。通常のクラスであればクリティカル確率は20分の1ですが、アヴェンジャーの場合およそ10分の1です。アーデント・チャンピオンの能力はそれをさらに上昇させることになります。また、《テンパスの正義の怒り》の特技も命中率の高いアヴェンジャーとは相性が良いと言えます。このキャラクターは、無限回パワーであってもクリティカルすれば60点強のダメージが出るのです。
 アヴェンジャーはオース・オヴ・エンミティ能力の関係上、位置取りには注意を払わなければいけません。また撃破役としてはACが高いほうですから、制御役から極端に離れるのでなければ――つまり回復が届くのであれば――敵と1対1の状況を作るようにするべきです。そのためには移動を伴なう攻撃パワーや、移動を強化する汎用パワーを活用する必要があります。
 無制限パワーは言うに及ばず、遭遇毎の攻撃パワーも2つは移動を伴ないます。また汎用パワーは全て移動能力を増強するものです。これらのパワーを用いて、とにもかくにも1対1ないし敵1対PC複数の状況に持ち込むようにしましょう。追討の宣告の能力もあるので、自分から逃げる敵を追撃すればダメージも上昇します。


このキャラクターの運用

 基本的な戦術ですが、敵に隣接していく能力が高いのですから、肉薄されるのが苦手な砲撃役や制御役を最初に狙うようにすると良いでしょう。特に砲撃役はhpもACも低い傾向にあるので、アヴェンジャーが連続して攻撃していけば戦闘のかなり早いうちに倒すことができるはずです。ただし、精鋭や単独のモンスターは後回しにしましょう。オース・オブ・エンミティは1度指定したらその敵を倒すまでは変更できないからです。
 ライチャス・レイジ・オヴ・テンパスも惜しまずに早い段階で使ってしまうべきです。この能力を乗せる攻撃は2[W]ないし3[W]といったダメージの大きいものを使うと効果的です。
 もし複数の敵に囲まれてしまった時は、シールデッド・バイ・フェイスのパワーを使い囲みから逃れるか、ウィンズ・オブ・ウォウを使って囲みそのものを破ってしまいましょう。
 オース・オヴ・エンミティの能力が使えなければ、アヴェンジャーの攻撃力は格段に落ちます。自分自身にも移動を補助する能力が多々あり、1対1の状況を展開しやすくはなっていますが1人でそれをやるにも限界があります。味方と相談しつつ戦場での位置取りをするのもアヴェンジャーを動かす上ではとても大切なことなので忘れてはいけません。


“ソーン”のキャラクターシートはこちらから

この二人の戦術

 この2キャラクターでの戦術を考えてみましょう。最も重要と言える戦闘開始直後の動きを見てみます。
 イニチアチブ修正の関係でアヴェンジャーの手番が先に来ることが多いでしょうが、まずはパラディンの行動まで行動遅延しましょう。よほどのことがない限り、防衛役が何体かの敵をマークした後に撃破役が行動したほうがうまくいきます。
 パラディンの行動ですが、最初にヴァリアント・ラッシュのパワーを使って移動し敵の前線を構築しているはずの兵士役か暴れ役に隣接します。そしてヴァララス・スマイトです。これが当たれば周囲3マス全てのモンスターを神の制裁でマークすることができます。もし攻撃をミスしたならば、マイナーアクションでコール・オヴ・チャレンジを使い同じように3マス以内の全ての敵をマークしてしまいましょう。
 こうなればアヴェンジャーは安心です。パラディンのACが30、アヴェンジャーのACが26なのでパラディンのマークによる命中−3があってもまだアヴェンジャーに攻撃したほうが当たる確率は高いのですが、神の制裁によって12点もダメージを喰らうのですからマークされたモンスターがアヴェンジャーを狙う可能性は極端に低くなります。
 移動の前にまずどの敵を狙うかを定めて、そのクリーチャーをマイナーアクションでオース・オヴ・エンミティの対象にします。移動の際も、神の制裁の能力を十全に発揮させるために1度くらいは機会攻撃を発生させると良いでしょう。その上でオース・オヴ・エンミティの対象にした後方に控える砲撃役や制御役に隣接しましょう。通常の移動だけでは足りないようであれば、イネクソラブル・パスートのパワーを使えば攻撃の前に位相移動を得た上で7マスシフトできるのでこれでさらに近寄ります。シフトするとブーツ・オヴ・ザ・フェンシング・マスターの能力でACと反応防御値が1上がります。
 敵の手番になれば、マークされたモンスターーはパラディンを囲繞するでしょう。そしてアヴェンジャーに肉薄されたモンスターは離れようとするはずです、その時はすかさずライチャス・パスートのパワーで追走しましょう。次に攻撃する際は追討の宣告の能力が発動しダメージに+11されます。
 この時点で、戦場にはパラディンを中心とするメインの戦線と、アヴェンジャーによる戦線が構築されていると言えます。戦線構築の点で主導権を握ってしまえば、PCにとってかなり戦闘は楽に進みます。そして戦線の構築は多くの場合、上記のように防衛役と近接撃破役によってなされるものです。従ってこの2キャラクターは、最初のラウンドに最大限までリソースを使ってでも――アクション・ポイントも含め――有利な位置取りに留意しなければいけないのです。