【実射】ピストルブレース付き「SIG SAUER MPX Pistol」の実力とは

 

 「SIG SAUER MPX Pistol」はショートストロークガスピストン方式、ロテイティングクローズドボルトシステムといったSMGとしては凝ったメカニズムや、その撃ちやすさから急速に人気を得ていった銃だ。今回はMPXピストルのピストルブレース付きバージョンを実際に撃って、その性能を確かめていく。

 

前編のレポートはこちら

 


 

SIG SAUER MPX Pistol

 

 今回の実射は、西海岸に拡がる山火事の影響でいつものレンジが使えず、プライベートレンジを借りてのテストとなった。
 まず、驚かされたのはその精度だ。ターゲットとシューティングテーブルの位置が固定されているレンジの関係上、距離は約30ヤード(約27m)と長くなったが、フェデラルの147グレインHST JHPで9発(10発撃ったうち、1発をフライヤーとして除外した)のグループが1.75インチ(44.5mm)にまとまってしまったのだ。同時にテストしたPMCの115グレインFMJでもそのグルーピングは2.5インチ(63.5mm)と良好な成績を残している。リコイルの軽さからくる撃ちやすさも特筆モノだ。

 

SIG SAUER MPX Pistol

約20ヤードからの射撃だが、この距離だとヘッドショットでも外す気がしない

 

 そして、一般向けモデル(シビリアン・バージョン)としては圧巻なのが、フォールディング式のピストルブレースだ。ブレースというのは「支え、補強」というような意味で、法規上はあくまでも「アクセサリーとして、腕に装着することもできる安定用パーツ」ということになる。とにかくストックではないのだ。少し前までは、このピストルブレースを肩付けすることは「違法」というのがATFの意向だったが、現時点では「たまに肩付けしても、違法にはならないが、ストックのような改造は禁止」という幾分緩和された解釈になっている。とはいえ、例えばブレースの後部にリコイルパッドを取り付けたり、固定用のベルクロを取ってしまったりするのは違法! と細かく規定されている上に、このブレースそのものを禁止にしようという動きもあるらしく、敏感なガンオーナーは鵜の目鷹の目となっている状況ではある。
 ともあれ、現時点ではこのSIG SAUER MPXピストル、合法であり、正式に登録された9mmピストルなのだから、存分に楽しませてもらうことにする。

 

SIG SAUER MPX Pistol

ブレース本来の使い方の一例。いわゆる2ハンドホールドだが、当然トップヘビーなので長くは支えていられない。ピストルブレース、たしかに効いています

 

SIG SAUER MPX Pistol

エジェクトの瞬間だが、マズルライズ(銃口の跳ね上がり)はほとんどない。この撃ちやすさには脱帽だ

 

SIG SAUER MPX Pistol

肩付けすると、すべてがスッと安定する。これなら50ヤードヘッドショットも可能だ

 

 それにしても、このコンパクトで取り回しのいい、そしてたまには肩付けできるピストルのポテンシャルたるや、もの凄いものがある。しかし、問題はそのカリフォルニアにおけるお値段である。とにかく市場に出ること自体が珍しい激レアな代物なので、その価格は中古の軽自動車が買えるほどもする。今回のテストでMPXピストルの虜になってしまった私だが、懐具合と相談すると購入は難しそうだ。せめて半額以下の価格で手に入れることができるMPX PCC(ピストルキャリバーカービン)を手に入れるべく頑張ろう、と夕日に背を向けて家路を急ぐのであった。

 

SIG SAUER MPX Pistol

もう少し細身のハンドガードにしてくれたら、さらに見目麗しくなると思われる。現行モデルはM-LOK仕様の4.5インチバレルとなっている

 

Text & Photos: Hiro Soga

 


この記事は月刊アームズマガジン2020年11月号 P.118~125より抜粋・再編集したものです。

 

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