【実銃】15連射できるショットガン「UTAS UTS-15」とは

 

 作動が確実なポンプアクションショットガンは、ポリスの制式装備として長年使用されてきた。だが、装弾数の少なさと、リロードに手間と時間がかかるという弱点を持ち合わせてもいる。そんなところに2012年にリリースされた“UTAS UTS-15”である。これはなんと15連射が可能なショットガンだという。今回はその実銃についてレポートしよう。

 


 

UTAS UTS-15

 

UTAS “UTS-15”

  • キャリバー:12ゲージ
  • アクション:マニュアルポンプアクション   
  • 長さ:28.3インチ  
  • バレル長:18.5インチ  
  • 重量:6.9lb  
  • 装弾数:14 +1

 

 UTS-15はトルコに本社を持つUTASウタシュ USAが、2012年にリリースした14+1の装弾数を持つ12ゲージポンプアクションショットガンである。パーツの80%以上がポリマーという軽量化を優先したデザインで、取り回しを向上させるべくブルパップ構造を採用している。大きな特徴はバレルの上に鎮座した2本の7連チューブマガジンから、セレクターレバーによって任意のチューブのショットシェル(バックショット&スラッグ弾、もしくはラバー弾頭など)を撃ち分けられるという点である。

 

UTAS UTS-15

マガジンチューブにフルロードして後ろから見た状態。中央のセレクターレバーは直立しており、この状態だと左右のマガジンから交互にロードされていく(安全のためダミーシェルを使用)

 

UTAS UTS-15

セレクターレバーを左に倒すと、左側のマガジンはブロックされ、右側のマガジンだけからロードされていく。そして、シェルはこのまま、チャンバーに押し込まれていく

 

UTS-15誕生の経緯

 

 UTS-15の生い立ちは少々風変わりだ。2006年にSスミスWウェッソンからUTAS USAに「画期的なポリス用ショットガン」の開発依頼があったという、公式な記録が残っているのだ。S&Wからの開発条件は以下のようなものだった。

 

  • 12ゲージポンプアクションであること。
  • 全長30インチ以下であること。
  • 装弾数が13発以上であること。
  • 当時ポリス用ショットガンの標準であったレミントン870等より軽量であること。

 

 これらの条件から推察すると、開発当初からブルパップデザインと複数チューブマガジンの採用が前提にあったのは確かのようだ。以降どのような経緯があったか定かではないが、プロダクションモデルとしてのUTS-15がリリースされたのは開発から6年を経た2012年のことであった。 

 

UTAS UTS-15

現役LAPDシューティングインストラクターであるヴィクター・ロペスに持ってもらった。彼は元海兵隊のスカウトスナイパーで、数度の海外派兵を経験している。後編のレポートでは彼に実射を担当してもらう

 

タクティカルショットガンの弱点

 

 それではUTS-15をはじめとする、これらタクティカルショットガンと呼ばれるカテゴリーの多弾倉ポンプアクションショットガンが、法執行機関L Eなどで制式採用されたかというと、その答えは「ノー」となってしまう。その理由を2点、簡単に述べる。

 

  • プルパップデザインの問題点

 

 このデザインの大きな利点は、一定の銃身長を保ちながら、全長を大幅に短くできることだ。確かに狭い場所での取り回しや近接戦闘C Q Bの状況を考えると、この圧倒的な短さは大きなアドバンテージとなる。

 だが、大きく長いショットシェルをポンプアクションによって装填・排莢するというのは、デザイン的に結構なチャレンジとなってしまうのだ。排莢、装填というサイクルは着実に行なわないといわゆるショートストロークという現象が起き、排莢不良となってしまうので、これは致命的だ。

 

UTAS UTS-15

これが排莢不良の状態。キャリアのタイミングがずれているのと、エジェクターが確実に動作していないという印象だった

 

  • 弾種選択の新機構

 

 前述したように、この銃の特徴はバレルの上に鎮座した2本の7連チューブマガジンから、セレクターレバーによって任意のチューブのショットシェルを撃ち分けられることだ。一見、画期的に思えるが現場の意見はそうではない。

 いざ発砲する際、その現場で弾種を選んでいる時間があるか、またはプレッシャー下で操作を間違えてしまったらどうなるかと考えると、シンプルイズザベストということになる。銃を撃ったこともない新人に一から教えることを考慮すると、やはりセレクターなどない方がよいのかもしれない。

 

UTAS UTS-15

軽量で全長が短く、取り回しのよさは格別。一方でヴィクターのイヤプロテクションのコードが吹き飛んでいる。結構なリコイルなのだ

 

 画期的なデザインであると同時に、いくつかの弱点を抱えるUTS-15。後編のレポートではいよいよ実射。現役LAPDシューティングインストラクターのヴィクターに参加してもらい、彼の愛用ショットガンたちと撃ち比べてみる。ぜひ、そちらもご覧いただければ幸いだ。

 

Text & Photos: Hiro Soga

 


 

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この記事は月刊アームズマガジン2020年12月号 P.112~119より抜粋・再編集したものです。

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