ドットサイトの常識を変える!MARKSドットサイトシリーズ

 

 ドットサイトといえばエアガン用アクセサリーとしてライフルスコープやサイレンサーと肩を並べる人気アイテムだ。各社から趣向を凝らした製品がリリースされる中で、新進気鋭のドットサイトメーカー「MARKS」のドットサイトが注目を集めている。ここではアームズマガジン編集部の毛野ブースカがMARKSのドットサイト3タイプをインプレッションする。

 


 

MARKSドットサイトシリーズ

MARKSのドットサイト。写真左からHD-3 Cyclone、HD-5 Stinger、HD-1 Titan

 

 

ドットサイトの歴史

 

 私がエアガンに興味を持ち始めた1980年代半ば頃、ドットサイトは今もなおドットサイトのリーディングカンパニーとして君臨するエイムポイントの製品しかなかった。やがて1980年代後半になるとタスコからプロポイントシリーズが、1990年半ば頃にブッシュネルからホロサイトが発売され、ドットサイトはシューティングマッチ用として徐々に広まっていった。
 いわばニッチな存在であったドットサイトだったが、1990年代後半にアメリカ軍がエイムポイントComp-MLを制式採用したことで一気にブレイクする。照準器としてのドットサイトの有用性が認知され始めたのはもちろん、ミルスペックをクリアする耐久性、過酷な環境下でも照準が狂わない精度の高さを実現できたことが大きな要因だった。2000年代に入りドットサイトはアサルトライフルやサブマシンガンに欠かせない照準器となり、軍や法執行機関以外でも幅広く使われるようになった。2000年代後半には小型化が進んだことでハンドガンのスライドに直接搭載できるマイクロドットが登場することになる。
 現在は多種多様なドットサイトが市場に流通するようになり、高機能・高性能な製品がある一方、実銃用ドットサイトをモチーフにした見た目のカッコよさだけでドットサイトとしての機能が不十分な製品も出回るようになった。覗くとレンズが暗かったり、ゼロインしたのにいつの間にかズレていたり、すぐドットが点かなくなってしまうような経験をしたことのある方がいらっしゃるのではないだろうか。そんな苦い経験からドットサイトに対してネガティブなイメージをお持ちの方にぜひ手に取ってほしいドットサイトが、今回紹介するMARKSのドットサイトだ。
 私は仕事柄、今まで多くのドットサイトに触れてきた。思わずため息が出るほど素晴らしい性能のものがある一方、なんだこれ?と首を傾げたくなるようなものもある。まさにピンキリなのだが、ドットサイトに限らずライフルスコープを含めた光学機器は「値段が高い=ハイクオリティ」という不文律のようなものがある。実際にそういう一面はあるのだが、必ずしもそうではない一面もある。今回紹介するMARKSのドットサイトはいい意味で期待を裏切ってくれた。

 

MARKSドットサイトシリーズ


 MARKSのドットサイトは3モデルとも定価が10,000円以内。価格だけで判断するならクオリティの高さは期待できない。しかし、実際に覗いてみると、3モデルいずれも歪みのないクリアな視界と、直射日光下でも視認しやすいシャープで明るいドットだった。覗いた感じは高級機種に勝るとも劣らず、価格と覗いた感じのギャップに正直驚いた。デザインはオーソドックスなCompタイプ(HD-3 Cyclone)とコンパクトでスリムなT1タイプ(HD-5 Stinger、HD-1 Titan)をラインアップ。スイッチやマウントベースの形状はそれぞれ異なるものの、いずれも実銃規格をクリアする耐衝撃性能、IP67等級の防水・完全防塵を有している。サバイバルゲーム用としては文句ないレベルだ。耐久性に関しては今後時間をかけて検証してみたい。それでは各モデルの特徴を解説していこう。

 

■HD-3 Cyclone

 

 耐衝撃600G/IP67等級の防水機能を備えた実銃対応のドットサイト。Compタイプのオーソドックスなスタイルに、本体左側にメモリー機能付きボタン式スイッチが備わっており、素早く点灯できる。チューブ径は30㎜。ドットサイズは精密射撃向きの3MOAとなっている。ハイマウントタイプのマウントリングを標準装備。

 

  • 電源:CR2規格電池×1
  • 輝度調整:8段階
  • 1年間のメーカー正規保証付き
  • 価格¥7,818

 

MARKSドットサイトシリーズ

スイッチは本体左側、バッテリーボックスは本体右側に設けられている。スイッチはメモリー機能付きとなっており、再起動後も同じ輝度でドットが点灯する

 

MARKSドットサイトシリーズ

付属のハイマウントを使ってM4カスタムに装着したところ。スイッチは操作しやすい位置にあり、構えたままでも輝度調整しやすい。30mmチューブ径と28.5㎜の対物レンズ径のおかげで、近距離から遠距離まで幅広くカバーできる

 

MARKSドットサイトシリーズ

フルマルチコーティングが施された対物レンズ。LEDが正確に照射されるように人間工学に基づいた角度で対物レンズが装着されており、あらゆる環境で正確なサイティングが得られる

 

MARKSドットサイトシリーズ

ドットを照射してレンズを覗いたところ。フラットな視界と、ドットサイトにありがちなレンズの青みはほとんどないのがわかるだろうか。ドットは滲みがなく、くっきりしている

 

■HD-5 Stinger

 

 T1タイプのコンパクトで軽量なドットサイト。耐衝撃600G/IP67等級の防水機能を完備。3MOAの明るいドットは、ドットが見やすいようにレンズ設計されているお陰で逆光下でも狙いやすい。本体表面は耐摩耗性を重視してラバーコーティングが施されている。ローとハイの2種類のマウントベース付き。

 

  • 電源:CR2032規格電池×1
  • 輝度調整:11段階
  • 1年間のメーカー正規保証付き
  • 価格:¥7,636

 

MARKSドットサイトシリーズ

本体右側にダイヤル式スイッチが設置。ウインデージ/エレベーションノブはキャップと使って回すことができる。このモデルは今回紹介する3タイプの中で最も軽くてコンパクトだ

 

MARKSドットサイトシリーズ

ハイマウントベースを使ってM4カスタムに装着したところ。スタイリッシュなこのモデルはM4カスタムによく似合う。ローマウントを使えばショットガンやAKシリーズに活用できる

 

MARKSドットサイトシリーズ

対物レンズ径は20㎜ながら広視界を確保。レンズはフルマルチコーティング仕様。実銃のリコイルショックにも耐える600Gの耐衝撃性と高い防水性能から屋外で安心して使える

 

MARKSドットサイトシリーズ

ドットを照射してレンズを除いたところ。写真のドットの輝度は「4」の状態。ストロングモードが強化されたことで、最大輝度の「11」にすると炎天下でもはっきり視認できるほど明るい。青みや歪みもなくクリアな視界であることがわかる

 

■HD-1 Titan

 

 バッテリー収納スペースを本体中央にすることでスマートなフォルムと、オープンタイプのドットサイトに匹敵する視界の広さを確保したインテグレーテッドマウント仕様のドットサイト。IP67等級の防水機能に加えて、このモデルのみ800Gに耐える耐衝撃性が確保されており、3タイプの中で最もハイグレードなモデルだ。

 

  • 電源:CR123A規格電池×1
  • 輝度調整:8段階
  • 1年間のメーカー正規保証付き
  • 価格:¥8,909

 

MARKSドットサイトシリーズ

メモリー機能付きボタン式スイッチは本体左側に設けられている。+か-のボタンを2秒間押し続けるとドットが消灯する。レンズの直下にあるのがバッテリー収納スペースだ

 

MARKSドットサイトシリーズ

M4カスタムに装着したところ。マウントベースの高さはM4カービン用に設定されており、無理なく自然に構えられる。左右の突起物が少ないので、装備などに引っかかったりしない

 

MARKSドットサイトシリーズ

前方から見ると無駄のないスタイルであることがわかる。レンズにはルビーコートが施されており、人間工学に基づいてレンズ設計とあいまって広い視界が確保されている

 

MARKSドットサイトシリーズ

ドットを照射してレンズを除いたところ。3タイプの中でも視界のクリアさでは一歩抜きん出ている。コンパクトながら視野も広く、シャープなドットのおかげで狙いやすい印象を受けた

 


 

●実射インプレッション

 

MARKSドットサイトシリーズ

 

 HD-1 Titanを装着してサバイバルゲームに参加してみた。ヘッドショットのような開けた場所と建物が混在するようなアウトドアフィールドだと近距離から遠距離まで対応できなくてはならない。その点では遠距離に相手がいても狙いやすく、かつ近距離にいる相手にも素早く正確な一撃を与えることができるHD-1 Titanのようなドットサイトは心強い。

 

MARKSドットサイトシリーズ

 

 今度はHD-3 Cycloneを装着して20m~50mまでに設置されたターゲットを撃ってみた。3MOAのドットサイズは小さすぎず大きすぎず、エアガンの有効射程内で使うことを想定すると最適なサイズだと言える。精密射撃からスピードシューティングまで幅広く使いこなせる。

 

TEXT:毛野ブースカ

撮影協力:ヘッドショット

 

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