陸上自衛隊 富士学校・富士駐屯地開設65周年記念行事

 

令和元年7月7日(日)、陸上自衛隊富士駐屯地にて創立65周年の記念行事が挙行された。同駐屯地に所在する富士学校は幹部学生教育と普通科、特科、機甲科職種の各種の調査研究を行なう陸自の中枢組織のひとつであり、2018年には情報学校と諸職種協同センターが加わった。そんな新体制の下で行なわれた記念行事をレポートする。

 

この記事の本誌未公開写真はこちら

 

●富士学校

 

 陸上自衛隊のメッカとも言える富士山麓は、静岡県と山梨県にまたがる広大な地域に複数の部隊や演習場が存在しており、その頂点にあるのが富士学校だ。幹部学生への教育のほか、富士教導団を従え教育訓練や調査研究を行なっている。普通科(歩兵)、特科(砲兵)、機甲科職種(戦車)と3つの職種の調査研究を行なうことから、富士学校には最新装備も多数配備されている。

 

陸上自衛隊 富士学校・富士駐屯地開設65周年記念行事

第43代富士学校長高田祐一陸将による巡閲が始まると、整列した各部隊(教導隊)は厳かな表情で高田陸将を見つめる

 

陸上自衛隊 富士学校・富士駐屯地開設65周年記念行事

演習対抗部隊として名高い部隊訓練評価隊は、全国の普通科部隊へ模擬の実戦的訓練環境を提供する敵役を主任務としている

 

陸上自衛隊 富士学校・富士駐屯地開設65周年記念行事

訓示が終わると一斉に駆足で車輌や持ち場へ向かう隊員達。今まで整列していた部隊にいきなり火がついたような活気を見せる瞬間

 

 

 それゆえこの記念行事に対する陸自ファンの関心は高く、早朝から一般来場者が大挙して須走の緩やかな坂道を進み、長い入場列ができていた。同駐屯地は最寄り駅であるJR御殿場線御殿場駅から遠く、決してアクセスがいいとはいえないが、このイベントを目的としたツアーなども組まれていたようで、陸上自衛隊がとても人気のある存在であると実感させられた。観覧エリアには子連れファミリーから高齢者、いかにも(?)な陸自ファンまで、幅広い層の来場者が勇壮な行進や装備品展示、体験搭乗などを楽しんでいた。

 

 

陸上自衛隊 富士学校・富士駐屯地開設65周年記念行事

WAPC(96式装輪装甲車)に乗り込むのはアグレッサー役の評価支援隊のクルー達

 

陸上自衛隊 富士学校・富士駐屯地開設65周年記念行事

機教-3号の90式戦車は機甲教導連隊 第3戦車中隊所属。ひときわ大きな車体によじ登るクルー達は実にキビキビとしている

 

陸上自衛隊 富士学校・富士駐屯地開設65周年記念行事

普通科教導連隊長が乗車する同連隊本管中隊所属の82式指揮通信車。この車輌は1982年の制式化以来現役のベテランだが、将来的にはMCV系へと交代するだろう

 

陸上自衛隊 富士学校・富士駐屯地開設65周年記念行事

最近陸自に導入された無人偵察機(スキャンイーグル)を搭載した73式中型トラックで行進するのは、平成30年に富士駐屯地に新編された情報学校所属の隊員

 

陸上自衛隊 富士学校・富士駐屯地開設65周年記念行事

203mm自走りゅう弾砲は米陸軍M110のライセンス国産装備品。陸自最大口径の火砲で砲身むき出しの構造が逞しい

 

陸上自衛隊 富士学校・富士駐屯地開設65周年記念行事

10式戦車は他の戦車に比べて低騒音で滑らかな動きが特徴的だ。120mm戦車砲とコンパクトな車体が新世代のテクノロジーを感じさせる

 

陸上自衛隊 富士学校・富士駐屯地開設65周年記念行事

模擬戦闘では昭和の守護神74式戦車が仮設敵として登場。空砲の音量と衝撃波は抜群で、105mm戦車砲の健在ぶりを誇示した

 

 

●富士駐屯地 創立記念行事の楽しみ方

 

陸上自衛隊 富士学校・富士駐屯地開設65周年記念行事

 

 地元密着型の駐屯地とは若干異なり、教育研究機関を置く富士駐屯地のイベントでは模擬売店や露店は出ないので、飲食物は厚生棟にあるPXかコンビニ頼りとなるが、多くの来場者は心得ているようで記念式典や行進展示を観ながら持参したお弁当を楽しんでいた。

 イベントの流れとしてはクライマックスの模擬戦闘が終わるとグラウンドから離れ、駐屯地内に準備された装備品展示や装甲車等の体験搭乗を楽しむ。14:30にはすべての演目が終了し来場者は駐屯地から退場しなければならず、意外にも早く終わってしまうイベントでもあるのだ。それゆえ早朝に入場するのがポイントで、式典や模擬戦を見つつ昼食をとり、午後は体験搭乗にチャレンジしてから(整理券を朝一でもらっておくことをおすすめする)終了時間まで装備品展示を見学するという流れがいいかもしれない。

 ただし、くれぐれも国旗掲揚や司令官訓示中などの“モグモグタイム”は控えよう。なお、指定場所以外での飲食は規制されている場合もあるので注意したい。

 

 

陸上自衛隊 富士学校・富士駐屯地開設65周年記念行事

クライマックスでは陸自が装備するほとんどすべての機甲車輌と火砲が総攻撃を行なった。北海道以外でこれだけの戦車や火砲が集まる場所は富士駐屯地をおいて他にない

 

 

陸上自衛隊 富士駐屯地
〒410-1432 静岡県駿東郡小山町須走481-27

 

 

TEXT:神崎 大

 

 


この記事は月刊アームズマガジン2019年9月号 P.150~151より抜粋・再編集したものです。

 

月刊アームズマガジン9月号のご購入はこちら

Twitter

RELATED NEWS 関連記事