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フォーゴトン・レルム
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キャラクター列伝 1

『武勇の書』サンプルキャラクター

データ作成・文:小野隆介/イラスト:里 大樹

 いざ、剣を抜け
 弓と剣とで武装せる戦士たち。悪の脅威に敢然と立ちはだかる武勲赫々たる勇者たち。頑丈な鎧を身にまとい、研ぎ澄まされた武器を手にしただけではまだ足りない。君の武勇の英雄が勝利するには、知恵と勇気が必要なのだ。
 この『ダンジョンズ&ドラゴンズ』用サプリメントでは、ウォーロード、ファイター、レンジャー、ローグのクラスのための新たなパワー、特技、伝説の道、神話の運命を数百種類も掲載している。
 本書では上記4クラス用の新たな作成オプションとクラス特徴も用意されており、君は熱闘型ファイター、殺し屋型ローグ、勇壮なるウォーロード、野獣使いレンジャーなど、お気に入りの武勇系クラスの新バージョンをプレイできるようになる。

『武勇の書』
定価:6,090円(本体5,800円+税)
発売中
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肉を切らせて骨を断つ “カタールの突撃兵”ミカ ヒューマンのファイター/ショック・トルーパー

 D&D第4版におけるファイターには防御役という役割が設定されていますが、『武勇の書』発売の時点で存在する防御役(ファイター、パラディン、ソードメイジ)の中では、もっとも撃破役に近い傾向があります。その攻撃的な性格を如実に体現しているのが、『武勇の書』で追加される「烈風の技」の二刀流ファイター、そしてそれをさらに先鋭化するのが「ショック・トルーパー」という伝説の道です。
 戦闘場面で防御役が仲間から第一に期待されるのは、敵の攻撃を一身に引きつけ、撃破役や制御役に敵を寄せつけないことです。そのためには、防御役が持つマーク能力を上手に使わなければいけません。


 この烈風型ファイターは、無限回パワーであるデュアル・ストライクを使えば両手に持った武器で別々の敵を攻撃して2体のモンスターをマークすることができます。これは他2つの防御役ではなかなかできないことです。またショック・トルーパーの能力を組み合わせることで、マークがなくとも相手に「放っておくとまずい」と思わせるだけの打撃力を持っています。
 他方で、盾を装備していないため同レベルの盾を装備したタイプのファイターや、他の防御役と比して2か3はACが低くなっています。この点については、《追加hp》の特技でhpを上げ、ベルト・オヴ・ヴィゴー、カラー・オヴ・リカヴァリィといった魔法のアイテムで1回当たりの回復量を上げることで多少は補っていますが、過信は禁物です。


このキャラクターの運用

 そもそも、低レベル帯を越えたキャラクターの運用とは遭遇毎パワーが支配的な要素です。
 このファイターは4つの攻撃用遭遇毎パワーを持っています。そのうちの1つであるプロウビング・アタックは、標準アクションとしても使えますが機会攻撃の時にも使えるパワーなのです。できるだけ機会攻撃で用いるようにしましょう。卓抜の戦士の能力とも相性が良いです。
 そして、このプロウビング・アタックが発動したらば、一挙に攻勢に出るチャンスです。パワーで得た命中へのボーナスは、次のターンの終了時までに行なうすべての命中判定に有効なので、可能であればアクション・ポイントを使い《怒涛のアクション》まで乗せた上でハンパリング・フラリー→ショッキング・ツイスターと攻撃して行けば、5回攻撃の命中判定は+21、+21、+26、+24、+24(戦術的優位を得ていればさらに+2)と相当な命中率になります。マイナー・アクションが余っているならば、狩人の獲物を加えるのも良いでしょう。そうすると、5回の攻撃が命中したとして期待値で100点強のダメージが入ります。11レベルの単独モンスターのhpが600点程度であることを考えても、十分なダメージであると言えます。
 戦術的優位によるボーナスは、このような攻撃回数が多いキャラクターにあって効果は大です。汎用パワーには自分をシフトさせるものが2つありますし、攻撃パワーにも対象を強制移動させるものがあるので、これらを活用して積極的に挟撃を行なっていきましょう。


 攻撃偏重に作成したファイターというのは、攻めにも受けにも回れるようになります。戦術に幅があるのは利点ですが、攻撃に出るタイミング、受けに徹するべきポイントを間違えればあっと言う間に危機的な状況になってしまいます。敵・味方の構成、残っているリソースを計算して運用しなければ、骨を切らせて肉を断つことになりかねません。こと、攻撃に転じる場合は撃破役との連携が重要です。派手なパワーは多々あれど、コンビネーションに勝るものはありません。


“ミカ”のキャラクターシートはこちらから

死中に活 “勇壮なる嵐の”ユリエル エアー・ジェナシのウォーロード/バトルロード・オヴ・コード

 第4版では、1レベルであってもプレイヤー・キャラクターは英雄として扱われていることがルールの端々から見て取れます。では、そんな英雄たちの行く手に立ちふさがるモンスターが、キャラクターにとって鎧袖一触の存在かと言えばそうではありません(雑魚は別です)。むしろ、たいていのクリーチャーはキャラクターよりもタフですし、数も多い場合がほとんどでしょう。
 従って、プレイヤー・キャラクターは戦力的に不利な状況で戦うはめになり、その不利を覆すのは戦術にほかなりません。そして、パーティ内の戦術を最大限に活かすのが、指揮役――わけても戦術指揮官たるウォーロード――の役割です。


 『武勇の書』で追加された、「勇壮なる威風」型のウォーロードの能力は前のめりなものになっています。その傾向がもっともわかりやすく現われているのが、一日毎パワーのフィアレス・レスキューでしょう。味方が倒れた瞬間に、ウォーロードは仲間のもとへ機会攻撃をものともせず急行し友を回復するというパワーなのですが、その時の回復量は近づく時に誘発した機会攻撃の回数×1d6ポイントだけ増加します。当たった回数ではなく攻撃された回数なので、この移動の時に《移動時の守り》の特技が活きてくるでしょう。
 そして、この捨て身とも思える戦い方をさらに後押しするのが、今回取得した伝説の道である『バトルロード・オヴ・コード』です。


このキャラクターの運用

 戦術の中核を占める遭遇毎パワーを見ていきましょう。まず重要な前提ですが、ウォーロード自体は平均的な近接戦闘能力しか持っていません。ですから前線で他の前衛とラインを作りつつ敵に掣肘を加え、撃破役などの打撃力の高い仲間の攻撃をサポートするという戦い方になります。
 遭遇毎パワーのうち2つは突撃の時に使えるものなので、戦闘の開始直後に役に立つでしょう。また《激甚突撃》の特技があるので、このキャラクターに突撃された敵は戦術的優位を味方に与えることになります。例えば突撃の時にルアリング・フォーカスのパワーを使って、もう1体の敵を自分の近くに引き寄せた上で戦術的優位を与えているクリーチャーもろとも制御役に範囲攻撃をしてもらう、などというのが有効でしょう。プロヴォーク・オーヴァーエクステンションのパワーは、ファイターの標的と絡めれば対象となるクリーチャーに一挙に3回も攻撃をしかけることが可能です。
 無限回の汎用パワーであるフォワード・オブザーヴァーはパーティに遠距離攻撃が得意なキャラクターがいる場合には非常に強力なので、活用していきましょう。接近攻撃でも角ごしに戦う時などは遮蔽が発生しますから、それを無視できるのは優秀です。


 何といってもこのキャラクターの真髄は、敵も味方も重傷状態だらけの時に発揮されます。重傷の敵が複数存在するときは、テンペスト・オヴ・トライアンフのパワーが有効です。うまくいけば、数体の敵を1アクションで屠ることができます。また仲間が重傷の時は、インスパイアリング・ワードの能力を使えば回復すると同時に、嵐を呼ぶ鼓舞で攻撃力も上げることができます。
 自分が重傷の時は、汎用パワーのヒロイック・エフォートの出番です。このパワーは範囲も広く、あらゆるダメージ・ロールに魅力修正分のボーナスが加算されるわけですから強力です。このパワーを使った直後に、前述のテンペスト・オヴ・トライアンフを使えばいっそう効果的です。
 このウォーロードは殺られる前に殺るという容易ならざる戦い方を、地で行くキャラクターです。当然運用は大変ですが、戦闘の趨勢を一挙に崩す能力を持っているだけに、決まれば大きな満足感が得られると思います。


“ユリエル”のキャラクターシートはこちらから

この二人の戦術

 この2人のキャラクターを使った簡単な戦術を考えてみましょう。楽しいのはやはり、1ラウンドでどれくらいのダメージを出せるかを計算してみることです。多分に御都合主義的な部分もありますが、そういった都合の良い状況を自ら作り出すように行動していくことが、不利な状況をひっくり返すチャンスにつながるのです。
 キャラクターは2人とも重傷で、強力な敵を挟撃していて、ファイターがマークしている状態から初めましょう。


まずは、ウォーロードの行動からです。
 マイナー・アクションで、ヒロイック・エフォートを使いファイターのダメージに+4の無名ボーナス。さらに自分は15点の一時的hpを得ます。さらに移動アクションをマイナー・アクションにして、インスパイアリング・ワードをファイターに使います。3d6+6点+回復力分のhp回復。嵐を呼ぶ鼓舞の効果でファイターの命中に+2、ダメージに+4の無名ボーナスが加算されます。
 そしてスタンド・ザ・フォールンの一日毎パワーで攻撃します。命中すればダメージは平均24.5。ファイターは回復力+6だけhpを回復します。
 まだまだ追撃します。ウォーロードはアクション・ポイントを投入(この瞬間に力強きアクションの能力で、ファイターの命中とダメージに+1の無名ボーナスが加算されます)して追加の行動を得、プロヴォーク・オヴァーエクステンションで攻撃。命中すれば期待値で19ダメージ、敵はウォーロードに攻撃し返さなければいけません。この攻撃をトリガーにファイターのマーク能力が発動、即応・割り込みで近接基礎攻撃を行ないます。この時の命中ボーナスは+22、命中すれば期待値で32.5ダメージです。敵の攻撃がミスすれば、さらにファイターはフリー・アクションで近接基礎攻撃を行なえます。ダメージは28.5です。これでウォーロード終了。


続いて真打ファイターの登場です。
 まず、マイナー・アクションで、狩人の獲物を指定します。そして最初にアクション・ポイントを投入。《怒涛のアクション》で追加行動の間命中に+3の無名ボーナスです。そして勇壮なる威風の利益を得てさらに近接基礎攻撃を1回追加できます(この攻撃には《勇壮なる威風強化》により命中に+1の無名ボーナス)。ここでショッキング・ツイスターで3回攻撃、それぞれ+27、+25、+25でダメージは1回あたり28.5点、追加の基礎攻撃は29.5点になります。狩人の得物による追加ダメージが7。
 まだ余っている標準アクションで、ツーウルフ・パウンスのパワーを使います。1回目の攻撃が命中+22、ダメージ33、2回目が命中+22、ダメージ28.5点。さらに別の敵を攻撃して命中+22、ダメージ27点です。


 この時点で最初に挟撃していたモンスターには288のダメージが入っています。同レベルの単独モンスターでもhpが半減するほどのダメージです。その上、幻惑状態かつ弱体化状態になっています。ファイターは依然として2体の敵をマークしていますし、重症だったhpも7割は回復しているでしょう。
 このように、時宜を得たコンビネーションプレイを行なえば撃破役がいなくとも、かなりのダメージを与えることが可能なのです。