【前編】KRISS Vector vs. MP5/GLOCK GIS Custom/櫻井朋成

その近未来SF的なフォルムもさることながら、“Kriss Super V” システムによりリコイル&マズルジャンプ抑制を追求したSMGクリスベクター。今月はこの銃の9mm×19モデルをメインに、同じく9mmSMGの傑作であるHKMP5Kの民間バージョンSP5K、そしてマシンピストルにカスタマイズされたグロック17GISカスタムを、オーストリア・ウィーン近郊の射撃訓練施設、エーデルワイス・アドベンチャーで撃ち比べた!!

 


 

 

クリスベクターシリーズは2006年、アメリカのTD(I 現在のKRISS USA)によって開発された。使用弾は9mm×19や.45ACPをはじめ9mm×21、.40S&W、10mmAUTO、.357SIGなどに対応。マガジンは基本的にグロックピストル用のものを流用し、バレルも5.5、6.5、16、18.6インチと各種用意されている。

 

写真のクリスベクターはGENⅡと呼ばれる軍・法執行機関向けの現行モデルで、M4ストックを装備するタイプ。ほかに.45ACP仕様など各種口径、バレル長に加えフォールディングストック仕様などのバリエーションがある。また、民間向けに16インチバレルでセミオート仕様のCRBというモデルもラインアップされている。

 

クリスベクターにはリコイル抑制のための独特なアイデアが盛り込まれている。一般的なSMGのボルトは後方へストレートに後退するが、クリスベクターの場合は“Kriss Super V”というボルトとスライダーで構成されたシステムにより、リコイルを下方に逃がす形となっている。その動きは、まるでレシーバーの中を鉄道模型が走っているかのようだ。それゆえレシーバーも特異な形状となり、近未来のSFガン的な雰囲気をかもし出している。

 

マガジンハウジングはロアレシーバーの前方にある。マガジンは9mm×19の場合グロック17等に対応するタイプが適合する。

 

アッパーレシーバーとロアレシーバーを分離し、ボルトアッセンブリーを取り出したところ。グリップはアッパーレシーバーと一体になっていることがわかる。

 

抜き出した“Kriss Super V” システム。ボルトアッセンブリーとスライダーアッセンブリーで構成され、スライダーの後方にはグリーンのダンパーが付いている。スライダーはグリップとほぼ同じ角度に配置されたリコイルスプリングガイドに連結され、発射時には後退するボルトにリンクするスライダーが下方に動く形となる。これにより、従来のSMGよりもボルト後退スペースを短くしつつ、リコイルやマズルジャンプの抑制を図っているのだ。

 

【アームズマガジンウェブ編集部レビュー】

国内でも非常に人気が高いKriss Vector。独創的なスタイリングは度々映画にも登場し、強い印象を残している。そのスタイルは独自の作動方式によるものだが、その内部機構を初めて目にしたという方も多いのではないだろうか。続く中編では、今回のライバルといえるモデル達が登場する。

 

 

TEXT & PHOTO:櫻井朋成(Tomonari SAKURAI)
編集部レビュー:アームズマガジンウェブ編集部

 

 


この記事は月刊アームズマガジン2020年2月号 P.126-133より抜粋・再編集したものです。

 

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