アーマライト AR18アサルトライフル【無可動実銃の魅力】

 

ライバルはM16

 

アーマライト AR18アサルトライフル【無可動実銃の魅力】

 

 ベトナム戦争でベトコンが持つAK47に苦戦したアメリカは、AKシリーズを供与しライセンス生産させることで共産圏陣営を強化していたソ連に対抗してアメリカも同盟国にも供与・ライセンス生産させる銃の必要性に迫られた。これに、AR15の開発で勢いづいたアーマライトが名乗りをあげ開発したのがAR18である。

 

 

アーマライト AR18アサルトライフル【無可動実銃の魅力】

 

アーマライト AR18 自動小銃(#A5946)(参考品)

  • 全長:940mm(736mm)(実測)
  • 口径:5,56mm×45
  • 装弾数:20/30/40発
  • 価格:参考品

 

 

 設計思想に優れた名銃であったが、なんとアーマライトがライセンス権を売却してしまったAR15が大量生産の恩恵を受け、コストが安くなったおかげで、M16として西側陣営に普及してしまったのだ。

 結果として制式採用する国はなかったものの、発射機構・生産性・システムなどAR18のもつ要素を参考にした派生銃は多く、イギリスのSA80やシンガポールのSAR80、日本の89式小銃、台湾の64式歩槍など思想は受け継がれ、21世紀の現在では主流となっている。

 

 

アーマライト AR18アサルトライフル【無可動実銃の魅力】

最初からアンビセレクターを装備するなどAR18が先進的なデザインであったのは間違いないであろう。ボルトに直接付けられたボルトハンドルを避けるようにダストカバーは開口部の2/3ほどしかない

 

アーマライト AR18アサルトライフル【無可動実銃の魅力】

AR15のハンドガードが左右での分割式だったのに対しAR18のハンドガードは上下での分割式に変更された。下部には滑り止めのフィンが付けられている

 

 

AR15の栄光に埋もれてしまった功績

 

 アーマライトはAR10とAR15の製造ライセンスをコルトに売却したため、主力商品がなくなってしまった。また、主任エンジニアであり、AR15の開発に多大な貢献をしたユージン・ストーナーも退社してしまったことで、コルトの持つライセンスに違反しないリュングマン式ではなく、M1カービンと同系のショートストロークピストン方式を採用した。

 製造方法をAR15の鋳造アルミ材からの切削工法からスチールプレスと溶接という真逆の製造法に変更。内部構造もまったく違う方式をとったからその運命もまったく違ってしまった。

 AR15がM16となって現在ではM4シリーズとして世界を席巻したのに対して、AR18は製造元を二転三転しながら現在ではかろうじて改良型がわずかに製造されているに過ぎない。

 

 

アーマライト AR18アサルトライフル【無可動実銃の魅力】

レシーバー上部に溶接されている鉄板は専用スコープを付けるためのマウントプレートだ

 

アーマライト AR18アサルトライフル【無可動実銃の魅力】

ストックは折りたたみ式だがヒンジ部が脆弱なため不評であった。映画『ターミネーター』でもストックは外して使用されていた

 

 

89式小銃の礎

 

 AR18は外国製でありながら日本とも関係が深い銃器でもある。64式の制式化の翌年である1965年、豊和工業はM16を開発したアーマライトと技術提携を結び、AR18とAR180(AR18のセミオートマチック専用型)のライセンス生産を開始し、小口径弾の研究を開始した。64式の開発に手間取り、米軍のM14を採用する寸前まで追い詰められた苦い経験を生かし、来たるべき次世代国産制式小銃の開発に向けその基礎研究のベースとして、小銃の製造経験の浅い日本にAR18はうってつけであった。

 

 

アーマライト AR18アサルトライフル【無可動実銃の魅力】

この個体は刻印からカリフォルニアにあったアーマライトの工場で作られたものだとわかる。本体の丸い痕跡はスポット溶接によるものだ

 

 

 1970年から1974年までの間に日本国内で計3,927挺のAR180を生産し、その多くがアメリカに輸出されたが、アメリカのIRA(アイルランド共和軍)のシンパにより北アイルランドに送られてテロに使用されていた事が発覚し、豊和工業での製造は打ち切られてしまった。

 また、1973年には防衛庁(当時)に少数の豊和工業製AR18が納入されている。AR-18は日本において初の小口径軍用ライフルの量産品であり、その経験が89式小銃の礎となった記念すべき銃であった。

 

 

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TEXT:IRON SIGHT
撮影協力:サバイバルゲームフィールド Queen

 

 


この記事は月刊アームズマガジン2020年4月号 P.96~97より抜粋・再編集したものです。

 

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