世界的にも大流行!?コンペティティブシューティングの世界【最新GUN事情】

 

毛野ブースカがアメリカ在住のリアルガンレポーターのSHIN に、ガンやタクティクスに関する疑問、質問を聞いてみようというコーナー。今回のテーマはスチールチャレンジなど日本でもエアガンを使って盛んに行なわれている「コンペティティブシューティング」。アメリカにおけるコンペティティブシューティングの最新事情を語ってもらった。

 

前回の【最新GUN事情】はこちら

 

 

【毛野】
 

SHINさんは米国でUSPSA競技を中心に撃っていますよね。

【SHIN】

USPSAは撃ち始めて15年になります。今年は米国内だけはなくタイ、台湾やフィリピンでの射撃の試合にも遠征しています。

【毛野】

今年SHINさんはタイでは実銃を使ったIDPAを、台湾ではエアガンを使ったIDPAを撃っていましたね。同じ競技ですが実銃とエアガンを使った場合、どのような違いを感じましたか?

【SHIN】

意外なほど違いを感じませんでした。操作という面でいえば銃自体の取り扱いはマガジンを入れる、スライドを引いて初弾を送るといった操作は実銃もガスブローバックガンも同じです。さらに使用したホルスターも米国で実銃に使っている物が使えましたから。

【毛野】

なるほど。反動の差というのは大きいと思いますか?

【SHIN】

リコイルの処理は正しいグリップと射撃姿勢によって行なうことから、これらの習得が実銃では重要になります。エアガンの場合ほとんど反動がないので、反動の処理を学ぶことが難しいとは思います。ですが、正しいテクニックを持ってエアガンを撃っていれば、実弾射撃の際にも役立つ射撃術が学べると思います。

【毛野】

エアガンと実銃では威力に大きな違いがありますよね。ステージデザインも実銃を同じようにすることはエアガンでは難しいと思うのですが。

【SHIN】

USPSAやIPSC、IDPA等のアクション競技では、多くが5〜15m以内にターゲットが配置されています。ですので、エアガンであっても、その実距離を撃つことは可能だと思います。私が台湾で参加した「台湾IDPAチャンピオンシップ」では、実銃用よりも33%縮小したターゲットを使うことで、射撃距離が短くても難易度を上げてステージデザインを行なっていましたね。

 

台湾で行なわれた「台湾IDPA チャンピオンシップ」。車や建物と言ったリアルなプロップを配して行なわれ、エアガンならではのコースデザインとなっていた。

 

タイで行なわれた「IDPA ファーイーストチャンピオンシップ」。車輌やバイク等様々なプロップを配し、毎回異なるシチュエーションで撃つ楽しさを味わえる。

 

【毛野】

最近の米国におけるアクションシューティングマッチのトレンドはどのようなものなのですか。

【SHIN】

数年前に大流行した3ガンマッチは落ち着いてきた感がありますね。今では2ガン、4バイ4と呼ばれるスタイルのマッチが注目されつつあります。

【毛野】

2ガンはハンドガンとカービンを使うものですか。

【SHIN】

そうですね。ショットガンを使わないためよりシンプルな内容となります。多くの場合3ガンマッチと同時開催され、シューターが好みによって選べるようになっています。4バイ4は、3ガンマッチで使われるピストル、ライフル、ショットガンにプラスしてPCC(ピストルキャリバーカービン)が使われます。シューターはマッチやステージに合わせて好きな銃を組み合わせて攻略することができます。

【毛野】

それは面白そうですね。PCCは人気あるディビジョンになりましたね。

【SHIN】

USPSA、IPSCの両方においてPCCは急激に人気を伸ばしています。またPCC専用のマッチも多く開催されるようになり、ピストルでは難しい100m程度の射撃などカービンマッチとピストルマッチの中間の距離で楽しめる内容となっています。

【毛野】

エアガンでもカービンを使った試合もありますし、ハンドガンとは違う難しさ、楽しさがありますね。エアガンを使っても、実銃を使っても同じシュー

ティングですから、その技術を競うシューティングマッチを両方とも楽しんでいこうと思います。

 

毎回違う環境の中で、動きながら複数の的に、自分の持ちうる最大のスピードと精度で射撃を行なうUSPSA 競技。USPSA にはハンドガンを使った競技と、ショットガン、ライフル、そしてハンドガンの3 種類を使い分けるマルチガンと呼ばれる競技の2 種類がある。近年PCC ディビジョンが加わり人気が急増している。

 

USPSA で使用される人型のメトリックターゲット。A / B/ C / D ゾーンに分かれており、当たった場所によって1点から5 点まで得られる得点が異なる。通常ターゲットには2 発撃ち込み、その合計点が得られる。

 

スコアリングはIT 化が進みタブレットを使って行なわれるようになっている。最終的なステージのスコアは、得られた得点をステージを撃ち終るまでに掛かった時間で割る。つまり1 秒に何点得られたかがそのステージのHF(ヒットファクター)であり、もちろんHF が高いほうが勝者である。

 

プロダクションディビジョン用のハンドガン。ファクトリー製のハンドガンをそのままカスタムすることなく使用できる、USPSA に参加しやすいディビジョンとしてスタートしたのがプロダクションディビジョンである。手軽に参加できるディビジョンであるため、ここ数年で多くの新しいシューターが参入、現在ではもっとも厚い選手層を誇るディビジョンへと成長した。

 

【アームズマガジンウェブ編集部レビュー】

国内でも徐々に流行の兆しをみせるコンペティティブシューティング。意外なのは、台湾でエアガンを使った本格的なシューティングマッチが行われていることだ。レギュレーションの整備もなされており、環境が整っていることを窺わせる。日本国内でも、より大きなシューティングマッチの大会があれば、よりコンペティティブシューティングの世界も盛り上がりをみせるだろう。

 

 

TEXT:SHIN,毛野ブースカ

PHOTO:SHIN

編集部レビュー:アームズマガジンウェブ編集部

 

 


この記事は月刊アームズマガジン2019年12月号 P.138-141より抜粋・再編集したものです。

 

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