【中編】スチェッキンAPS/櫻井朋成

 

東西冷戦時代、鉄のカーテンの向こう側にあった旧ソ連で、車輌や航空機搭乗員のPDW(個人防護火器)として開発されたスチェッキンAPS。この銃はフルオート射撃を前提にしたマシンピストルであり、ハンドガンとしては大柄なボディや、ケースを兼ねる着脱式のストックが特徴的だ。

 

【前編】スチェッキンAPS/櫻井朋成はコチラ!

 


 

 

フィールドストリッピングではスライドオープンしてハンドガードを引き下ろし、スライドを引いて上に持ち上げると前に抜けるワルサーPPKのような方式。固定式のバレルを軸にしたリコイルスプリングに引っ張られるように、スライドが前方に抜けていくのだ。

 

マグキャッチはグリップ下部にあるボトムリリース式で、マグチェンジは少々やりづらい。それでもボタンが大きいので親指で押しつつ人差し指でマガジンを引っ張り出すことが可能だ。スライド左側にはセーフティを兼ねたセレクターがあり、ロシア語でセーフ、セミ、フルと刻印されている。ハンマーを起こした状態でセーフティをオンにするとデコッキングされハンマーダウンとなリ、スライドも固定される。

 

トリガーガードを下に引っ張ることでスライドをフリーにでき、いっぱいに引くと節度のある感覚でカチッと固定される。

 

フレームに収まるハンマーユニット。エジェクターはスライドストップと一体のスチールプレス製。

 

木製のストックは銃本体の収納ケースも兼ねている。少々無理はあるが、クリップをベルトに通せばホルスターとしても使える。装着はストック前端部と銃のグリップ後端の連結装置で行なう。

 

銃本体をストックに装着した状態。マグキャッチのすぐ後ろ側に着脱用のレバーがある。

 

ストックは木製。後期型ではベークライトのタイプも製造された。ストック後端は開閉し、銃本体収納時のフタになる。ヒンジ部にはベルトを通せるクリップも付いており、外観上のアクセントになっている。

 

【アームズマガジンウェブ編集部レビュー】

ストックが特徴的なスチェッキンだが、その分解方法はワルサーPPKなどと同じ方式なのが興味深い。トリガー周りのメカニズムも、マシンピストルの名から想像するような複雑怪奇なメカニズムではないようだ。その割り切りが、旧東側のマシンピストルらしさといえるだろう。次回の中編では、いよいよ実射シーンの公開だ。

 

 

TEXT & PHOTO:櫻井朋成(Tomonari SAKURAI)
編集部レビュー:アームズマガジンウェブ編集部

 

 


この記事は月刊アームズマガジン2020年3月号 P.124-131より抜粋・再編集したものです。

 

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