ボブ・ラブレス作、珠玉のカスタム.45オート

 

カスタムナイフメーカーとして伝説の存在、R.W.Loveless(通称ボブ・ラブレス)氏が、ガンスミスとして手を入れたカスタムガンが存在するのをご存じだろうか。今から約半世紀前に作り上げられた、気鋭のカスタムガンの数々をご覧いただきたい。

 

「近代カスタムナイフ」の父が作り上げた“フィールドガン”の概要はコチラ

 


 

“COMBAT COMMANDER” by Bob Loveless

これほどのカスタム.45オートが1970年代前半に存在していたという事実さえ信じがたい。スライド内部がごっそり軽量化されているのだ

 

 私がボブに初めて会ったのは2005年頃のことで、友人の紹介でリバーサイドにあった彼の工房を訪問させてもらった。

 私はナイフ雑誌のレポーターとして紹介されたので、まずは撮影用のカメラの話題から話が弾んだ。また、私がシューティングに入れ込んでいるのを知ると、ボブはオフィスにあった大きなセーフ(金庫)から、自分がカスタマイズしたというコルトコマンダーを見せてくれた。

 

フレームはゴールドカップモデルを加工して使っている。ワイドトリガーは、ボブの好みである

 

 後年、何度目かのラブレス工房訪問の際、ボブが今回撮影することができた.45オートに関して話してくれたことがある。

 

「ああ、あいつはガンサイトのトレーニングに行ってから、自分用に作ったやつの内の1挺だな。初めてのトレーニングではストックのアルミフレームコマンダーを持って行ったんだ。たしか2日間のコースで、1日最低でも600発は撃ったと思う。この時はスライドカット(スライドが前後する際、親指の付け根を切ってしまう)や、ハンマーバイト(親指の付け根をハンマーとグリップセーフティに挟まれてしまう)でひどい目にあった。それで必要なところに手を入れてから、次のクラスに行ったんだ」

 

 なんとボブは、あのジェフ・クーパー氏の主催する「GUNSITE(ガンサイト)」のコンバットオートクラスに、何回も参加していたのだ。そうしてできあがったのが、今回紹介することができた2挺である。

 

“OLD SMOOTHIE” by Bob Loveless

一気に格調が上がった仕上がりを見せるのが「オールドスムージー」だ。スライド上部のフラット仕上げにファインセレーション、マズル付近のスリム化、エッジを丸められた各部、セーフティ、スライドストップなど、思わず見つめてしまう魅力に溢れている

 

 ボブのカスタム.45オートというと、リアサイトにS&WのKサイトを低く埋め込んだモデルが有名だが、このオールドスムージーのサイトピクチャーは、もはや格段上といっても間違いない。リアサイト後ろに施されたスライドのカットなど、ボブの高いデザインセンスをほうふつとさせるポイントだろう。各部はより洗練され、スライド先端にはラブレス・ナイフでは有名なダブルヌードロゴまで入ってしまっている。まさに夢のカスタムコマンダーといっても過言ではなかろう。

 

圧巻はこのバックストラップ回りだろう。リアサイト後ろの切り欠きから、リングハンマーを加工したカスタムハンマー、スパー部分がなくなったグリップセーフティ、サムセーフティ、ボブテール化されたメインスプリングハウジング/フレームと、見どころ満載だ

 

【アームズマガジンウェブ編集部レビュー】

 実物は目にできなくとも、画像を通じて現代でも十分通用する内容を持つカスタムであることは一目瞭然である。オリジナルの良さを生かしつつ、それぞれ異なるコンセプトに仕上げられている様はまさに圧巻。一つ一つのデザインに意味があるその姿こそ、カスタムガンのあるべき姿だ。

 

Text & Photos: Hiro Soga

編集部レビュー:アームズマガジンウェブ編集部

 


この記事は月刊アームズマガジン2020年5月号 P.116-123より抜粋・再編集したものです。

 

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