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キャラクター列伝 3

『エベロン・プレイヤーズ・ガイド』サンプルキャラクター

データ作成・文:小野隆介/イラスト:里 大樹

世界が英雄を待っている
 最終戦争は終わった――だが、冒険はいま始まったばかりだ。探検せよ、アクションと陰謀に満ちた世界を。探検せよ、栄光と危険が表裏をなす世界を。探検せよ、その名を聞いただけで悪が震えあがるような英雄たちを今すぐ必要としている世界を。
 『エベロン・プレイヤーズ・ガイド』には、プレイヤーが第4版のエベロン・キャンペーン・セッティングでキャラクターを作成して動かすのに必要な何もかもが盛り込まれている。このサプリメントはエベロンのキャラクター向けに用意されたさまざまなルール、助言、選択肢をプレイヤーに提供するとともに、エベロン世界に関する必要不可欠な情報および、地域やドラゴンマーク氏族に根ざしたキャラクターの背景も紹介する。アーティフィサーのクラス、3つの新種族(ウォーフォージド、カラシュター、チェンジリング)、ドラゴンマークにまつわる諸々のルールはもちろん、特技、パワー、“伝説の道”、“神話の運命”なども、それぞれ新しいものを追加する。

『エベロン・プレイヤーズ・ガイド』
定価:6,090円(本体5,800円+税)
発売中
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破滅の鉄 “ブルワーク” ウォーフォージドのレンジャー/ドゥームガード・マローダー

 撃破役に求められることはとてもシンプルです。目の前にいる敵を倒す、これだけです。しかし単純で誰にでもはっきりと目に見える結果を求められるだけに、責任は重大と言えます。
 撃破役は、他の役割と比べて6種類(2009年10月現在)とクラスの種類が豊富です。その中でもレンジャーは最もバランスの良いクラスと言えるでしょう。安定した打撃力、戦場を自在に動きまわる移動能力、豊富な技能――これが強みとなります。


 二刀流型レンジャーは手数の多さで勝負する撃破役です。ツイン・ストライクという非常に強力な無限回パワーがそれを物語っています。このツイン・ストライクと狩人の獲物、そしてそれを強化する《必殺の狩人》の能力があれば、例え遭遇毎パワーを使い切った後でも十分な攻撃力を発揮し続けることができます。また狩人の獲物は攻撃の命中の成否が判明してから、その攻撃に狩人の獲物による追加ダメージを加えるかを宣言できるのも忘れてはならないことです。特に「ミス:半減」の記述があるパワーで、ミスしたときに狩人の獲物による追加ダメージを加えると、その分も含め半減してしまうのも重要な点です。逆にクリティカルヒットした時は、この追加ダメージも最大値になるので非常に強力と言えます。


このキャラクターの運用

 ではこのキャラクターの基本的な戦い方を見ていきましょう。
 レンジャーのように、一撃当たりのダメージはさほど大きくなく、たくさんの攻撃をヒットさせることでダメージを稼ぐキャラクターの場合、逆のタイプである一撃が大きく乾坤一擲の攻撃をするようなキャラクターと比べて、命中率を上昇させることは極めて重要です。そして最も簡単に命中率を上げる手段が、挟撃による戦術的優位の確保である以上、レンジャーは多少の危険を冒してでも挟撃位置への移動しなければいけないのは自明です。その時には、サーペンタイン・ドッジ、エクスペディシャス・ストライドといった汎用パワーや、ヒット・アンド・ランの無制限パワーが役に立ちます。
 そうして挟撃位置まで来たならば、一気呵成に攻撃する契機です。まずはエントロピック・ブロウを使いましょう(もし3体以上の敵に囲まれているならばツイン・ストライクのほうがいいかもしれません)。このパワーがヒットすれば、次の自分のターンの終了時まで隣接した敵と自分のACが2下がります(つまり間合いのある武器を使っているのでなければ攻撃対象のACも下がるわけです)。この時がアクション・ポイントを使う好機です、すかさずクローズ・オブ・ザ・グリフォンのパワーを使いましょう。ドゥームガード・マローダーの能力でアクション・ポイントを使うと、そのターンの終了時まで全ての攻撃に1d12の追加ダメージが加わります。これは攻撃回数が多いほど得ですから、マイナー・アクションがあるならばオフハンド・ストライクも続けざまに叩き込むと一層効果的です。ここまで命中すれば100点前後のダメージが入るはずです。その後、対象のモンスターが自分の隣接マスで攻撃したならばディスラプティブ・ストライク、シフトしたならば《戦士の勘働き》による即応・割込の攻撃が行なえます。


 レンジャーには移動に関するパワーも豊富ですし〈運動〉や〈軽業〉もクラス技能ですからそれらの能力を活用して戦場を縦横に動き回り、挟撃に限らず有利なポジションへと常に移動するように心掛けましょう。その時多少の機会攻撃を怖がってはいけません。プレイヤー・キャラクターは「険しきを冒す者」、冒険者なのです。


“ブルワーク”のキャラクターシートはこちらから

戦場の錬金術師 “エリアス” デーヴァのアーティフィサー/バトル・エンジニア

 アーティフィサーはダメージ増幅能力に優れた指揮役です。パワーも、武器による近接攻撃に遠隔攻撃、装具による攻撃と多様なのでバランスの良いクラスと言えます。一方で、それらのパワーを十全に使おうとすると近接武器、遠隔武器、装具を用意しなければならないため、装備品の選択が難しくなります。
 今回は装具を用いるパワーを取得せず、投擲可能な近接武器を使うことで装備品の取り回しを簡単にしています。
 攻撃支援能力が多彩な代わりにアーティフィサーの回復能力は低めに設定されています。秘術による回復の能力は、忘れがちですが指揮役がアーティフィサーしかいないパーティにとっては貴重な回復能力なので着実に使うようにしましょう。秘術強化:エネルギー付与とも相性が良いと言えます。


 このキャラクターの遭遇毎・一日毎パワーは、そのパワー自体が直接敵に与えるダメージや効果はごく平均的なものですが、パワーによる味方への支援効果は極めて強力です。
 グレーター・マジック・ウェポン、バーニング・ウェポンの命中やダメージを増加させる効果は次のアーティフィサーのターンの終了時まで続きます。従って攻撃回数の多い撃破役(例えばレンジャー)や、範囲攻撃を行なう制御役に効果を与えると良いでしょう。無制限パワーであるマジック・ウェポンも同じ理由で強力です。


このキャラクターの運用

 では基本的な戦術を考えてみます。
 イニシアチブロールを2回振る特技があるため、パーティの中でも早めに行動することが可能です。仲間が散開する前にグレーター・マジック・ウェポンのパワーを使いましょう。特に撃破役と制御役に隣接した状態でこのパワーを使うことが重要です。当たったならば、グラスピング・トラトナイアのパワーを発動しましょう。攻撃が命中した敵を自分の隣接マスまで引き寄せることができます。この攻撃は、できるだけ敵の後方に位置する砲撃役や制御役のモンスターを狙うと良いでしょう。もし命中判定の値が微妙な数値であれば、デーヴァの種族能力であるメモリー・オヴ・ア・サウザンド・タイムスを使ってでも当てに行くべきです。
 引き寄せてしまえば、あとは集中攻撃で一気に倒すことができるはずです。この時自分自身は撃破役と容易に挟撃できる位置に移動することが大切です。バトル・エンジニアの能力である暴虐化を撃破役に適用することも忘れずに。
 もし引き寄せた相手が精鋭だったりhpの多い暴れ役だった場合、マイナー・アクションでオース・オヴ・エンミティに指定した上で、アクション・ポイントを使ってバーニング・ウェポンで追撃するのも良い選択です。この時バトル・エンジニアの攻撃的アクションの能力が発動します。
 この時点で、あなたに隣接する味方は命中に+4、ダメージに+8のボーナスの次のラウンドまで得ています。撃破役はさらに挟撃で+2、武器は暴虐1になっているのでアクション・ポイントまで含めれば相当なダメージが出せます。


 アーティフィサーの能力は撃破役や制御役と相性の良いものが多いので、この2人との連携が肝になります。しかし撃破役と制御役は戦場で離れた位置にいることが多いため、その両者を上手にフォローするには位置取りが大切になります。アーティフィサーは必要な能力値がうまくばらけているため、防御値に隙がなく中衛に適しています。射程の長い投擲武器は、中衛にありがちな攻撃機会の喪失を防いでくれます。誰を攻撃・支援すれば最も効率が良いかを念頭に戦うようにしましょう。


“エリアス”のキャラクターシートはこちらから

この二人の戦術

 この2キャラクターを組み合わせた時の戦術を見てみましょう。
 撃破役と指揮役のペアというのは、最もダメージの出せる組み合わせです。1ラウンドでどれくらいのダメージが出るものか考えてみます。

 アーティフィサーとレンジャーが隣接する位置から開始します。イニシアチブ時にレンジャーはハンターズ・プリヴァレッジの構えを起動しておきます。
 最初にアーティフィサーから。まずマイナー・アクションでレンジャーの武器にアイスバウンド・シジルを使って強化します。そしてグレーター・マジック・ウェポン、命中すれば18ダメージ。さらにグラスピング・トラトナイアの能力で敵を引き寄せます。移動アクションをマイナー・アクションにしてスリック・コンコクション。レンジャーを挟撃位置まで横滑りさせましょう。ここでフリー・アクションでブーツ・オヴ・イーガーネスの能力を発動し追加の移動アクションを得ます。その移動アクションをマイナー・アクションにして目の前の敵をオース・オヴ・エンミティに指定。最後にアクション・ポイントです。バトル・エンジニアの攻撃的アクションの能力が発動し命中+1、ダメージ+1d6です。その上でバトルスキン・ミサイルを使います。挟撃もあるので命中が合計+3。オース・オヴ・エンミティもあるので命中判定は2回行なえます。命中すれば21.5ダメージ。相手は近接攻撃に対する脆弱性5を得ます。レンジャーを暴虐化の能力の対象に指定しておきましょう。

 次がレンジャーです。マイナー・アクションで狩人の獲物に指定。最初にアクション・ポイントを投入します。ドゥームガード・マローダーの破壊のアクション能力でこのターンの間、全てのダメージ・ロールに1d12を追加できます。そして、アタック・オン・ザ・ランで攻撃します。命中は現時点で+23。2回攻撃でそれぞれ当たれば53.5(脆弱性5による追加ダメージを含む)。狩人の獲物で9点追加です。次はジョーズ・オヴ・ザ・ウルフ、2回攻撃でそれぞれ47.5ダメージ。さらに残った移動アクションをマイナー・アクションにしてオフハンド・ストライク、当たれば41.5。
 この後、敵が攻撃したならばディスラプティブ・ストライク、シフトしたならば《戦士の勘働き》による即応・割込の攻撃が発生します。命中すれば35点。
 ここまでで合計335点です。レンジャーの攻撃がどこかでクリティカルすれば副武器側でも2d10の追加ダメージ、主武器側なら3d12+2d10が追加されます。

 13レベルの精鋭・暴れ役のhpが330点ほどですから、これを2人が1ラウンド一気呵成の攻撃をしかけただけで沈めてしまえるのです。