コラム

D&D第5版へのお誘い『モンスター・マニュアル』プレビュー

更新日: 2018.03.09

ブラック・ドラゴン

 クロマティック・ドラゴンの中で最も気性が荒く、最も卑しいブラック・ドラゴン(黒竜)は、がれきを漁り死体を漁って宝物を回収する。弱者が繁栄しているのは見るのも嫌で、人型生物の王国が滅びれば大喜びする。彼らは今は亡き王国の朽ちた廃墟や臭い沼地に居を構える。
 ブラック・ドラゴンの顔は眼窩が落ちくぼみ、鼻の穴が大きいので、髑髏に似て見える。無数の節ふしが連なる湾曲した角は、根元の方は骨のように白いが、先に行くにつれて黒ずんでゆき、先端はつやのない真っ黒だ。歳を経るごとに角や頬骨のまわりの肉が(酸で灼かれたかのように)落ちてゆき、よりいっそう骸骨じみた風貌になってゆく。ブラック・ドラゴンの頭部は角と突起が目立つ。舌は平たく先端が二又に分かれ、刺激臭を放つ粘液を滴らせる。この臭いが、腐った植物と汚れた水のような体臭と混じり合い、耐えがたい悪臭となる。
 孵化したばかりのブラック・ドラゴンの鱗は光沢のある黒だ。成長するにつれて鱗は分厚くなり、光沢は薄れて、ブラック・ドラゴンが住処とする沼地や荒れ果てた廃墟に身を隠しやすくなる。

 暴虐にして残忍:すべてのクロマティック・ドラゴンは邪悪だが、他者を傷つけ苦しめること自体を楽しむという点に関しては、ブラック・ドラゴンが抜きん出る。彼らは獲物が慈悲を乞うさまを眺めるのが生きがいで、とどめを刺す前に命乞いに応じるふりをしたり、逃げた獲物を見失ったふりをしたりすることがよくある。敵の中で最弱の者を真っ先に狙い、素早く暴力的な勝利に酔いしれてうぬぼれを満たしつつ、残った敵たちを恐慌に陥れる。負けそうになったブラック・ドラゴンは自分の命が助かるなら何でもするが、他者の下僕になるくらいなら死を選ぶ。

 敵と子分:ブラック・ドラゴンは他のドラゴンを憎みかつ恐れている。彼らはライバルとなりうるドラゴンを遠くから偵察し、自分より弱ければ殺す機会をうかがい、強ければ避けようとする。強いドラゴンに脅かされたなら、住処を放棄して新しい縄張りを探す。
 邪悪なリザードフォークはブラック・ドラゴンを敬い、下僕となる。このリザードフォークたちは他の人型生物の居住地を襲って財宝や食料を奪い、貢物として主人に捧げ、主人の領地の境界線上にドラゴンを模した粗雑な偶像を並べる。
 ブラック・ドラゴンの悪しき影響力によって、邪悪なシャンブリング・マウンドが自然発生し、ドラゴンの住処に近づく善良なクリーチャーを見つけ出して殺そうとする場合もある。
 また、多くのブラック・ドラゴンの住処には、害虫や害獣のごとくコボルドどもが住み着いている。このコボルドたちは主人に似て残忍になり、しばしば捕虜をムカデの牙とサソリの毒針で苦しめ衰弱させてから、ドラゴンの飢えを満たす食糧として運んでゆく。

 太古の宝:ブラック・ドラゴンは己の偉大さを見せびらかすために、滅びた帝国や征服された王国の財宝を蓄える。1つまた1つ文明が滅び、その宝はドラゴンのものとなった――となれば、現在栄えている文明の宝もまた、ドラゴンのものになって当然なのだ。